徹底監視!教育基本法「改正」法案審議
一般投稿:主権者の眼(参議院教基法特別委員会)


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■教育基本法「改正」情報センターによる監視

月日 会議名 発言者など 傍聴記(傍聴者)
12月7日
参議院教基法特別委員会
参考人質疑
参考人の中嶋哲彦さんの「愛知県の犬山市は“豊かな学力”をめざしている。学んだことは、単に個人のものではなく、社会全体のものである。」「学力テストは、学力向上のためではなく、子どもどうしを競争させているだけなので、よくない。学力テストに不参加を表明した。」などと言っていて、感激しました。

帰りに本屋さんで、『教育改革を評価するー犬山市教育委員会の挑戦』(岩波ブックレット)を買いました。(N・R)
11月29日午後
参議院教基法特別委員会
29日は岡田広(自民)、浮島とも子(公明)、那谷屋正義(民主)、佐藤泰介(民主)、小林みえこ(共産)、近藤正道(社民)、亀井郁夫(国民)の7氏でしたが、私は地元で用事があったので佐藤氏のところまでで退席しました。

全体に緊迫感が感じられるほどの質疑はなく、なにか消化試合をやっているような感じがしました。

伊吹大臣は余裕綽々という感じで、人当たりのよさの蔭のしたたかさをだんだんあらわにしてきたように見えます。

たとえばいじめ問題に関して自殺した校長のことについて、仁比氏が校長はきちんと対応していたのではないか、と尋ねたのに対し、「痛ましいことであるから言葉を選ばなくてはならないが、情緒的に話ししてしまってはいけない。努力しなかったとは言わないがお金を取られることは続いていた。これは典型的ないじめであるのにそれを報告していなかったのは問題だ。しかし私が教育長なら単独で記者会見させるようなことはしなかった。」と校長と教育長両方の責任にしてしまっています。この「情緒的に・・・」というのは24日の子どもたちが貧困と格差の中でさまざまな困難に直面していることを指摘した小林みえこ氏の質問に対しても答えの中で使っていました。

また未履修問題についても29日の岡田氏の質問に対して、「90数%はきちんと授業を受けていたということも受け止めなければならない。」と言って、未履修はごく例外的なこととして済ましてしまおうという魂胆がうかがえました。

タウンミーティングについてはたいした意味はないものだという態度です。「民意を一番集約しているのは選挙で選ばれた国会の意思だ。」とことあるごとに発言しています。だから法案16条の「この法律及び他の法律の定めるところにより行なわれる」教育が一番民意を集約した正当なものということなのでしょう。小選挙区制で多数の死に票の上にのし上がってきたことは意識にないようです。

そしてついに就任会見のときの「世界のどこにもっていってもすばらしい、しかし今の時代に不足しているものがあるので・・・」という発言も「就任の時の発言もう忘れたが・・・」ととぼけてみせながらしっかり2条の諸条項を「すべての教育主体に適応するように根本法に書き込んだ。」と学校だけでなく家庭、社会教育にもかぶせていくつもりをさらりと言ってのけるしたたかさです。よほどしっかり食いついていかないとなんとなくもっともらしく納得させられそうな危険性があると思いました。(Y・T)
11月28日午後
参議院教基法特別委員会
28日午後の質問者は浅尾慶一郎(民主)、下田敦子(民主)、水岡俊一(民主)、仁比聡平(共産)、近藤正道(社民)、亀井郁夫(国民)、坂本由紀子(自民)の7氏。亀井氏と坂本氏はどちらも持ち時間を残して切り上げていました。(Y・T)
11月24日
参議院教基法特別委員会
傍聴手続きに手間取って13:00開会に少し遅れて入場した。衆議院に比べて委員席と傍聴席が同じ平面なのは感じよい。しかし記者席はガラガラ。案の定翌日の朝日新聞は殆ど教基法を報じていない。

1時から4時半まで休憩なしで6人が質問した。党の勢力に応じた持ち時間の中でやらなければならないルールからして少数意見は封じ込められる仕組みだと痛感した。

■「不当な支配」について
翌日の東京新聞「こちら特捜部」は短いけれど論議を伝えている。

福山哲朗(民主党)議員は、繰り返し「不当な支配」をする可能性のある主体に、政府・行政権力を含むことの確認を求めた。自民党のHPには一部の教職員団体と書いてあることも指摘した。

伊吹文科大臣は、以下のように繰り返した。法の解釈権は内閣にある。内閣は不当な支配はしない。特定のイデオロギーで学指導要領に介入することがそれにあたる。あらかじめ、どの勢力団体というつもりはない。新法によれば選挙で選ばれた国会で制定する法律によって行われるので、行政権による介入はありえない。異論がある場合は司法に訴えればよい。最高裁判決で確定する。

近藤正道(社民党)議員は、現行法10条は戦争への反省から生まれた。「改正」案に引き継がれるのか。16条にある「不当な支配」と同じなのか。旭川学テ判決の(憲法の要請に基づき)「行政の介入は可能なかぎり抑制的であるべき」ことは改正案16条のどの文言がそれにあたるのか。憲法の趣旨を逸脱した場合のチェックシステムはあるのか。
伊吹文科大臣は旭川学テ判決の行政の介入を認める部分を援用しながら、「法の解釈権は内閣…」を繰り返した。
(何度も同じ答えではぐらかす場面があり、しばしば中断)(参議院らしく?本筋の議論に入ったという感じもしたが、このやり取りをメディアが見てないのが残念。そのせいか迫力に欠け、政府委員も民主党側説明員も和やかな雰囲気。民主党側理事佐藤議員?蓮舫議員は真剣な表情をしていたが)

■「やらせ」について
22日に蓮舫(民主党)議員がタウンミーティング(TM)に関る費用の明細を求めていた。この日は福山哲朗議員が2004年松山でのTMで400人参加者のうち100人は県が動員したという報道(24日東京新聞1面にあり)の真偽を確認しようとするが、文科省担当官(正しい職名を忘れた)、塩崎内閣官房長官、は調査中を理由に確認を拒否。何回かの中断を経て、伊吹文科大臣が動員要請をした事実だけを認めた。福山氏は@松山のTMの動員、A衆議院へ出したTMに資料の詳細、B蓮舫氏の求めた事前調査費についての資料提供を求めたのに対し、官房長官は理事会で詰めたいという答弁だった。続いてTMの費用(1人3万円〜5000円)の内訳を問うと、文科省と内閣府のずれがあり、広告代理店の入札に関る予定価格の開示を求めたのに対してはかたくなに拒否。何度も委員長の周りに各党の理事が集まって協議するための中断があり、傍聴席では事実が明らかになるまで、審議は凍結にすべきという声が出ていたが、議員さんたちはそういう戦術を取らなかった。 

■いじめについて
神本美恵子(民主党)議員、国際会議で指摘されたこととして、日本の学校文化が「恥と我慢と、ヒエラルキーの文化」といわれたことから、子どもたちの逃げ場、居場所が必要と主張し、調査方法と結果の活かし方を質問。フリースクールとの連携や、カウンセラー制度の強化改善を提案した。

銭谷初等中等局長は調査の目的と効果を、全国的課題の把握、生徒指導会議での情報交換と。
伊吹文科大臣は恥の文化は良い、ヒエラルキーは学校にあって当然と開き直り、家庭の責任や教師の使命感、感性の必要性を強調。いじめの実態把握と対策は検討を約束。調査のやり方を変えるとも。(いじめ克服した例を集めるなど)

(文科省が調査をし、通達を出すことによって事態はどんどん悪化したことを誰かデータでつきつけてほしい!)
機会均等について

小林美恵子(共産党)議員 大阪教組の調査資料に基づき、教材が買えない子ども、修学旅行にいけない子どもが出ていること、就学援助金が一般財源化されたことによる認定基準の引き下げが起こり教育に機会均等が脅かされていると指摘。

伊吹文科大臣は、地方に権限を譲ったのだから地方の問題だとして、情緒で判断してはならないとお説教?

公明党の山中議員は未履修問題に絡めて高校教育とは何ぞや、のテーマで自論を展開。最後に自民党の岩城議員はいじめをテーマに、伊吹文科大臣の新教基法必要の主張を引き出して終わり。(K・J)

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