衆議院(2006年11月) 165国会・参議院(2006年11〜12月)
参議員・教育基本法に関する特別委員会委員名簿(2006年11月27日)
日付 | 国会動向 | 報道 |
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■12月15日 | 与党幹事長は、衆参両議長に、 19日(火)までの会期延長を申し入れ しかし、与党は、今日中に、改正法案の本会議採決の構えを崩さす13時10分より、衆議院本会議開会。不信任決議案、会期延長案が議題。(13時22分)衆議院本会議、内閣不信任決議案に対する賛成・反対討論中(15時10分) 衆議院本会議で、4日間の会期延長を決定。(14時05分)16時30分から参議院本会議か? 議題:伊吹文部科学大臣問責決議案、教育基本法改正法案など(15時55分)衆議院本会議終了。内閣不信任案否決。(16時08分) 17時50分、参議院本会議、採決、可決。(17時55分) |
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■12月14日 | 教育基本法に関する特別委員会 総理出席 TV中継 教育基本法案等4法案(閣法・参法) 小野 清子 自民 40分 9:00-9:40 (関連)鴻池 祥肇 自民 桜井 充 民主 80分 9:40-11:00 (関連)神本美恵子 民主 山本 香苗 公明 30分 11:00-11:30 井上 哲士 共産 10分 11:30-11:40 近藤 正道 社民 10分 11:40-11:50 亀井 郁夫 国民 10分 11:50-12:00 |
教育基本法改正案:対応揺れた民主党、戦略不在印象づけ 教育基本法改正案:参院特別委で可決 野党は内閣不信任案 教育基本法改正案を可決 与党の賛成多数で参院委 教基法改正案可決=野党、外相不信任案提出へ−参院特別委 教育基本法改正案で与党 参院委できょう採決へ |
■12月13日 | 教育基本法に関する特別委員会 衆議院 9時〜12時 (いじめ未履修に関する補足審議) 9:00〜 9:10 自民党 西川京子君 9:10〜 9:20 公明党 西 博義君 9:20〜10:00 民主党 中井ひろし君 10:00〜10:30 民主党 川内博史君 10:30〜11:00 民主党 高井美穂君 11:00〜11:20 国民新党 糸川正晃君 11:20〜11:40 社民党 保坂展人君 11:40〜12:00 共産党 石井郁子君 参議院 13時〜17時半 (一般審議) 13:00〜13:20 自民党 西島秀俊君 13:20〜15:50 民主党 浅尾慶一郎君、岡崎トミ子君、山根隆治君 15:50〜16:20 公明党 山本保君 16:20〜16:45 共産党 井上哲君 16:45〜17:10 社民党 福島みずほ君 17:10〜17:30 国民新党 亀井郁夫君 |
与党、14日に委員会採決 教育基本法改正案 <河野衆院議長>公聴会直後の採決見直しの検討求める 教育基本法改悪 成立阻止へ全力確認 4野党が国対委員長会談 首相「美しい国造りは教育が基本」・衆院特別委で 教育基本法改定 教育実践とズレ 参院 中央公聴会で学生発言 |
■12月12日 | 教育基本法改正:与党「15日成立」確認 野党抗戦なら会期延長も 慎重審議求める意見も 教基法改正で中央公聴会 15日の会期末控え与野党の攻防激化 <教育基本法改正>参院特別委が中央公聴会開催 「教育基本法改悪案」あす採決提案 参院特委で自民・公明 |
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■12月11日 | 教育基本法に関する特別委員会 第10回 【参考人】 愛媛県知事 加戸 守行 品川区長 濱野 健 前志木市長 NPO法人地方自立政策研究所理事長 穂坂 邦夫 【質疑者】 大仁田 厚 (自民) 鈴木 寛 (民主) 山本 保 (公明) 井上 哲士 (共産) 近藤 正道 (社民) 亀井 郁夫 (国民) |
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■12月10日 | ||
■12月9日 | ||
■12月8日 | 与党公述人さえ「前日初めて読んだ」 徹底審議が国民の声 教育基本法、14日採決へ 参院特別委 教育基本法改正案、成立は会期末か |
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■12月7日 | 教育基本法に関する特別委員会 第9回 【参考人】 明海大学長 高倉 翔 杉並区立和田中学校校長 藤原 和博 古山教育研究所所長 古山 明男 名古屋大学大学院教育発達科学研究所教授 犬山市教育委員 中嶋 哲彦 【質疑者】 北岡 秀二 (自民) 鈴木 寛 (民主) 鰐淵 洋子 (公明) 井上 哲士 (共産) 福島 みずほ(社民) |
8日の参院委採決を提案=野党は反対−教基法改正案 教育基本法改正:愛国心の表記巡り賛否両論−−甲府で公聴会 |
■12月6日 | 教育基本法特委 「不当な支配」に行政含む 井上議員に文科相認める 参院教育特、7日に参考人質疑 国会会期、1週間程度延長へ 教育基本法採決で 与党が最終調整 |
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■12月5日 | 教育基本法に関する特別委員会 一般質疑 蓮 舫 神本美恵子(民主) 10:00-12:00 亀井 郁夫(国民) 13:15-13:45 藤本 祐司 水岡 俊一(民主) 13:45-15:35 山下 栄一(公明) 15:35-16:15 井上 哲士(共産) 16:15-16:45 近藤 正道(社民) 16:45-17:15 小泉 昭男(自民) 17:15-18:15 |
「教育基本法改正案は自民新憲法草案とも整合」文科相 成立は来週にずれ込みも 与党、教育基本法案で 「家庭教育」条項を評価 教育基本法 長野で公聴会 教育基本法改正:参院特別委、改正案テーマに公聴会−−新潟など4カ所 教育基本法改正:「明確な理由ない」 参院特別委公聴会、慎重審議の声相次ぐ 教育基本法改正:公述人4人が是非など意見 徳島で参院特別委地方公聴会開く /徳島 |
■12月4日 | 地方公聴会 第1班 新潟地方公聴会 9:00〜11:15 場所 ホテルオークラ新潟 藤井 久文(全国高等学校PTA連合会会長) 福田 誠治(都留文科大学教授) 大島煦美子(新潟県女性財団理事長) 吉田 裕史(県立白根高校教諭) 参考人の意見陳述・それぞれ15分 質疑(自民・民主・公明・社民・国民)それぞれ15分 長野地方公聴会 15:00〜17:15 場所 メトロポリタン長野 久保 健(長野市教育委員会委員長) 大田 直子(首都大学東京教授) 牛越 充(元大町市教育長) 若林 健太(公認会計士) 参考人の意見陳述・それぞれ15分 質疑(自民・民主・公明・社民・国民)それぞれ15分 第2班 神戸地方公聴会 9:00〜11:00 場所 ホテルオークラ神戸 太田 勝之(兵庫県立高等学校PTA連合会副会長) 桂 正孝(宝塚造形芸術大学教授) 森本 光展(大阪府立箕面東高等学校教諭) 土屋 基規(神戸大学名誉教授) 参考人の意見陳述・それぞれ15分 質疑(自民・民主・公明・共産)それぞれ15分 徳島地方公聴会 15:00〜17:00 場所 阿波観光ホテル 白川 剛久(前上那賀町教育長) 戸塚 悦朗(龍谷大学法科大学院教授) 宮澤 彰雄(徳島文理大学短期大学部生活科学科教授) 石踊 胤央(徳島大学総合科学部名誉教授) 参考人の意見陳述・それぞれ15分 質疑(自民・民主・公明・共産)それぞれ15分 |
教基法改正案で公聴会 神戸 |
■12月1日 | 教育基本法に関する特別委員会 第7回 【参考人意見陳述・質疑】 八洲学園大学生涯学習学部教授・筑波大学名誉教授山本恒夫君 全日本仏教会宗教教育推進特別委員会委員長杉谷義純君 静岡大学教育学部教授馬居政幸君 新潟大学大学院実務法学研究科教授成嶋隆君 新潟大学教育人間科学部助教授・DCI日本支部事務局長世取山洋介君 狭山ヶ丘高等学校校長小川義男君 |
教基法の今国会成立に反対 民主、共同修正を断念 |
■11月30日 | 教育基本法に関する特別委員会 第6回 | 参院野党国対委員長会談で、共同声明文について合意、発表行う |
■11月29日 | 教育基本法に関する特別委員会 第5回 9:00〜12:00、13:00〜18:00 鈴 木 寛 民主 9:00〜11:00 藤 本 祐 司 民主 同上 福 山 哲 郎 民主 同上 鰐 淵 洋 子 公明 11:00〜11:15 井 上 哲 士 共産 11:15〜11:30 近 藤 正 道 社民 11:30〜11:45 亀 井 郁 夫 国民 11:45〜12:00 集中審議 風 間 昶 公明 13:00〜13:40 福 島 みずほ 社民 13:40〜14:00 林 久美子 民主 14:00〜16:00 神 本 美恵子 民主 同上 井 上 哲 士 共産 16:00〜16:20 亀 井 郁 夫 国民 16:20〜16:40 南 野 知恵子 自民 16:40〜18:00 |
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■11月28日 | 教育基本法に関する特別委員会 第4回 13:00〜18:00 【質疑者】 鰐淵 洋子 (公明) 広中 和歌子(民主) 浅尾 慶一郎(民主) 下田 敦子 (民主) 水岡 俊一 (民主) 仁比 聡平 (共産) 近藤 正道 (社民) 亀井 郁夫 (国民) 坂本 由紀子(自民) |
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■11月27日 | 教育基本法に関する特別委員会 第3回
【質疑者】 |
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■11月26日 | ||
■11月25日 | ||
■11月24日 | 教育基本法に関する特別委員会 第2回 【質疑者】 福山 哲郎 (民主) 神本 美恵子(民主) 小林 美恵子(共産) 近藤 正道 (社民) 山下 栄一 (公明) 岩城 光英 (自民) |
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■11月23日 | 教育行政、「不当支配にあたらず」 国会審議で文科相 | |
■11月22日 | 教育基本法に関する特別委員会 第1回
1.教育基本法案(第164回国会閣法第89号)(衆議院送付) 【質疑者】舛添 要一 君(自民) |
【参院教育特】佐藤泰・蓮舫・水岡議員が安倍首相らを鋭く追及 教育基本法の衆院採決は小沢民主代表の戦術ミス 「ボタン押すだけ」で1万5000円=TMの「無駄遣い」民主が追及−参院特委 6・3・3・4制の見直し検討 安倍首相が答弁 |
■11月21日 | 国会あすにも正常化 野党の欠席戦術限界に 必修漏れなど集中審議条件 | |
■11月20日 | 国会正常化へ 沖縄知事選敗北で野党軟化 |
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■11月19日 | 予算絡み悩ましい会期延長 教基法案成立優先も | |
■11月18日 | 欠席戦術、民主に揺れ 参院側は審議復帰を模索 民主、教育基本法改正案の対応で揺れる |
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■11月17日 | 教育基本法改正案、民主が対案提出 教育基本法改正案、参院本会議で審議入り 野党は欠席 教育基本法案審議入り 野党の欠席続く |
164国会 〜2006年10月
164国会 〜2006年6月
12月15日
12月14日
教育基本法改正案:対応揺れた民主党、戦略不在印象づけ
教育基本法改正案の参院特別委員会可決を受けて内閣不信任決議案の提出にこれまで及び腰だった民主党が一転、容認方針に転じた。提出を強く主張する共産、社民、国民新3党との野党共闘崩壊を回避するためだが、対応が揺れ動いたことは、戦略不在を印象づけた。
「幹事長・書記局長会談をもっと早くやるべきだった」。提出方針を決めた会談では国民新党の亀井久興幹事長が特別委採決前の不信任案提出に踏み切らなかった民主党を批判、鳩山由紀夫幹事長は「ここまで遅れたことは申し訳なかった」と頭を下げた。
内閣不信任案に対する慎重姿勢を民主党が転換したのは14日午前、党のCM撮影で顔を合わせた小沢一郎代表ら幹部の協議だった。小沢氏は鳩山氏に「野党でしっかり協力できる道も考える必要がある」と指示した。亀井氏が同日午前の緊急会見で「民主党からは歯切れの悪い対応しかなく残念だ。国会対策と選挙は連動して動いている」と選挙協力への悪影響をほのめかすなど、ほかの野党は民主党批判を強めていた。
民主が慎重だったのは「否決されたら安倍内閣を信任したことになる」という理由だけでなく、衆参執行部間の足並みの乱れも影響していた。参院側は改正案反対を訴えながら会期内の採決を容認する融和路線をとり、徹底抗戦には抵抗。小沢氏の指示を受けた鳩山氏が輿石東参院議員会長らの説得に動いたが、参院特別委員会の採決前の提出は参院側の反対で見送られた事情がある。
結局、14日夕の特別委採決も野党側が委員長に詰め寄る場面はあったものの、退席や実力阻止には至らず、与党側は「単独強行採決ではなかった」と強調。民主党の参院幹部も「強行採決とは考えていない。明日(15日)の本会議も出席する」と語り、同改正案をめぐり審議拒否に踏み切った衆院側との温度差は隠せなかった。
幹事長・書記局長会談後、鳩山氏は「強行採決に強い憤りをもって抗議する。内閣不信任案の提出をはじめとして、衆参で協力しながらあらゆる手段を講じていきたい」と強硬姿勢を強調、野党共闘に配慮をみせた。ただ、「日本を愛する心」を明記した対案を提出した民主党が「政府案の成立阻止」を唱えることに共産、社民両党は疑念を抱き続けていた。不信任決議問題が来夏参院選を控えて相互不信を再燃させた感は強い。【須藤孝】
毎日新聞 2006年12月14日 21:04
教育基本法改正案:参院特別委で可決 野党は内閣不信任案
参院教育基本法特別委で教育基本法改正案に賛成し起立する与党委員(右上)と中曽根弘文委員長(左端)に詰め寄る野党委員ら=国会内で14日午後6時4分、藤井太郎写す 教育基本法改正案は14日、参院教育基本法特別委員会で自民、公明の賛成多数で可決された。与党は会期末の15日に参院本会議で改正案を可決、成立させる方針だ。これに対し、野党4党は安倍内閣に対する不信任決議案を15日午前に提出し、対抗する。同法案の今国会成立は動かない情勢だが、与党は審議の混乱に備えて、国会の会期を3〜5日程度延長する考えだ。
同特別委は14日午前の質疑に続き、午後にも質疑を行った。同6時すぎ、審議は尽くされたとして与党側が質疑打ち切りの動議を提出した。反発した野党理事らが委員長席に詰め寄ったが、起立採決により与党の賛成多数で改正案は可決された。
採決後、野党は幹事長・書記局長が会談、衆参両院であらゆる手段を講じて改正案の成立を阻止する方針を確認した。15日に会期末を迎えることから、審議時間の「時間切れ」を狙い、タウンミーティングの「やらせ質問」発覚や、日本の核保有論議をめぐる閣僚の発言なども理由とし、内閣不信任決議案を衆院に提出することで合意した。安倍晋三首相に対する問責決議案の参院への提出も検討している。
内閣不信任決議案が提出された場合、他のすべての案件に優先して衆院本会議での採決が行われる。与党は15日の衆院本会議で決議案を否決、その後の参院本会議で教育基本法改正案、防衛庁の省昇格法案などを処理する方針だ。
ただ、野党の抵抗次第で審議時間が不足する可能性もある。自民党幹部は14日夜、記者団に「野党が不信任決議案を出せば延長手続きをする」と語った。【鬼木浩文】
毎日新聞 2006年12月14日 21:01
教育基本法改正案を可決 与党の賛成多数で参院委
野党側が委員長席に詰め寄る中、教育基本法改正案を与党の賛成多数で可決した参院教育基本法特別委=14日午後
安倍内閣が今国会の最重要法案と位置付けている教育基本法改正案が14日午後の参院教育基本法特別委員会で、自民、公明両党の賛成多数で可決された。今国会での成立は確実で、与党は会期末の15日の参院本会議で採決する考え。
民主党など野党は慎重審議を求めてきたが、与党が押し切った。野党は政府の教育改革タウンミーティングでの教基法改正に賛成する「やらせ」質問を批判、安倍内閣の不信任決議案などの提出を検討している。
教育基本法の改正は1947年の制定以来、初めて。改正案は18条からなり、前文で「公共の精神を尊び」と明記。教育の目標として「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことなどを掲げ「愛国心」重視の姿勢をにじませた。また「生涯学習の理念」「家庭教育」などの条項も新たに盛り込んだ。
参院特別委は14日午前から安倍晋三首相が出席して審議を行っていたが、採決をめぐる与野党対立が解けず休憩となり、理事レベルで折衝を続けた。与党が野党の主張する追加審議に応じたため、同日夕に審議が再開された。
改正案は小泉前内閣が先の通常国会に提出したが、継続審議になっていた。民主党が提出した対案の日本国教育基本法案は廃案になる見通し。
共同通信 2006年12月14日 19:20
教基法改正案可決=野党、外相不信任案提出へ−参院特別委
安倍内閣が最重要とする教育基本法改正案をめぐり、参院特別委員会は14日夕、午前中に引き続き野党の質疑を行った。質疑終了後、与党は採決に踏み切り、改正案は与党の賛成多数で可決された。野党は15日の参院本会議での改正案成立を阻止するため、麻生太郎外相や伊吹文明文部科学相の不信任決議案を衆院に提出する構え。15日に会期末となる国会の延長問題も絡み、与野党の攻防は大詰めを迎えた。
時事通信 12月14日17:00
教育基本法改正案で与党 参院委できょう採決へ
参院教育基本法特別委員会は十三日、断続的に理事懇談会を開き、安倍晋三首相が今国会の最重要法案と位置付ける教育基本法改正案について、採決に向けた大詰めの日程協議を行った。与党側は、「審議は尽くした」として、十四日中に委員会採決に持ち込む構えだ。
協議で与党側は十四日午前に首相出席の締めくくりの総括質疑を行った上で、採決することを提案。
野党側は、首相出席の質疑は受け入れたものの、総括質疑ではなく、タウンミーティング問題に関する集中審議とするよう主張し、採決は拒否した。
与野党は十四日も採決日程の協議をするが、調整の難航は必至。与党側は「これまで審議日程で譲歩を重ねており、十四日の採決は譲れない」(特別委理事)とし、質疑打ち切りの動議を出し、強行採決も辞さない構えを見せている。
野党側は強行採決となれば、同特別委の中曽根弘文委員長の解任決議案提出など、「何通りかシミュレーションを検討中」(参院国対幹部)としており、参院議運委員長、参院議長の解任決議案提出なども視野に入れている。
参院自民・公明両党は、野党側の出方を見極めた上で、十四日中に会期延長の有無を判断する方針だ。
北海道新聞 2006年12月14日 00:25
12月13日
与党、14日に委員会採決 教育基本法改正案
政府、与党が今国会の最重要法案と位置付けている教育基本法改正案が14日の参院特別委員会で採決される見通しとなった。
自民、民主両党の参院国対委員長が13日午後、国会内で会談。自民側は、民主党など野党が反対しても14日に参院特別委で安倍晋三首相が出席した質疑を行った後に採決するとの意向を伝えた。与党は今国会会期末の15日の参院本会議で可決、成立させる方針。
与党は首相らとの質疑を終え次第、14日昼すぎに委員会採決に踏み切る構え。これに対し野党は、内閣不信任決議案や、核保有議論容認発言をした麻生太郎外相の不信任決議案の衆院提出を検討。与党は決議案が提出されれば、その処理を優先させ、改正案採決が同日夜にずれ込む可能性がある。
ただ、与党は不信任決議案提出で国会が混乱することも想定、1週間以内の短期の会期延長も模索している。
共同通信 2006年12月13日 20:30
<河野衆院議長>公聴会直後の採決見直しの検討求める
河野洋平衆院議長は13日、議長公邸で開かれた衆院議会制度協議会で「公聴会が採決に至る前提条件となる現状には疑問がある。もう一度議論すべきだ」と述べ、公聴会直後の法案採決が慣例化している現状の見直しを求めた。協議会に出席した与野党の代表者も同意し、今後、各党で検討を進めることで合意した。
毎日新聞 12月13日 19:23
教育基本法改悪 成立阻止へ全力確認 4野党が国対委員長会談
十二日夕、国会内で野党四党の国対委員長会談が開かれ、参院採決をめぐって緊迫している政府の教育基本法改悪法案などをめぐり最終盤の国会対応について協議しました。
国対委員長会談後に記者会見した日本共産党の穀田恵二国対委員長は、同日朝に日本共産党を除く三野党幹事長会談がもたれ、国会対応に関してその内容が報じられている問題で「国会対応は四野党で協議して進めるのが筋だ」と主張し、そのことを確認したと述べました。
また教育基本法政府案の今国会成立阻止のため手だてを尽くすこと、そのために四野党国対委員長が連絡を密にして衆・参の状況を見極めた上で、必要に応じ書記局長・幹事長会談を行うことを確認したと述べました。
衆院教育基本法特別委
きょう集中審議
衆院教育基本法特別委員会は十二日の理事懇談会で、十三日午前にいじめ問題などをテーマに三時間の集中審議をおこなうことを決めました。安倍晋三首相が出席します。同集中審議の開催は、与党側が衆院で教育基本法改悪法案の採決を強行して混乱した国会を正常化する際に、与野党で合意していたものです。
しんぶん赤旗 2006年12月13日
首相「美しい国造りは教育が基本」・衆院特別委で
13日午前の衆院教育基本法特別委員会で、安倍晋三首相出席の集中審議が始まった。安倍首相は、教育基本法改正案の成立を目指す理由について、「戦後、とかく損得を基準にする風潮がはびこっている中で、すべての基本である教育の原則、理念を示す基本法を21世紀の日本にふさわしいものに変えていく必要がある。私が目指す美しい国造りにおいては、何と言っても教育がすべての基本」と表明した。
改正案の内容については、「日本の伝統や文化を尊重するとしっかり書き込んでいる。それらをはぐくんできた我が国や郷土を愛する気持ちを持つことの重要性についても書いてある。規範意識、道徳などの重要性も書いてある」と指摘。「いずれも21世紀、日本人が美しい人間として生きていくために必要な項目が書いてあるのではないか」と自賛した。
また、2006年度補正予算に関しては、「現在、深刻な問題となっているいじめ問題への対応の予算も盛り込んだところだ」とアピールした。
自民党の西川京子氏に対する答弁。
日本経済新聞 2006年12月13日
教育基本法改定 教育実践とズレ 参院 中央公聴会で学生発言
十二日行われた参院教育基本法特別委員会の中央公聴会で、埼玉大学教育学部の学生、浅野大志氏(22)は、学生たちは子どもと接し、悩みながら教育実践をしようとしているが「教育基本法『改正』が学生の問題意識の解決策になるのかわからない。実践としての教育と教育基本法『改正』がずれている」と批判しました。
また、浅野氏は、現行法第一〇条の「教育は…国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきもの」の部分について、「教育は直接向き合っている子どもたちに行うものだと感じるので、大好きです」と発言。改悪法案で削除されていることを批判しました。日本共産党の仁比聡平議員は「私もこの条文が大好きだ」と応じました。
仁比氏は、伊吹文明文部科学相が同委員会で教育基本法改悪法案は「自民党の憲法草案とも整合性をチェックしている」と答えていることについて尋ねました。大内裕和・松山大助教授は「立憲主義の根幹を揺るがす大問題だ」と答えました。
また、大内氏は点数至上主義の教育が、子どもたちに過度のストレスを与え、「どうせだめさ」という将来の絶望につながる感覚も与えてしまうと指摘しました。
東京都教育委員会の木村孟委員長は、改悪法案の早期成立を求めました。
しんぶん赤旗 2006年12月13日
12月12日
教育基本法改正:与党「15日成立」確認 野党抗戦なら会期延長も
自民、公明両党は11日の国対委員長らによる会談で、教育基本法改正案を15日までの今国会会期内に成立させる方針を確認した。野党が内閣不信任決議案の提出などにより徹底抗戦する場合は小幅の会期延長も検討する構えで、同改正案の参院特別委員会採決を予定している14日に最終判断する。
野党側は民主、社民、国民新の3党が12日に幹事長会談を開き、対応を協議する。民主党の鳩山由紀夫幹事長は11日、核保有論議を容認した麻生太郎外相の不信任案を提出する方針を記者団に表明したが、内閣不信任案については「成立はなかなか難しい」と慎重姿勢を示した。共産党の市田忠義書記局長は同日の会見で「いろいろな選択肢を考えていきたい」と語るなど、足並みはそろっていない。
一方、自民、民主両党は同日、衆院教育基本法特別委でいじめ問題などの集中審議を13日に行うことで合意。
先月21日に野党が審議拒否をやめる際の約束で、公明党幹部は「これで野党に対する義理はすべて果たした」と述べ、野党が反対しても改正案の採決に踏み切る考えを示した。
ただ、小泉純一郎政権のイラク戦争支持を「公式に言ったのではない」とした久間章生防衛庁長官の答弁に野党が反発。与党が13日成立を目指していた防衛庁省昇格法案も参院の委員会採決が14日、本会議採決が15日にずれ込む可能性が出ており、会期末ギリギリまで与野党の緊迫した駆け引きが続きそうだ。【山田夢留】
毎日新聞 2006年12月12日 東京朝刊
慎重審議求める意見も 教基法改正で中央公聴会
参院教育基本法特別委員会は12日午後、中央公聴会を開き、安西祐一郎慶応大塾長ら有識者5人から教育基本法改正に関する意見聴取と質疑を行った。法改正に理解を示す立場から審議をさらに深めるよう求める声も出た。
日本発達障害ネットワーク代表の山岡修氏は政府案、民主党案の双方に理解を示した上で、「教育が抱える問題の根本原因の分析が不十分。理念と具体的議論が混同され、議論不足の感が否めない」と述べ、一層の審議の充実を訴えた。
政府案に反対の大内裕和松山大助教授は「現在の教育問題は現行法の理念を現実化させてこなかった貧しい教育政策にある」と指摘。「政府案には能力主義につながる文言があり、格差社会の拡大、固定化の危険性がある」と批判した。
共同通信 2006年12月12日
15日の会期末控え与野党の攻防激化
今週金曜日に会期末を迎える国会は、教育基本法改正案などの採決や麻生外務大臣に対する不信任案の提出などをめぐり、与野党の攻防が激しくなってきています。
国会は最終日まであと3日を残すだけとなりましたが、与党側は2つの重要法案を最終日に成立させる方針です。
まずは最重要法案と位置づける教育基本法改正案ですが、与党側は13日にタウンミーティングなどの集中審議を行った後、14日に委員会採決することを提案しました。野党側は反発しています。
また、防衛庁の省昇格法案については、与党と法案に賛成する方向の民主党が14日の委員会採決で合意しました。与党側は国会最終日の15日にこの法案の成立を目指します。
会期末と言えば、野党にとっては不信任決議案が伝家の宝刀と言えます。しかし、野党側は12日、麻生外務大臣への不信任案提出をめぐって、足並みが乱れました。
12日朝、共産党抜きの野党3党で不信任案提出についてのすり合わせを行ったことに共産党が反発。また、民主党内でも参議院側から時期尚早ではないかとの異論が示されたため、12日の段階では結論が出ませんでした。
今後はあらためて4党間で不信任案提出のタイミングをはかるとしていますが、与党側は、採決の引き延ばしなどで混乱した場合には、延長も視野に対応する方針です。
野党側の結束が今後の鍵と言えますが、共闘して破れた沖縄県知事選と民主党の防衛庁の省昇格法案への賛成がどう影響するのかが焦点となりそうです。
TBS 12月12日 22:49
<教育基本法改正>参院特別委が中央公聴会開催
参院教育基本法特別委員会は12日、教育基本法改正案に関し、中央公聴会を開いた。公述人からは改正案で教育振興基本計画の策定が国に義務付けられるのを機に、先進国でも国力に比べ低水準にある教育予算の増額を求める声が相次いだ。東京都教委の木村孟委員長は「策定と併せ、未来への先行投資をすべきだ」と述べた。
毎日新聞 2006年12月12日 18:54
「教育基本法改悪案」あす採決提案 参院特委で自民・公明
国会会期末が十五日に迫るなかで、自民、公明両党は十一日、安倍内閣が最重要と位置づける教育基本法改悪法案について、十三日の参院教育基本法特別委員会で締めくくり総括質疑と採決をする日程を野党側に提示しました。また自民、公明両党の衆参国対委員長は同日、同特別委員会の採決をめぐる状況を見きわめた上で、今国会の会期延長の是非を十四日ごろに最終判断する方針を確認しました。
同特別委は十一日、参考人質疑を実施。十二日には中央公聴会を開くことが決まっています。与党提案は公聴会などの国民の声を審議にいかすのでなく、打ち切って採決に持ち込もうとするものです。
日本共産党など野党側は「公聴会の前の採決提案は受け入れられない」と反対し、協議は物別れに終わりました。
十三日まで東アジアサミットに出席予定だった安倍晋三首相が、同サミットの延期で十日に帰国したため、与党は当初の十四日採決の意向を早めてきました。
自民党と民主党は国対幹部の間で衆院教育基本法特別委員会の野党の補充質疑を今週中に行うことで一致。民主党は参院特別委の採決前に行うように求めており、十三日となる方向です。この質疑は法案の衆院強行採決後の国会正常化に際して、安倍首相出席で「できるだけ速やかに開く」と約束したものです。
しんぶん赤旗 2006年12月12日
12月9日
与党公述人さえ「前日初めて読んだ」 徹底審議が国民の声
自民、公明の与党は十五日までの国会会期内に教育基本法改悪法案の成立をねらっています。しかし、参院教育基本法特別委員会が六カ所で開いた地方公聴会では、二十四人の公述人のうち半数以上の十三人が反対か慎重審議を求めました。この声を受けた徹底審議が必要です。
地方公聴会ではいかに国民的議論が尽くされていないか象徴的な場面がありました。四日の新潟会場。公述人の一人は、突然参院から話があって公聴会の前日に初めて法案を必死になって読んだ実情を明かしました。「ゆっくりと読みこむまではいきませんでした。国会の常識は生活者にとってはすごい非常識なんだなと肌で感じた」
この公述人は与党推薦。改悪法案の二条で「我が国と郷土を愛する…態度を養う」と書いてあることに「これって何が養われるんだろうとはっとした。態度というのを広辞苑で読み込んだ」と言います。
同日の神戸会場でも与党推薦の公述人が「この公聴会に出席するに際して、初めて教育基本法と改定基本法の全文に目を通したような次第です」と発言。「国を愛する態度」について「これが愛国心だから一緒に育てていこうというような事項ではない」と一般的な国民の感想として話しました。
六日の甲府会場でも、黒沢惟昭・山梨学院大教授は、法学部の学生に教育基本法のコピーを配って議論をしたがほとんど反応がなかったことを紹介。「私も三日前から読み込んでいる状態。普通の人はもっと無関心だと思う。さらに時間を与えて議論してほしいというのが希望です」と述べました。
喜多明人・早稲田大教授は「子どもたちや一般市民は憲法を学んだことはあっても教育基本法を学んだことはない」と指摘。国会に子どもたちを呼んで意見を聞くなど「この公聴会で終わらせることなく、子どもからの意見をあらゆる方法を使って聞いていただきたい」と提起しました。
世論調査でも国民的議論が尽くされていないのは明らかです。「今国会での成立」を求めたのはわずか19%。「今国会成立にこだわるべきではない」は55%にのぼっています。(「日経」十一月二十八日付)
また、「毎日」(十一月二十八日付)では、「教育基本法改正がいじめをなくすことに役立つと思わない」が63%にのぼり、「役立つと思う」はわずか23%です。
公聴会でも、いじめ自殺や子どもの虐待などにふれ「現行教育基本法の運用でそれらの問題に対応できないものだろうか。現行基本法は正しく運用されてきたのであろうか」(神戸会場)という発言がありました。(小林拓也)
しんぶん赤旗 2006年12月8日
教育基本法、14日採決へ 参院特別委
安倍政権が臨時国会の最重要法案と位置づける教育基本法改正案が14日の参院特別委員会で採決される見通しとなった。与党が7日、同法案の今週中の採決を見送り、採決の前提となる参考人質疑を11日に、中央公聴会を12日に開くことで野党と合意したためだ。
ただ、15日が会期末のため、参院本会議の採決に反対する野党が衆院で内閣不信任案などを提出し、時間切れで廃案や継続審議となることを与党は警戒。1週間程度の会期延長も検討している。
与党は当初、安倍首相が8日午後から13日夜まで外遊するため、採決の前提となる首相出席での締めくくり総括質疑を8日に開く構えだったが、「審議時間を十分に確保しないと採決する大義名分がない。参院選に向けて、野党に攻撃材料を与えることにもなる」(参院幹部)と判断。また、採決を強行することが審議中の防衛庁の省昇格法案など他の法案の成立に影響しかねないとして先送りを決めた。
朝日新聞 2006年12月8日 3:08
教育基本法改正案、成立は会期末か
参院教育基本法特別委員会は7日、教育基本法改正案について11日に参考人質疑、12日に中央公聴会を開催することを決めた。
与党は14日に締めくくり質疑と委員会採決を行う方針で、成立は15日の会期末ぎりぎりになる公算が大きくなった。野党が内閣不信任案や問責決議案などを提出する動きを見せた場合、1週間程度の会期延長も検討している。
讀賣新聞 2006年12月8日 0:33
12月7日
8日の参院委採決を提案=野党は反対−教基法改正案
自民党の矢野哲朗参院国対委員長は7日午後、民主党の郡司彰参院国対委員長と会談し、教育基本法改正案について、(1)8日の参院特別委員会で安倍晋三首相が出席して締めくくり総括質疑と採決(2)11日か13日の本会議で採決−とする日程を提案した。これに対し、郡司氏は中央公聴会と3度目となる参考人質疑の開催が前提と主張して採決に反対し、協議は平行線をたどっている。
この後、参院の野党4党は7日夕の国対委員長会談で早期採決に反対する方針を確認した。ただ、与党は15日までの今国会の会期を1週間程度延長することも検討しており、同案の成立は動かない情勢だ。
時事通信 2006年12月7日 19:01
教育基本法改正:愛国心の表記巡り賛否両論−−甲府で公聴会
教育基本法改正案を審議している参院教育基本法特別委員会(中曽根弘文委員長)は6日、甲府市で地方公聴会を開いた。大学教授や現元職の高校教諭ら4人が意見を述べた。
愛国心の表記については2人が発言し「自国を愛していくよう一層の指導を図るのが大切」「法律で規制するのは極めて危険」と賛否両論の意見が出された。【宇都宮裕一】
毎日新聞山梨版 2006年12月7日
12月6日
教育基本法特委 「不当な支配」に行政含む 井上議員に文科相認める
日本共産党の井上哲士議員は五日の参院教育基本法特別委員会で、政府の教育基本法改悪法案の焦点である国家の教育内容への介入の問題について取りあげました。
井上氏は、憲法に基づいて教育への国家的介入は抑制的であるべきだとした最高裁判決の内容を一つ一つ確認。伊吹文明文部科学相は「『論理的には教育行政機関が行う行政でも不当な支配にあたる場合もありうる』と最高裁は判示しております」と、一九七六年の旭川学力テスト事件最高裁判決の核心を認めました。
そのうえで井上氏は、最高裁判決とこの間の政府答弁との食い違いをただしました。
五月の衆院審議で小坂憲次文科相(当時)は政府案について「最高裁判決の趣旨を踏まえ」たものと説明する一方で、「(政府案によって)教育委員会等の命令や指導などが不当な支配ではないということが明確になった」(小坂文科相)と矛盾したことを述べていました。
井上氏は小坂答弁について「最高裁判決とまったく違う」と批判。伊吹文科相は「小坂大臣は行政行為は不当な支配にあたることはないと言っている。しかし、そうではないという考えがあってもかまわない」と、見解の相違だと逃げました。
井上氏は「法案の核心部分で大臣によって答弁が違う。まだ審議が尽くされていないことを示している」とのべるとともに、「国や地方の教育行政も不当な支配の対象になるという伊吹文科相の答弁は大変重要だ」と指摘しました。
しんぶん赤旗 2006年12月6日
参院教育特、7日に参考人質疑
参院教育基本法特別委員会は5日夜の理事懇談会で、教育基本法改正案を巡る参考人質疑といじめ問題に関する集中審議を7日に開くと決めた。山梨、静岡両県で6日に地方公聴会を実施することも決まっている。野党側は中央公聴会の開催なども要求しており、同改正案の成立時期は来週以降にずれ込む公算だ。
日本経済新聞 2006年12月6日
国会会期、1週間程度延長へ 教育基本法採決で 与党が最終調整
自民党は五日、十五日に会期末を迎える今国会の会期を、一週間から十日程度延長することで与党内の最終調整に入った。重要法案の教育基本法改正案や防衛庁の省昇格法案の今国会成立を確実にするには、日程に余裕が必要と判断した。
青木幹雄参院議員会長、片山虎之助参院幹事長、矢野哲朗参院国対委員長は五日、国会内で非公式に会談し、週内にも安倍晋三首相や与党と調整して延長を決める方針で一致した。
重要法案のうち教育基本法改正案について与党側は七日の参院教育基本法特別委での採決、八日の参院本会議での採決−成立を目指していた。しかし野党側はこの日程に強く反対しており、五日の同特別委理事会は、六日午後に二度目となる地方公聴会、七日午前に参考人質疑、午後にいじめ問題などについての集中質疑を行うことを決定。週内成立は困難な情勢になっている。
一方で八−十三日には首相の外遊があり、週明けに首相の国会出席が可能なのは十四、十五の両日しかなくなる。同改正案で強硬姿勢に出た場合、他の法案審議に影響が及ぶ可能性があり、自民党は、重要法案の確実な成立には日程的な余裕を持つべきだ、と判断した。
国会最終盤が内閣不信任案提出などで混乱した場合、法案が時間切れで廃案になるのを避ける意味もある。
ただ与党内には、年末の予算編成への影響の懸念や「野党の抵抗に負けず、毅然(きぜん)とした態度を示すべきだ」との意見もある。
北海道新聞 2006年12月06日00:05
12月5日
「教育基本法改正案は自民新憲法草案とも整合」文科相
伊吹文部科学相は5日の参院教育基本法特別委員会で、政府提出の改正案を作成するにあたって、現行憲法だけでなく、自民党が昨秋まとめた新憲法草案と「整合性をチェックしている」と述べた。これに対し、神本美恵子氏(民主)は「自民党の憲法草案は現行憲法と立場が違うのだから、問題ではないか」と批判した。
自民党の憲法草案は、前文に「国民は、国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有する」と明記。「国民は、自由・権利には責任・義務が伴うことを自覚しつつ」との文言も盛り込まれている。
朝日新聞 2006年12月05日 19:57
成立は来週にずれ込みも 与党、教育基本法案で
自民、公明両党は5日、今国会の最重要法案である教育基本法改正案の参院採決・成立時期について、民主党など野党が採決に粛々と応じ、審議拒否などの対抗手段に訴えなければ、参院本会議での採決・成立を来週に先送りすることを視野に野党側との最終調整に入った。
与党はこれまで「7日に特別委員会採決、8日の参院本会議で採決・成立」を目指していた。しかし、野党の出方によっては委員会採決を8日に行い、本会議採決は11日以降とする“譲歩案”を検討。8日の委員会採決が実現すれば、本会議採決まで一定の間隔をあけても15日に会期末を迎える今国会の延長は必要ないと判断している。
与党が教基法改正案の採決時期の見直しに傾いたのは、成立阻止を掲げる野党が採決に反発して防衛庁の「省」昇格関連法案など、ほかの法案成立に影響が出ることを懸念しているためだ。
これに関連し、自民党の片山虎之助参院幹事長は5日の記者会見で「相手の思惑があるので調整されてどういうことになるか。こっちの計画通りにいくわけがない」と指摘。「今週中にできればやりたいとの考えは変わっていない」と述べると同時に、「あくまでも穏やかに和やかに話し合う」と強調した。
一方、野党側は民主党の郡司彰参院国対委員長が同日の会見で「一方的に審議を打ち切って採決となると、各委員会で預かっている法案の成立が滞るだろう」と与党をけん制、週内の本会議採決に反対する考えを重ねて示した。
共同通信 2006年12月5日
「家庭教育」条項を評価 教育基本法 長野で公聴会
参院教育基本法特別委員会は4日、長野市内のホテルで地方公聴会を開き、公述人4人が同法改正に対する意見を述べた。「家庭教育」などの条項を盛り込んだ政府案に賛成する意見の一方、教育の目標を「わが国と郷土を愛する態度を養う」と位置付けたことを取り上げ、改正に反対する意見もあった。
陳述は各15分以内。長野市教委の久保健委員長は「家庭の教育力が低下し、学校では代替できない。教育基本法は改正の時期に来ている」、長野市の公認会計士、若林健太氏は「社会の一員としての自覚は、国や郷土の歴史と伝統に敬意と誇りを持つことが基礎になる」と、ともに政府案に賛成する考えを述べた。
牛越充・元大町市教育長(前信濃教育会長)も「教育は不当な支配に服することなく、と記述したり、新たに生涯学習の理念に触れたことは評価できる」と述べ、改正に賛意を示した。
一方、首都大学東京の大田直子・人文科学研究科教授は「政府案は多くの点で国家による内心の自由やプライバシーへの関与を明言しており、自由主義国家としての役割を逸脱している」と反対意見を述べた。
質疑では近藤正道委員(社民)が、保護者の責任明確化が盛り込まれた点を挙げ「格差社会や男女の働き方の是正もセットにすべきではないか」と質問。久保氏は「行政によるしかるべき措置が必要」、若林氏は「重要な課題だが、保護者の責任とは切り離していい」と述べた。
公聴会は新潟市、神戸市、徳島市でも開いた。
信濃毎日新聞 2006年12月5日
教育基本法改正:参院特別委、改正案テーマに公聴会−−新潟など4カ所
教育基本法改正案を審議している参院教育基本法特別委員会は4日、新潟市など4カ所で教育基本法改正案をテーマとした地方公聴会を開催した。県内などの4人が意見陳述し、賛否両論の立場から議論が交わされた。
出席者のうち県女性財団の大島煦美子理事長=新潟市=は改正の意義は認めながらも「郷土を愛する態度を養う」という政府案の記述について、「身近な人を認め合うことで、地域を愛しく思えるようになる。心を法律で押し付けるものではない」と話した。
県立白根高校の吉田裕史教諭=同=は「勉強が得意な子の立場に立った教育が進み、機会均等が阻害される」、都留文科大の福田誠治教授=埼玉県三郷市=は「現行法は既にかなりレベルの高い内容で、変える必要は無い」と改正に反対した。
一方、全国高等学校PTA連合会の藤井久丈会長=富山市=は「法の施行当時と比べ社会状況は変化しており、時機を得たもの」と早期改正を求めた。【五十嵐和大】
毎日新聞新潟版 2006年12月5日
教育基本法改正:「明確な理由ない」 参院特別委公聴会、慎重審議の声相次ぐ
◇神戸公聴会
教育基本法改正案を審議している参院特別委員会(中曽根弘文委員長)は4日、神戸市中央区内で地方公聴会を開いた。意見を述べた教諭や学識経験者からは「戦前教育に戻りかねない」「現行法を全面改正する明確な理由が示されていない」などと慎重審議を求める声が相次いだ。【藤田剛】
公聴会は兵庫を含む新潟、長野、徳島の4県で実施。兵庫には同特別委の委員9人(自民5人、民主2人、公明、共産各1人)が出席した。県立高校PTA連合会副会長、太田勝之▽宝塚造形芸術大教授、桂正孝▽大阪府立箕面東高校教諭、森本光展▽近畿大教授、土屋基規――の4氏が公述人として意見を述べた。
森本氏は「勤務した学校では在日コリアンの生徒が1割以上いた。『我が国と郷土を愛する』という改正案の規定が、外国籍生徒のいじめや差別につながらないよう注意すべきだ」と指摘した。土屋氏も「改正案は教育に対する国家の統制を強める」と懸念。「内面の価値は生徒が自ら選んで身につけるもの。国が道徳を強制するのはおかしい」と批判した。
一方、太田氏は家庭教育の重要性を強調。「生活にゆとりのない親が子どもにストレスをぶつける。ただ、国が家庭に介入するのは違和感がある」と話した。
毎日新聞 2006年12月5日
教育基本法改正:公述人4人が是非など意見 徳島で参院特別委地方公聴会開く /徳島
◇「『伝統文化の尊重』うれしい」「現状の解明こそが大切」
教育基本法改正案などを審議中の参院教育基本法特別委員会の地方公聴会が4日、徳島市内のホテルであった。大学教員ら4人の公述人が、法改正の是非に加え、形がい化が指摘される教育委員会制度のあり方などについて意見を述べた。【植松晃一】
地方公聴会は審議中の教育基本法案など4法案について、同特別委が審議の参考にするため、4日、神戸市、新潟市、長野市、徳島市の4都市で同時に開催。徳島市の公聴会には、北岡秀二理事ら自民、民主、公明、共産各党の参院議員9人が出席した。
公述人として、▽白川剛久・旧上那賀町教育長▽戸塚悦朗・龍谷大法科大学院教授▽富沢彰雄・徳島文理大短大部教授▽石躍胤央・徳島大名誉教授――が発言した。
同法改正案については、白川氏が「『伝統文化の尊重』との文言が盛り込まれたことをうれしく思う。戦後日本の公教育は、自分の国に誇りを持たない根なし草のような人間を大量に育てた」などと述べた。
石躍氏は「世の中全体で、(物事の本質を追究する)『なぜ』という問いかけをすることがなくなっていることに、危惧(きぐ)を感じる。教育を取り巻く今の事態がどうして起こったのか、調べることが大切で、なぜ改正しなければいけないのか分からない」などと反対を表明した。
また、戸塚氏は「政府案では外国籍の子どもを想定した『何人(なんびと)』との表現を使っておらず、国際人権上の問題解消には至らない。法改正を急がず、研究を慎重に進めるべきだ」などと指摘した。富沢氏は省庁の壁を超えた「児童省、子ども省のような組織が必要ではないか」などと述べた。
毎日新聞徳島版 2006年12月5日
12月4日
愛国心批判や改正に慎重論 教基法で地方公聴会
参院教育基本法特別委員会は4日午前、新潟、神戸両市で公聴会を開き、地元有識者らから教育基本法改正に関する意見を聞いた。政府案の「愛国心」条項への批判や改正に対する慎重論が目立った。
新潟会場では、新潟県女性財団の大島煦美子理事長は、政府案の「我が国と郷土を愛する態度を養う」について「心の状態を上から押しつけたり、法律で決めるのではなく、多様性を認める教育が大切だ」と述べ、「愛国心」条項を批判した。
県立白根高校の吉田裕史教諭は「『愛国心』は国民の意識の統合を図ろうとしている」と指摘。全国高等学校PTA連合会の藤井久丈会長は「2、30年に1回の見直しは必要だ」と改正に賛成の考えを示した。
神戸会場では、兵庫県立高等学校PTA連合会の太田勝之副会長は「改正されても問題が解決しなければ、厳しく指導しようと細かい項目が増えるのではないか。改正には慎重であってほしい」と懸念を表明した。
近畿大の土屋基規教授は「国の教育への介入に歯止めがなくなる恐れもある」と廃案を求めた。
大阪府立箕面東高校の森本光展教諭は「社会の変化の中で現行法は時代にそぐわない」と改正に賛成の考えを示した上で、「政府案には外国籍児童への配慮が欠けている」と指摘した。
共同通信 2006年12月04日 12:08
教基法改正案で公聴会 神戸
教育基本法改正について、教育関係者から意見を聴いた参院の地方公聴会=4日午前、神戸市中央区、ホテルオークラ神戸(撮影・中西大二) 参院教育基本法特別委員会の地方公聴会が四日午前、神戸市内で開かれ、政府、与党が今国会での成立を目指す教育基本法改正案について、県内外の教育関係者四人が意見を述べた。四人とも改正案に「議論が尽くされていない」などと反対の考えを示し、慎重な審議を求めた。
地方公聴会は新潟、徳島、長野市でもあり、この日午前は神戸と新潟両市で開かれた。
改正案に盛り込まれた「愛国心」について、兵庫県立高等学校PTA連合会の太田勝之副会長は「成長過程で自然と芽生える心。強制すべきではない」と強調。宝塚造形芸術大学の桂正孝教授(学校教育学)は「愛国心は多様。思想の自由をうたう憲法との関係で疑問が生じる」と指摘した。
土屋基規・神戸大名誉教授(教育学)は「改正の経緯や理由が示されておらず、教育への国の介入が進む恐れがある」とし、反対の立場を表明。大阪府立箕面東高校の森本光展教諭は「改正は悪くないが、多文化共生の視点など現状を踏まえた内容に」と求めた。
こうした意見を受け、委員からは「教育行政はどうあるべきか」などの質問が出た。
公聴会会場周辺では、教育基本法改正に反対する市民団体が、抗議デモを展開。「公聴会は法案採決のための手続きにすぎない」などと訴えた。
神戸新聞 2006年12月4日
12月1日
教基法の今国会成立に反対 民主、共同修正を断念
民主党は1日、参院で審議中の教育基本法改正案について「与党側との共同修正は無理」として、野党共闘路線で今国会成立に反対していく方針を固めた。与党側は7日の特別委員会採決、8日の参院本会議採決・成立を目指し、水面下で民主党の一部議員と法案修正を検討していたが「民主党が提出している対案の重要部分を与党が丸のみするわけがない」(民主党幹部)と判断した。
ただ8日までの採決が見送られた場合、安倍晋三首相のフィリピン訪問日程を挟んで15日の会期末ぎりぎりの採決となるだけに、与野党の攻防は会期延長含みで激化しそうだ。
「8日に採決はさせない」。民主党執行部の1人は11月30日夜、記者団に明言した。背景には、民主党の参院幹部が衆院の与野党折衝を待たずに“独走”し、審議入りで与党側と合意したことや、西岡武夫参院議員(元文相)ら修正に前向きな議員の「個人プレー」(参院幹部)への警戒感がある。
ほかの野党も「幹事長レベルで2回も成立阻止を確認しているのに、与党の流れに乗ろうとしている」(亀井久興・国民新党幹事長)と不信感を募らせており、民主党執行部はあらためて野党の足並みをそろえる必要があると判断した。
与野党では1週間程度の会期延長を予想する声も出ているが、民主党の高木義明国対委員長は1日の記者会見で「会期は守るべきだ。審議が終わらなければ廃案にし、次の国会でやるしかない」と強硬姿勢を示している。
共同通信 2006年12月1日 20:00
参院野党国対委員長会談で、共同声明文について合意、発表行う
参議院民主党・新緑風会は30日午後、国会内で野党四党の国会対策委員長会談を開催し、以下の共同声明文の内容について合意。発表を行った。
野党4会派国対委員長共同声明文
民主党・新緑風会
郡司 彰
日本共産党
井上 哲士
社会民主党・護憲連合
近藤 正道
国民新党
長谷川 憲正
教育基本法案は11月16日に参議院に送付され、11月22日から教育基本法に関する特別委員会にて議論が行われています。様々な観点から質疑が行われ、問題点が明らかになってきています。また、国民の大多数は、今国会での拙速な成立を望んでおりません。それにもかかわらず、与党は総理の外遊に合わせて法案を成立させようとしています。
衆議院の議論を通じて明らかになった、タウンミーティングにおけるやらせの問題や、いじめ、そして未履修の問題が解決したわけではありません。さらに、参議院のわずかな審議の中でも、各会派審議するべき重要課題は多数あることがわかりました。その中でも以下の点については野党4会派で共有できる重要課題だと考えています。
1.教育に個人の内心に係わる目標を法律で定めることはふさわしいのか。
2.不当な支配とは何か。
3.機能していない教育委員会制度や無責任な文部科学省等の教育行政をどのようにするのか等。
法案に関する審議は緒についたばかりです。私たち野党4会派は、引き続き参議院での徹底審議を求めていきます。
民主党ニュース 2006年11月30日
11月23日
教育行政、「不当支配にあたらず」 国会審議で文科相
伊吹文部科学相は22日の参院教育基本法特別委員会で、政府の教育基本法改正案が、教育は「不当な支配」に服することはないと規定していることについて「国会で決められた法律と違うことを、特定のグループ、団体が行う場合を『不当な支配』と言っている」と語った。一方、法律や政令、大臣告示などは「国民の意思として決められた」ことから、「不当な支配」にあたることはないとの考えを強調した。
現行の教育基本法は「教育は、不当な支配に服することなく」と規定。政府の改正案も、この表現を踏襲しつつ、「法律の定めるところにより、行われるべきだ」との規定が追加された。
これまで教職員組合などは「不当な支配」の規定を、教育行政による教育現場への「介入」を阻止する「盾」と位置づけてきた。また、9月の東京地裁判決では、国の学習指導要領に基づき国旗掲揚・国歌斉唱などを強要する都教委の通達や処分が「不当な支配」にあたると判断された。
しかし、伊吹氏は、政府案の規定は、教育に対する「政治結社、イズム(主義)を持っている団体の介入を排除する」目的だと説明。むしろ、一部の政党や組合などによる「介入」を念頭に置いていることを示唆した。
一方、安倍首相は、国旗・国歌について「学校のセレモニーを通じて敬意・尊重の気持ちを育てることは極めて重要だ」と強調。「政治的闘争の一環として国旗掲揚や国歌斉唱が行われないのは問題だ」と批判した。
朝日新聞 2006年11月23 00:07
11月22日
【参院教育特】佐藤泰・蓮舫・水岡議員が安倍首相らを鋭く追及
22日開かれた参議院教育基本法に関する特別委員会で、佐藤泰介・蓮舫・水岡俊一各参院議員が質問に立ち、安倍首相や伊吹文科相らに対して、教育をめぐる様々な問題について鋭い追及・指摘を行った。
佐藤議員は、たとえ選挙で選ばれた知事の行う教育行政であっても、政府の意向と違えば、教育の「不当な支配」となるという旨の伊吹文科相の答弁を問題視。「地方自治を否定する考えにつながる」として、伊吹文科相の姿勢を厳しく批判した。そして、法案提出者の西岡武夫参院議員の答弁も求めつつ、教育を地域中心に運営していく考えをうたうなど、民主党提出の日本国教育基本法案の内容の方がはるかに優れていると強調した。
続いて質問に立った蓮舫議員は、教育基本法改正を急ぐ安倍政権の姿勢に疑問を呈し、理念の見直し自体は良いが、「原則を定めるだけでは、(いじめを抱える子どもや保護者の)声に応えることはできない」と指摘した。そして、「今ある問題に緊急性を持って政治が対応する」ことが重要だとして、民主党提出の法案について説明を求めた。これについては鈴木寛参院議員が熱意ある具体的な答弁を行い、具体性のない安倍首相の答弁との違いが露わになった。
また、やらせ問題が明らかになっている政府主催のタウンミーティングにおいて、「エレベーター手動」などの項目で、常識とはかけ離れた経費が支出されている事実を蓮舫議員は厳しく指摘。国民の血税のムダづかいを行い続ける内閣府の姿勢を批判し、安倍首相もこうした事実を前に、改善を約束した。
次に水岡議員が質問に立ち、いじめ問題に対しての学校の取り組みについて安倍首相や伊吹文科相とやり取りを行った。中でも、子どもがいじめを受けた際の相談態勢について、夕方以降に電話相談ができないなどの具体例も示しつつ、政府一丸となっての取り組みを強く要請した。未履修の問題についても取り上げた水岡議員は、教育特での十分な審議を改めて求め、質問を終えた。
民主党ニュース 2006年11月22日
教育基本法の衆院採決は小沢民主代表の戦術ミス
さて、福島県知事選があった12日から沖縄県知事選があった19日までの1週間に、中央政界は、教育基本法改正案の衆議院通過が大きなヤマ場を迎えた。同法案は、安倍首相が今国会の最重要法案と位置づけたものである。福島での勝利を獲得していた小沢代表は、沖縄での勝利を得るために、同改正法案を与党に強行採決させ、その乱闘シーンがテレビ・ニュースで放送されるよう仕掛けた。しかし与党側はその手に乗らなかった。
止むを得ず小沢代表は、民主党議員に特別委員会と本会議を欠席させ、対決する姿勢を取った。教育基本法に関しては、民主党も政府与党案に対抗する独自法案を提出していた。しかし、欠席したため、独自案は採決されずに終わった。結果として民主党は、単に職場放棄しただけに終わってしまった。この小沢代表の戦術を疑問視する声は党内の各所から聞かれたものだ。この戦術ミスが沖縄での敗北につながった、と分析する向きも多い。世論の批判を恐れた民主党は22日から審議入りに応じざるを得なくなった。
安倍首相には郵政造反組の復党問題がのしかかる
こうした諸事項を受けて、民主党内での小沢代表の求心力は一挙に低下してきている。来夏の参議院選挙に向けて、彼がどのようにして失地回復を図っていくかが注目される。
一方、沖縄での勝利を収めた安倍晋三首相の喜びは大きい。仮にここで負けていれば、普天間基地移設、在日米軍再編問題に大きな支障が生じて、日米間の同盟関係にヒビが入りかねなかったからだ。
だが安倍首相も、うかうかしてばかりいられない。というのは、郵政造反議員12人の復党という難問が待ち受けているからだ。この一件に関して自民党内で意見が2分している。世論は慎重論が多い。小泉純一郎・前首相は反対で、青木幹雄・片山虎之助の両参議院幹部は賛成。筆者が最近会った中川昭一・政調会長は賛成で武部勤・前幹事長は反対。ただでさえこの1カ月間で支持率を10%近く低下させている安倍首相にとっては、悩ましい問題だ。その対応次第では党内求心力が低下しかねない。
安倍、小沢両党首には、どちらにも次なる厳しい試練が待ち受けている。ここを上手に乗り切って党内の求心力を高めていく者が、来夏の参議院での勝者に収まるのだろう。
Nikkei BPnet 2006年11月22日
「ボタン押すだけ」で1万5000円=TMの「無駄遣い」民主が追及−参院特委
政府のタウンミーティング(TM)をめぐり、「エレベーターのボタンを押す人員に1万5000円」など、開催に多額の経費が計上されていることが22日、分かった。同日の参院教育基本法特別委員会で民主党の蓮舫氏が明らかにした。
同氏によると、2003年に岐阜市で開かれたTMで、内閣府が契約した広告代理店に示した単価表に「会場における送迎等4万円」「エレベーター手動1万5000円」などの項目があった。
時事通信 11月22日 21:01
6・3・3・4制の見直し検討 安倍首相が答弁
安倍首相は22日の参院教育基本法特別委員会で、小学校6年、中学校・高校3年、大学4年の「6・3・3・4年制」について「構造改革特区の試みや小中一貫教育などの様々な取り組みが行われている。この成果を分析・検証しながら、検討していきたい」と述べ、見直しを検討する考えを示した。
ただ、首相は「現在の制度は戦後60年でかなり定着している。根本的に変えることになれば、国民的な議論や理解も必要だろう」とも語り、慎重に議論を積み重ねる必要があるとの認識を示した。
伊吹文部科学相も「6・3のまま一つにくくることは考えられるやり方だと思う」と述べ、小中一貫教育に理解を示した。いずれも舛添要一氏(自民)の質問に答えた。
朝日新聞 2006年11月22日 12:37
11月21日
国会あすにも正常化 野党の欠席戦術限界に 必修漏れなど集中審議条件
野党の審議拒否が続いていた国会は二十日、野党側が高校の必修科目未履修やタウンミーティングのやらせ質問に関する集中審議を条件に審議復帰に応じる姿勢を示した。与党側は基本的に受け入れる方針で、二十一日の与野党国対委員長会談で合意の見通し。これにより衆院特別委の教育基本法改正案与党単独採決で十五日から野党抜きだった国会は、二十二日にも正常化の見通しとなった。
野党側は十九日投開票の沖縄県知事選をにらみ、与党との対決姿勢を強めていた。しかし同知事選敗北で国会運営は与党ペースになることが必至で、野党側は欠席戦術を続ければ逆に「審議拒否」への批判が高まりかねないと判断した。
野党四党は二十日の国対委員長会談で、審議復帰の条件としていた同改正案の衆院特別委員会への差し戻しを「現実的ではない」(高木義明民主党国対委員長)として事実上、撤回。未履修とタウンミーティング問題の審議の場が確保されれば、同改正案の参院審議に応じる方針を決め、与党側に伝えた。
これを受け参院の与野党は、教育基本法特別委員会の開催を二十二日以降とすることで合意。参院自民党国対幹部は「正常化させることを前提に、もう少し様子を見る」と述べた。
また、民主党の小沢一郎代表も二十日夕、鳩山由紀夫幹事長、菅直人代表代行との会談で「衆参が一致して行動してくれればいい。中身は任せる」と早期の審議復帰を容認した。
北海道新聞 2006年11月21日
11月20日
国会正常化へ 沖縄知事選敗北で野党軟化
国会は教育基本法改正案をめぐり野党4党が審議拒否を続けていたが、沖縄県知事選で野党統一候補が敗北したことを受け、22日にも正常化する見通しとなった。
民主、共産、社民、国民新の野党4党は20日、国対委員長が会談し、自民党が打診してきた21日の与野党国対委員長会談に応じることを決めた。
民主党は与党に対し、審議復帰の条件として、いじめや必修科目の未履修問題、タウンミーティングでの「やらせ質問」問題に関する集中審議を予算委員会で行うよう要求していたが、予算委に限らず何らかの形で集中審議が行われれば、審議復帰に応じることも検討している。
強硬路線を指示してきた民主党の小沢一郎代表は20日夕、鳩山由紀夫幹事長や菅直人代表代行と会談し、「衆参協力して一致して行動してくれればいい。(国会対応の)中身は任せる」と述べ、今後の与党との折衝などを鳩山氏らに一任した。
産経新聞 2006年11月20日 22:55
11月19日
予算絡み悩ましい会期延長 教基法案成立優先も
国会は会期末の12月15日まで1カ月を切った。政府、与党は最重要法案と位置付ける教育基本法改正案を何としても今国会で成立させたい考え。このため、与党による同改正案の衆院単独採決に反発する野党4党の審議拒否で混迷が長引き、審議時間が足りなくなった場合、会期延長も辞さない構えだ。
ただ、12月中旬以降は来年度予算案の編成作業が大詰めを迎え、「国会に閣僚が拘束されると予算折衝に支障が出る」(内閣府関係者)ことから、1週間を超える延長はしにくいのが実情で、政府、与党にとって悩ましいところだ。
平成になってからの国会で、12月半ば過ぎまで会期を延長したのは1991年の第122臨時国会(宮沢内閣)と93年の第128臨時国会(細川内閣)の2回しかない。それ以外は12月前半までに国会を閉じ、12月24日前後に予算案が閣議決定されている。
細川内閣では、年内成立を公約した政治改革法案の審議が当時野党だった自民党の抵抗で進まず、連立与党は年内の予算編成をあきらめ、翌年1月29日まで45日間の「越年延長」を決定した。
宮沢内閣では、国連平和維持活動(PKO)協力法案の成立を目指して11日間延長、閉幕日は12月21日だった。
財務省関係者は、会期が延長されて閣僚や官僚が国会に出席を求められれば「道路特定財源の見直しや地方交付税減額などの政治日程に影響が及ぶ可能性がある」と指摘。自民党参院幹部も「会期が12月15日まであること自体が異例。延長は避けた方がいい」としている。
共同通信 2006年11月19日
11月18日
欠席戦術、民主に揺れ 参院側は審議復帰を模索
参院で十七日審議入りした教育基本法改正案の対応をめぐり、民主党内が揺れている。欠席戦術を当面継続する執行部方針に対し、参院側は、自民党に対し法案修正の意思をただすなど、審議復帰を模索。沖縄県知事選(十九日投開票)後の週明けには、国会正常化の動きが一気に加速しそうだ。(東京政経部 今川勝照)
「与党が教育委員会廃止をのめば、修正協議は可能だ」。同法の民主党案をとりまとめた西岡武夫参院議員は、本会議が終わった自民党の青木幹雄参院議員会長、片山虎之助参院幹事長と非公式に会談、修正協議の可能性をただした。青木氏らは「(審議)時間が足りない」として応じなかったが、会談を今後も持つことでは一致した。
参院民主党の各議員にしてみれば、欠席戦術が長引いて国民の批判が高まれば、来夏の自らの参院選に悪影響を受けかねない。西岡氏は十六日夜、輿石東参院議員会長とともに、鳩山由紀夫幹事長に会い「参院ではいたずらに審議拒否や、政局にする気は毛頭ない」と宣言。参院本会議開会前に民主党案の修正案を提出し、審議復帰の布石とする方針を伝え、十七日に修正案を提出した。
鳩山氏は同日の記者会見で「与党が何らかの形で反省の意を示すことが最低限必要。このような状況で、来週に立ち上がることはあり得ない」と、対決路線維持を強調したが、参院側の意向は無視できない。審議復帰を含め今後の国会対応を「二十一日の役員会で話し合う」(国対幹部)流れだ。
審議復帰のきっかけとしては《1》参院が重要視する決算委員会《2》党首討論《3》やらせタウンミーティング問題などを取り上げる衆参予算委員会−が取りざたされている。
いずれの委員会も日程協議はまだだが、自民党の二階俊博国対委員長は「沖縄県知事選が終わって、月曜(二十日)か火曜(二十一日)に国対委員長会談を呼び掛ける考えはある」と明言。野党側が復帰条件を示せば「即座に判断する」とも語り、国会の早期正常化に意欲を示している。
北海道新聞 2006年11月18日
民主、教育基本法改正案の対応で揺れる
教育基本法改正案を巡って民主党の対応が揺れている。野党で足並みをそろえて対決姿勢を強めるが、独自案を提出しているだけに改正自体に反対の共産、社民両党とは温度差があるのも事実。水面下では野党共闘で臨む19日の沖縄県知事選後をにらんで妥協点を探る動きも出始めた。
「考えが似通ったところもあると思う。修正協議ができないか考えてほしい」。民主案の作成を主導した西岡武夫参院議員は17日、自民党の青木幹雄参院議員会長に民主案の審議と修正協議を呼びかけた。
日本経済新聞 2006年11月18日
11月17日
教育基本法改正案、民主が対案提出
民主党は17日午前、教育基本法改正案の対案となる「日本国教育基本法案」を参院に提出した。
すでに衆院に提出している法案を基本的に踏襲したうえ、「男女の平等を尊重」との文言を加えるとともに、義務教育期間の変更などを念頭に、学校教育法について「日本国教育基本法案の施行後3年以内に検討を加える」とした。
民主党は、与党による教育基本法改正案の単独採決に抗議し、衆参両院で審議を拒否している。今回の対案提出は、審議復帰への布石との見方が出ている。
民主党は同時に、〈1〉教育委員会を廃止する「地方教育行政適正運営確保法案」〈2〉教育予算の確保を盛り込んだ「学校教育の環境の整備推進による教育振興法案」――も参院に提出した。
讀賣新聞 2006年11月17日 11:54
教育基本法改正案、参院本会議で審議入り 野党は欠席
参院本会議が17日午前開かれ、安倍政権が最重要課題と位置づける教育基本法改正案について、民主、共産、社民、国民新の野党4党が欠席のまま趣旨説明と質疑が行われ、教育基本法特別委員会の設置が決まった。与党は単独でも21日に特別委での審議を始める構えだ。
本会議で安倍首相は「愛国心」について「我が国と郷土を愛する心と態度は一体のものとして養われるものだ」と指摘。改正案について「私の新たな国づくりの基礎をなすものであり、広く深い議論をいただき速やかな成立をお願いしたい」と訴えた。
一方、民主党は17日、参院にも「日本国教育基本法案」と、新たに教育委員会を廃止して教育監査委員会などを新設する法案や、教育予算の裏付けを明文化した法案を提出した。国会が正常化した後、政府案と並行して審議を求める。
朝日新聞 2006年11月17日 11:11
教育基本法案審議入り 野党の欠席続く
参院本会議で教育基本法改正案が審議入りし、欠席の野党席を前に答弁する安倍首相(左上)=17日午前
参院は17日午前の本会議で、安倍晋三首相が出席して教育基本法改正案の趣旨説明と質疑を行った。民主、共産、社民、国民新の野党4党は、衆院で与党が単独採決に踏み切ったことに反発し、本会議を欠席した。
自民、公明両党は、今国会の最重要法案と位置付けている同改正案を集中的に審議する教育基本法特別委員会の設置を議決、来週には委員会での質疑を開始したい考え。野党が欠席したままでも審議を進める構えで、12月15日までの会期内の改正案成立を目指す。ただ、野党側がさらに反発を強めるのは必至だ。
自民党の保坂三蔵氏と公明党の山下栄一氏が、改正案に盛り込まれた「我が国と郷土を愛する態度を養う」との「愛国心」をめぐる表現などや、高校の必修科目未履修問題、いじめに関して首相に質問。
教基法改正案は、1947年の法制定以来、約60年ぶりに全面改定した内容。政府は改正案を前通常国会に提出したが、継続審議となっていた。
共同通信 2006年11月17日