165臨時国会(2006年9〜10月) 2006年11月〜


教育基本法に関する特別委員会名簿(2006年10月2日)

教育基本法に関する特別委員会名簿(2006年5月12日)

日付 国会動向 報道
■10月31日 教育基本法に関する特別委員会

理事会 9時45分 委員会 10時

案件
◎教育基本法(内閣提出、第164国会閣法第89号)
◎日本国教育基本法案(鳩山由紀夫外6名提出、第164国会衆法28号)

○質疑 (5時間50分)

質問者 会派 時間 時間帯
稲田朋美 君 自民 0.40 10:00-10:40
斉藤鉄夫  君 公明 0.20 10:40-11:00
北神圭朗 君 民主 3.50
(1.00) 11:00-12:00
休憩
<本会議(所要約5分)散会後、直ちに再開>
西村智奈美 君 民主 (1.00) 13:10-14:10
松本大輔 君 (1.00) 14:10-15:10
横山北斗 君 (0.50) 15:10-16:00
高橋千鶴子 君 共産 0.30 16:00-16:30
保坂展人 君 社民 0.30 16:30-17:00
教育基本法審議、必修漏れ責任論争に 指導要領にも矛先
高校必修逃れ、推薦入学合格者も救済へ…文科相
教育基本法改正案、与野党論戦スタート
教育 国会論戦が本格化 『基本法』より難題
■10月30日 教育基本法に関する特別委員会

理事会 9時40分
委員会 10時

案件
◎教育基本法(内閣提出、第164国会閣法第89号)
◎日本国教育基本法案(鳩山由紀夫外6名提出、第164国会衆法28号)

○質疑 (6時間)
質問者 会派 時間 時間帯
大島理森 君 自民 1.20 (0.55) 10:00-10:55
鈴木恒夫 君 (0.25) 10:55-11:20
西 博義 君 公明 0.40 11:20-12:00
休憩
鳩山由紀夫 君 民主 3.00 (0.50) 13:00-13:50
野田佳彦 君 (0.45) 13:50-14:35
笠 浩史 君 (0.40) 14:35-15:15
牧 義夫 君 (0.45) 15:15-16:00
志位和夫 君 共産 0.20 16:00-16:20
保坂展人 君 社民 0.20 16:20-16:40
糸川正晃 君 国民 0.20 16:40-17:00

■10月26日 教基法改正案は修正せず=安倍首相、町村氏
教育基本法改正、政府案反対で一致・4野党幹事長会談
■10月25日 教育基本法特別委員会理事会報告

次回委員会は、10月30日(月)午前10時から6時間の審議とし、総理が出席しNHKが中継をおこなう。

それ以降の審議日程について与党側から、連日6時間(与党側1時間、野党側5時間)の審議をおこないたいと提案があった。今後の日程については、30日昼休み休憩中に理事懇談会を開催し協議することとした。
教育基本法改正案 野党徹底抗戦の構え
教育基本法改正案が審議再開=衆院特委
■10月24日 教育基本法特別委員会理事懇談会報告

与党側は、25日理事互選・主旨説明・総理出席・TV中継で審議入りを要求。野党側は、今週は北朝鮮問題で予算委員会開催を要求し、30日審議入りを主張。再三の中断、休憩をはさみ、本会議終了後理事懇談会を再開し、以下のように決まった。

165国会最初の委員会は、10月25日(水)午前10時からおこなう。この委員会では、理事の互選ならびに政府案、民主党案の提案理由説明の聴取をおこなう。

次回委員会は、10月30日(月)午前10時から6時間の質疑をおこなう。この委員会は総理出席、TV中継をし、10時からの2時間で与党側(自民80分、公明40分)、午後の4時間が野党側(民主3時間、共産・社民・国民各20分)の質問とする。

なお委員会には、内閣官房大臣、文部科学大臣、少子化担当大臣の3大臣が出席する。
教育基本法改正案、30日に今国会での実質審議入り
教育基本法、改正案修正も視野 首相「民主案含め協議」
与党、テロ特措法など4法案最優先…「強引」回避姿勢
■10月13日 「国」は統治機構含まず 中国の環境対策を積極支援
教育の論戦、外交・北朝鮮に埋没 予算委終わる
■10月1日 与党単独採決も…教育基本法改正などで 中川幹事長
■9月29日 野党は対決姿勢強める、教育基本法改正案など反対
■9月28日 9月28日(木)(第1回)
■9月24日 「基本法」で与野党譲らず、“教育国会”は激戦必至
■9月14日 自民、教基法改正に全力 会期81日間で万全期す
自民、重要法案に照準 臨時国会81日間に
■9月5日 後継首相は26日に指名 自民、公明両党
■8月25日 9月22日に臨時国会召集へ 新首相選出、組閣
■8月20日 臨時国会 共謀罪成立は見送り 政府・与党、教育基本法改正を優先

164通常国会 〜2006年6月

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10月31日

教育基本法審議、必修漏れ責任論争に 指導要領にも矛先

学校現場に責任があるのか、文部科学省を中心とした教育体制に問題があるのか。30日に実質審議が再開された衆院教育基本法特別委員会では、高校必修科目の履修漏れが論議の中心になった。いじめ問題ともからみ、教育委員会のあり方、ひいては教育行政システムそのものが問われるからだ。安倍首相は同委員会終了後、教育委員会の機能強化を図る考えを記者団に示した。この問題で野党側は審議を引き延ばす作戦。11月上旬に教育基本法改正案の衆院通過をめざす与党が、既定路線を崩さず採決に突き進むかどうかが焦点になる。

   ◇

「教育行政の責任と権限があやふやで、それが問題の根源だ」(民主党の笠浩史氏)

「役割分担は責任放棄ではない。それぞれが責任を持っている」(安倍首相)

履修漏れの責任はどこにあるのか。30日の審議では、ここが大きな論点となった。

文科省は学校現場、すなわち校長に一義的な責任があるという立場だ。伊吹文科相は「高校教員の人事権は基本的には教育委員会にある。学校の運営権は校長にある。文教行政の責任者としておわびをしないといけないのは当然だが、それにしても、権限を持って実際にあたっている人はしっかりして欲しい」。いじめ自殺にも触れ、「精神論だけで(うまく)いかない場合は、(教委を)制度的に見直していかねばならない」と現場批判を展開した。

これに対し、野党は逆に頂点に立つ文科省批判を強める。

野田佳彦氏(民主)は「一学校の問題なら校長が謝罪すればいい。見逃した教委でもいい。だが日本中で起きた」と指摘。「文科省の責任だ。文科省のトップが教委が悪いとか校長が悪いとか言っている場合でない」と切りつけた。

この違いは、教委見直し問題とも密接に絡む。強化を唱える文科省や与党と、廃止を掲げる民主党という対立構図だ。

安倍首相は30日の審議後、記者団に教育再生会議で教委見直しを検討する考えを示したうえで「どのような機能を強化していくか、国との関係等ということもある」と語り、文科省にくみする立場を鮮明にした。

   ◇

学習指導要領や必修科目の見直しにも論議は広がる。

指導要領は、文科省によると「学ぶべき最低基準」。しかし、受験科目とずれがあり、それを埋めようとした学校側の「苦肉の策」が問題を生んだからだ。02年度から始まった公立学校の完全週5日制など「ゆとり教育」が進み、受験に必要ない科目を履修しない学校現場が増えたと見られている。

このため、自民党内に根強い「ゆとり教育」批判派が、指導要領の抜本見直しに向け勢いを増す可能性がある。「首相は『美しい国』を主張しているのだから、日本史を必修にすべきだ」との意見も強まっている。

しかし、大学入試の実情に合わせて見直すことには異論もある。伊吹氏も「本末転倒だ」と語っている。

一方、未履修だった生徒の救済策については議論は深まらなかった。31日にもまとまる私立高校の調査がまだ終わっていないことも背景にあるようだ。また、伊吹氏は3年生の救済策をまとめたうえで、偽りの調査書(内申書)で推薦入学が決まっている生徒の扱いも、検討する考えを示した。履修漏れのまま卒業した人については、補習受講などの対応は求めない見通しだ。

朝日新聞 2006年10月31日

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高校必修逃れ、推薦入学合格者も救済へ…文科相

今国会の焦点となっている教育基本法改正案は30日午前の衆院教育基本法特別委員会(森山真弓委員長)で総括質疑が行われ、実質審議入りした。

伊吹文部科学相は高校の必修逃れ問題で、必修科目を履修していない卒業生や改ざんされた内申書ですでに推薦入学が決まった生徒の扱いについて「権利にかかわることであり、内閣法制局と協議している。スピード感をもって対応したい」と述べた。

文科省と内閣法制局の調整では、必修科目を受けずに高校を卒業し、大学に入学する飛び級制度などを参考に、必修科目を履修していない卒業生らを事実上「救済」する方向となっている。

伊吹文科相は同特別委で「高校3年生は全員が被害者であり、(未履修者と履修者との)バランスを取らないといけない。(委員会質疑で)与野党の意見をうかがった上で、対応策を検討したい」と語った。

自民党の大島理森氏の質問に答えた。

塩崎官房長官は30日午前の記者会見で「すでに卒業した人にも(未履修が)起きていたのではないか、今調査をしている」と述べ、過去にさかのぼって調査していることを明らかにした。

讀賣新聞 2006年10月31日

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教育基本法改正案、与野党論戦スタート

教育基本法改正案を巡る与野党の本格論戦が30日、衆院教育基本法特別委員会で再開した。いじめや高校必修科目の未履修問題が急浮上するなか、前国会で焦点となった「愛国心」の位置づけに関する応酬は影を潜めた。野党はいじめなど新たな問題を材料に今国会での成立を阻む構えだが、与党は来週中に採決の前提となる地方公聴会の開催を提案するなど強気の構えを崩してない。

「政府案ではいじめや未履修問題の解決策は見いだせないが、私たちは方向性を示している」。質問に立った民主党の鳩山由紀夫幹事長は、大半をいじめ問題と未履修問題に充てた。

同党は文部科学委員会での集中審議や、教育再生担当の山谷えり子首相補佐官の国会出席を要求。鳩山氏は「衆参両院で教育基本法調査会でもつくって議論を詰める必要がある」とも提案した。しかし、民主党案について質問した自民党の大島理森氏は「民主党案が最善だと言うなら採決すればいい」と逆手にとって早期採決を主張した。

日本経済新聞 2006年10月31日

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教育 国会論戦が本格化 『基本法』より難題

教育基本法改正論議が三十日の衆院特別委員会で本格化した。「教育再生」を掲げる安倍晋三首相は、政府提出の同法改正案の今国会成立に意欲を見せたが、与野党の質問は、高校必修科目の履修漏れといじめ自殺の問題に集中。政府側は陳謝と対応策の答弁に追われた。政府が子どもたちの不安を解消することができなければ、今国会成立という政府・与党の大方針に狂いが生じる可能性もある。 (政治部・佐藤圭)

「毎日のように子どもたちの教育をめぐる悲惨な報道が続いている。文部科学省として、どのように対応しようとしているのか」

自民党のトップバッターとして質問に立った大島理森元文相は、未履修といじめ自殺をめぐる文科省の対応をたださなければならなかった。

自民党としては真っ先に、同法改正に向けた首相の決意を聞きたかったところだが、社会問題化する喫緊の課題を避けて通れないというわけだ。

伊吹文明文科相は、未履修問題について「スピード感を持って対応したい」と述べ、今週中に生徒の救済策を取りまとめる方針を表明。いじめ自殺についても、学校現場が事実を隠ぺいしたり、教師が加担したりする例が相次いでいることから、各自治体の教育委員会への「指導」のあり方などを検討する考えを示した。

政府案の成立阻止で足並みをそろえる野党側もこの問題を見過ごすはずがない。

「日本国教育基本法案」を提出している民主党の鳩山由紀夫幹事長は、提出者としての答弁や質問で「政府案には、どこに未履修やいじめ問題の解決策があるのか見えない」と批判するとともに「学校主権の確立」と国の最終責任を明確にした同党案をアピール。自民党からの修正協議の誘いにも「民主党案に賛成するなら、明日に採決してもらってもいい」とはぐらかし続けた。

同党の野田佳彦元国対委員長はいじめ対策などを協議している政府の教育再生会議をやり玉に。「大事な問題は再生会議にぶち込んでいる。再生会議の議論を待ってから、教育基本法を議論すべきだ。『あべこべ内閣』では困る」とやゆした。

改正そのものに反対する共産、社民両党も、いじめ問題を重点的に取り上げた。

自民党は三十日夕の役員会で、同法改正案の今国会成立を目指す方針をあらためて確認。与党は今週中にも衆院通過のメドを立てたい考えだ。しかし、未履修やいじめ自殺という国民の関心事をさておいて、採決に踏み切ることに国民の理解を得ることは難しい。

委員会終了後、未履修やいじめ自殺が審議に与える影響について記者団に問われた首相は「教育再生のためには、何とかこの国会で成立させていきたい」と強調した。まだ政府・与党の危機感は薄い。

■首相、教育観話せず

三十日の衆院教育基本法特別委員会は、安倍晋三首相が自身の教育観をたっぷり国民に披露できる“見せ場”になるはずだった。しかし、質疑は未履修といじめ自殺の問題に集中。答弁の主役は伊吹文明文部科学相に譲った。

象徴的だったのは、民主党の野田佳彦氏の質問。冒頭こそ首相に戦後政治の総括を求めたが、すぐに話題は未履修問題に。野田氏は国の責任を追及した場面では、わざわざ「首相はいいんです」と前置きし、直接の担当者の伊吹文科相に質問をぶつけた。

共産党の志位和夫委員長、社民党の保坂展人氏は主に首相に質問したが、ほぼいじめ問題一色だった。

政府側も世論を意識すれば不誠実な対応はできない。

首相は、限られた答弁の機会に、いじめ問題でスクールカウンセラーの充実や教育委員会の機能見直しなどに言及し、防戦に努めた。

三十一日以降の審議に首相が出席する予定はない。首相の教育観を聞く機会は先送りされた。 (政治部・篠ケ瀬祐司)

東京新聞 2006年10月31日

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10月26日

教基法改正案は修正せず=安倍首相、町村氏

安倍晋三首相は25日午後、首相官邸で、衆院教育基本法特別委員会の与党筆頭理事を務める自民党の町村信孝前外相と会い、教育基本法改正案をめぐる与野党協議などについて報告を受けた。町村氏は同改正案の今国会成立を目指し、民主党との修正は想定していないとの考えを伝え、首相もこれを了承した。

この後、町村氏は記者団に対し「民主党が修正協議を断ったのだから、修正はあり得ない」と言明した。

また、公明党の太田昭宏代表も同日午後の記者会見で「政府案がベストだという姿勢に変わりはない」と述べ、修正に否定的な考えを示した。(了)

時事通信 2006年10月26日

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教育基本法改正、政府案反対で一致・4野党幹事長会談

民主、共産、社民、国民新の野党4党は26日、国会内で幹事長・書記局長会談を開き、国会審議が再開した政府提出の教育基本法改正案に反対することで一致した。防衛庁の省昇格法案への対応に関しては、今国会での成立に否定的な民主党と、法案そのものに反対する共産、社民両党で意見が分かれた。

民主党の鳩山由紀夫幹事長は会談後の記者会見で「先の衆院補欠選挙の結果を踏まえ、与党の強硬な国会運営が予想される。国会内で協力していきたい」と結束をアピールした。

日本経済新聞 2006年10月26日

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10月25日

教育基本法改正案、審議入り

 衆院教育基本法特別委員会は25日午前、政府提出の教育基本法改正案と民主党が対案として提出している日本国教育基本法案の提案理由説明を行い、審議入りした。

 与党は、安倍晋三首相が「教育再生」を最重要課題としているのを踏まえ、前国会から継続審議となっている改正案の成立を最優先し、11月上旬に衆院通過、12月15日の会期末までに成立させたい考えだ。教育基本法の制定は昭和22年で、今国会での改正が実現すれば約60年ぶりとなる。

 実質的審議は30日からで、安倍首相出席のうえ総括質疑を行う。民主党は成立阻止に全力をあげる構えで、与野党の激しい攻防が予想される。

 政府案、民主党案はともに、さきの通常国会に提出され、特別委員会で49時間審議し、継続審議となった。審議では「教育の目標」に盛り込まれた「愛国心」の表記や評価方法が焦点となった。

 政府案は前文と18条、民主党案は前文と21条で構成。「愛国心」について、政府案は、「我が国と郷土を愛する態度を養う」としたのに対し、民主党案では、「日本を愛する心を涵養(かんよう)」と明記した。

 今国会ではこのほか、福岡県筑前町や北海道滝川市で起きた児童、生徒のいじめを苦にして自殺した問題や、教育委員会のあり方などもとりあげられそうだ。

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教育基本法改正案 野党徹底抗戦の構え

安倍首相が最重要法案と位置づける教育基本法改正案の今国会での審議が、ようやく始まる。政府・与党は12月15日までの今国会で政府案成立を図り、「教育再生」に弾みをつけたい考えだが、野党は徹底抗戦の構えを見せ、日程の余裕はない。民主党案には、当初の自民党の主張も盛り込まれており、議論が混乱する可能性もある。

■時間との戦い■

政府・与党は11月上旬の衆院通過を目指している。同改正案は通常国会で、衆院ですでに49時間審議しているため、与党内では、「同様に特別委員会で扱われた行政改革推進法は衆院で60時間余の審議だったので、今回は衆院であと30時間も審議すれば十分。1日6時間やれば、5日で間に合う」との声が出ている。これに対し、民主党は「首相も担当の文部科学相も交代している。新たな気持ちできちんとした議論をすべきだ」(幹部)と主張している。

重要法案の場合、「参院の審議時間は衆院の3分の2程度がメド」と言われることが多い。仮に、衆院が90時間だった場合、参院は60時間が目安になる。参院での審議入りが11月中旬としても、会期末までは1か月程度しか残らない。自民党の参院幹部は「参院民主党に日教組出身者が5人もいて、審議もそう簡単にいかない」と漏らしている。

■ねじれ■

伊吹文部科学相は24日の閣議後、国会内で首相と約10分間協議し、その後、記者団に「教育基本法改正案の審議が始まるので、首相と基本認識を共有するために話をした。民主党案についても話した」と語った。

この発言が波紋を広げた。「首相が民主党案に一定の理解を示し、修正の可能性が出てきたのではないか」との見方が出たからだ。

修正論がくすぶる背景には、焦点の「愛国心」などの点で、民主党案に自民党の当初の主張が盛り込まれていることがある。

政府案は、「愛国心」そのものの表現に反対した公明党に配慮し、「我が国と郷土を愛する態度を養う」としている。これに対し、民主党案は「日本を愛する心」と明記。自民党内にも「民主党案の方が明確だ」と評価する声がある。

政府・与党は「政府案がベスト。自公両党が長時間かけてまとめた案を修正はしない」(幹部)としている。民主党は与党を揺さぶりながら、時間切れに追い込む戦略と見られる。

日教組 幼稚園から大学までの教職員で作る労働組合の連合体。1989年に日本労働組合総連合会参加を巡り、反対勢力が現在の全日本教職員組合を結成、分裂した。95年に文部省(当時)との協調路線に転じた。文部科学省の調査(2005年10月現在)によると、組合員は約30万4000人。

讀賣新聞 2006年10月25日

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教育基本法改正案が審議再開=衆院特委

教育基本法改正案は25日午前、衆院教育基本法特別委員会で提案理由説明が行われ、審議が再開した。教育改革を最重要課題に掲げる与党は、前国会から継続審議となっていた同法改正案を今国会の最重要法案に位置付け、会期内成立を目指す。一方、民主党など野党側は成立阻止に全力を挙げる構えで、与野党の激しい攻防が予想される。

1947年の制定以来初の改正に向け、自民、公明両党の70回にわたる協議を経て提出された同法改正案は、前国会で既に49時間の審議を実施。与党側は、衆院2補選での勝利を追い風に、12月15日までの会期をにらみ、審議を加速させたい考えだ。

10月30日の同特委で、安倍晋三首相出席で総括質疑を行い、本格的審議に入る。前国会での審議では、「教育の目標」に盛り込まれた「愛国心」の表記や評価方法などに議論が集中したが、今国会では「教育再生会議」の設置や相次ぐいじめ自殺問題を受け、教育行政全般にわたった議論も展開されそうだ。

同法改正案は、前文で個人の尊厳を重んじることに加え、「公共の精神の尊重」をうたう。第2条では「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我
が国と郷土を愛する」などの文言で「愛国心」を明記。「家庭教育」「生涯学習の理念」「幼児期の教育」も盛り込んでいる。(了)

時事通信 2006年10月25日

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10月24日

教育基本法改正案、30日に今国会での実質審議入り

衆院教育基本法特別委員会(森山真弓委員長)は24日の理事懇談会で、安倍首相が今国会の最重要法案と位置づける教育基本法改正案について、25日に提案理由説明を行い、30日に首相と関係閣僚の出席を求め、今国会の実質審議に入ることを決めた。

政府・与党は今国会成立を期して、11月上旬にも衆院通過させたい考えだが、民主党など野党は徹底抗戦の構えで、激しい攻防が予想される。

教育基本法改正案は先の通常国会に提出され、同委員会でこれまでに約50時間審議され、継続審議となっていた。

25日は提案理由説明と理事の選任が行われ、30日は計6時間審議が行われる。同委員会では政府提出の同改正案のほか、民主党提出の「日本国教育基本法案」も継続審議となっており、併せて審議される。

首相は24日、記者団に対し、「まず政府提出の改正案について、議論を進めたい」と述べ、政府提出の改正案の成立を目指す考えを強調した。

讀賣新聞 2006年10月24日

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教育基本法、改正案修正も視野 首相「民主案含め協議」

安倍首相は24日午前、国会内で伊吹文部科学相と会い、今国会で成立を目指す教育基本法改正案について「民主党案のいいところを含めて話し合うように」と指示した。民主党も対案を出しており、修正も視野に入れる考えを示したものだ。また、首相と文科相は「いじめ問題もあるので教育の責任を明確にする」との方針で一致した。

これに関して首相は同日昼、首相官邸で記者団に「まずは、政府で提出している改正案について議論を進めて参りたいと思っている」と語った。

民主党案に言及した首相の指示について塩崎官房長官は同日午前の記者会見で、「開かれた議論を教育基本法という極めて重要な法律について、前広にやってほしいということを言ったのではないか」と説明した。

教育基本法改正をめぐっては、民主党案が義務教育について国が「最終的な責任を有する」と明記しているのに対し、政府案は国と自治体が「適切な役割分担と相互協力」するとの表現にとどまっている。

一方、政府案では、公明党との合意を優先したため、自民党がこだわった「愛国心」を「我が国と郷土を愛する態度を養う」とするなど表現が弱められている。同党内からは、前文に「日本を愛する心を涵養(かんよう)する」などと盛り込んだ民主党案を評価する声も出ていた。

朝日新聞 2006年10月24日

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与党、テロ特措法など4法案最優先…「強引」回避姿勢

国会は衆院統一補選が終わったことを受けて、本格的な法案審議に入る。教育基本法改正案など重要法案の成立を一気に図りたい与党だが、民主党の徹底抗戦や重要な地方選挙を控えていることなどから、強気一辺倒は難しいと見ている。硬軟両様の構えで、成立を期す法案の絞り込みを進める方針だ。

自民党の中川幹事長は23日の政府与党協議会で、テロ対策特別措置法改正案、教育基本法改正案、防衛庁の省昇格関連法案、地方分権改革推進法案の4法案を挙げ、「政府・与党で一致団結して取り組みたい。野党に、国会や政治運営に協力すべきは協力してほしいと働きかける」と強調した。

ただ、与党幹部には「補選で勝ったから強気に出ることはあってはならない」との慎重な姿勢が目立つ。民主党が国会での対決姿勢を崩していないことや、与野党対決の構図となる福島、沖縄両県知事選を控え、与党による強引な国会運営という印象は避けたい、といった判断があるためだ。

自民党の二階俊博国会対策委員長は23日、記者団に「残された期間に一定の成果を収めるべく全力を挙げたい」と述べ、法案の絞り込みに入る意向を表明。与党はテロ特措法改正案を成立させた後、教育基本法改正案や防衛庁省昇格関連法案などの成立を急ぐ構えだ。

このうち成立のめどが立っているのはテロ特措法改正案のみだ。教育基本法改正案については、衆院教育基本法特別委員会が23日に今国会初の理事懇談会を開いたが、物別れに終わり、審議日程は決まらなかった。

讀賣新聞 2006年10月24日

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10月13日

「国」は統治機構含まず 中国の環境対策を積極支援

安倍晋三首相は13日午前の参院予算委員会で、教育基本法改正案に盛り込まれた「国と郷土を愛する態度を養う」との条文に関し「統治機構としての国が行うことを愛せよということでは当然ない」と述べ、「統治機構」を含まないことを強調した。

今国会成立が見送られる方向となっている「共謀罪」新設を柱とする組織犯罪処罰法改正案をめぐっては「この法案は必要だ」と指摘した。

先の日中首脳会談を踏まえた今後の両国関係について「中国の環境問題は深刻だ。『戦略的互恵関係』の説明には、環境で協力することが一番分かりやすい」と述べ、中国の経済成長に伴って深刻化している大気汚染防止など環境対策の支援に取り組む考えを示した。

国際刑事裁判所(ICC)設立条約への対応に関し「2007年中に規定(条約)を締結できるよう作業を着実に進める」と加盟方針を表明。麻生太郎外相も「09年のICC判事改選に合わせて邦人判事を出す方向で進めたい」と述べた。

また首相は、官製談合の発覚が全国的に相次いでいることに関連し「徹底的に根絶していく決意だ」と述べ、継続審議となっている与党の官製談合防止法改正案の成立に意欲を示した。

公明党の魚住裕一郎氏、社民党の福島瑞穂党首に対する答弁。

共同通信 2006年10月13日

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教育の論戦、外交・北朝鮮に埋没 予算委終わる

衆、参両院で計6日間にわたった予算委員会の質疑が13日終わった。安倍首相が重要課題に掲げる教育再生のほか、格差是正、社会保障などのテーマは、前半は首相の中韓訪問と歴史認識、後半は北朝鮮の核実験声明をめぐる質疑に埋没。踏み込んだ答弁も引き出せず、内政をめぐる論争は低調なままだった。

民主党の鳩山由紀夫幹事長は13日の記者会見で、国会論戦について「核実験問題では政府に協力する必要があり、論点の中心がずれてもやむを得ない。ただ、想定しなかった事態で格差、国民の負担増に首相が冷淡であることが十分に伝わっていない」と評した。

野党側は内政では格差問題を多くの議員が取り上げ、雇用対策を中心に是正策を問うた。

これに対し、首相は(1)正規雇用を増やす(2)パートへの厚生年金の適用拡大(3)中途採用の促進――などを繰り返し強調した。しかし、こうした対策は小泉政権時代から掲げている内容で、一歩進んで実現への道筋が語られることはなかった。

地域格差や社会的弱者への対策は、さらに具体性に乏しかった。地方の医師不足には「今後施策を考えたい」。障害者自立支援法の施行で、障害の重い人ほど負担が重くなっているという指摘には「きめ細かな配慮を行った」などと、淡泊な答弁が目立った。

教育問題では、社民党の福島党首が13日、教育基本法を改正したら「愛国心」を通知票で評価するか、と質問。「そういう評価はしないということではないかと思う」と、小泉前首相を踏襲する見解を引き出した。だが、それ以外は突っ込んだ議論はなかった。

消費税率の引き上げを含む財政再建についても、首相は「来年秋以降に議論」と、これまでの先送り答弁を繰り返すだけだった。

論議が深まらなかった一因には、首相の「安全運転」答弁がある。ある民主党の参院議員には、事前に質問内容を聞こうと、全省庁から100人近い官僚が押しかけ、国会内の議員総会室で対応した。「過去の政権でこんなことはなかった。入念に準備していたということだろう」(秘書)。この議員の質疑で、踏み込んだ答弁が出ることはなかった。

朝日新聞 2006年10月13日

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10月1日

与党単独採決も…教育基本法改正などで 中川幹事長

自民党の中川秀直幹事長は1日のNHK番組で、安倍内閣が臨時国会での成立を目指す教育基本法改正案などについて「歩み寄れるものは歩み寄ったらいいが、時間が来れば採決するのは当然だ」と述べ、野党の出方しだいでは、与党単独での採決も辞さない考えを示した。

また、中川氏は社会保険庁改革関連法案については「組織解体となれば行政組織法上まで変わってくる話だ。臨時国会でやるのは無理があるという感じはもっている」と述べ、来年の通常国会に法案を出し直す可能性を示唆した。

野党側が今国会で追及する構えをみせている安倍晋三首相の歴史認識については、「(首相の主張を変えず)乗り切っていくべきだ」と強調。国会での党首討論について「毎週やったらいい。その代わり、委員会、本会議に首相を呼ばないというルールは守ってもらわないといけない」と語った。

民主党などは11日の党首討論開催を求めているが、自民党幹部は同日、記者団に「(予算委への首相出席と党首討論のどちらを優先させるかは)野党の判断だが、予算委員会があるから(党首討論は)無理だろう」と述べ、党首討論が18日以降になるとの見通しを示した。

産経新聞 2006年10月1日


9月29日

野党は対決姿勢強める、教育基本法改正案など反対

民主、共産、社民、国民新の野党4党は28日の国会対策委員長会談で、教育基本法改正案や憲法改正手続きを定める国民投票法案、共謀罪の新設を柱とする組織犯罪処罰法改正案に反対する方針を確認した。同日の衆院議院運営委員会では29日に安倍晋三首相の所信表明演説を決めたが、各党代表質問は結論を先送りするなど冒頭から対決姿勢を強めている。

各党代表質問を巡っては、与党は10月2、3両日を提案したが、野党は国民新党の枠の確保などを主張。民主党は「検査入院」中の小沢氏に代わって鳩山由紀夫幹事長が行う方針を決めた。衆院は同日の本会議で教育基本法やテロ防止など八つ、参院本会議では北朝鮮による拉致問題など5つの特別委員会の設置をそれぞれ決めた。

日経新聞 2006年9月29日

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9月28日

9月28日(木)(第1回)

1 委員長及び理事互選の結果、次のとおり当選した。

  委員長 森 山 眞 弓君(自民)

  理事 岩 永 峯 一君(自民) 理事 河 村 建 夫君(自民)

  理事 坂 本 剛 二君(自民) 理事 馳     浩君(自民)

  理事 町 村 信  孝君(自民) 理事 西   博 義君(公明)

2 森山委員長から就任の挨拶が行われた。

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9月24日

「基本法」で与野党譲らず、“教育国会”は激戦必至

自民新総裁「安倍政権」が始動する第165臨時国会が26日に召集される。

先の通常国会から先送りされた重要法案が山積する中、首相に就任する安倍晋三・自民党総裁は教育基本法改正案を最優先課題と位置づけている。野党は強く抵抗する構えで、早くも「教育国会」の様相を呈している。この問題を担う文部科学相らの人事への関心も高まっている。

与党側は22日、81日間という長期の会期案を改めて野党側に示した。重要法案を一本でも多く成立させる狙いだが、民主党は「教育基本法改正案の採決をしないことを担保しなければ応じられない」との立場を崩さず、対決姿勢を強めている。

安倍氏は20日の総裁就任時の記者会見で、教育基本法改正案を臨時国会での「最重要法案」と位置づけたうえ、もう一つの優先課題としてテロ対策特別措置法の延長を挙げた。その他の法案に関しては、「国会日程もあり、新執行部と相談しながら優先順位を決める」として、最終的に来年の通常国会以降に先送りする可能性も排除していない。

教育基本法については、政府提出の改正案と、民主党提出の対案が継続審議となっている。安倍氏周辺は「安倍氏は総裁選で教育再生・改革を唱え、具体的な提案も行った。教育基本法を決着させないと、具体策に着手できない」として、政府案で押し切る考えをにじませる。

これに対し、民主党幹部は「政府案の採決は断固拒否する」としたうえ、与党との修正協議についても、「小沢代表はそうした妥協を好まない」と否定的だ。このため、与党内では、早くも「野党が応じないなら、与党だけでも政府案を採決するしかない」との声が出ている。

こうした情勢を受け、新政権の人事では、文科相と教育担当の首相補佐官にも注目が集まっている。

文科相については、自民党内に「文相経験者が適任だ」という主張と、「安倍氏の教育改革は文科省の考え方と隔たりが大きいので、むしろ文教族以外の方がいい」との意見がある。

また、首相官邸主導を目指し、上限いっぱいの5人を置く予定の首相補佐官については、「文科省を抑え込めるベテランを文科相に置き、安倍氏と考えの同じ若手を教育担当補佐官とするのが最良だ」(安倍氏周辺)との案が浮上している。

讀賣新聞 2006年9月24日

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9月14日

自民、教基法改正に全力 会期81日間で万全期す

自民党は14日、民主党に対し26日に召集する臨時国会の会期を12月15日までの81日間とする日程を提案、民主党も提案を受け入れる方針で19日に正式回答する。与党は年末の予算編成作業ぎりぎりまで会期を確保し、先の通常国会で継続審議となった教育基本法改正案や、防衛庁「省」昇格法案など重要法案成立に万全を期す。

10月2日からの各党代表質問では、民主党は小沢一郎代表が自由党党首当時以来、3年8カ月ぶりに代表質問に立つ予定。重要法案に関し慎重審議を求める方針で、新政権発足冒頭から与野党の激しい攻防が展開されそうだ。

共同通信 2006年9月14日

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自民、重要法案に照準 臨時国会81日間に

自民党総裁選を受けて発足する新政権が民主党と初対決する臨時国会は今月26日から12月15日までの81日間となる見通しとなった。総裁選の勝利が確実な安倍官房長官としては、年末の予算編成の直前まで最大限長めの国会とすることで、教育基本法改正をはじめ重要法案を年内に成立させたい考えだ。来年夏の参院選をにらんで、早期に「安倍カラー」を鮮明にし、国会の主導権を握る狙いもある。

自民党は14日の衆院議院運営委員会の筆頭理事間協議でこの日程を提案し、民主党も合意する方針を固めた。臨時国会で自民党は教育基本法改正案に加え、防衛庁の「省」昇格法案も成立をめざす構えだ。社会保険庁改革関連法案は修正して出し直す。ただ、「共謀罪」を創設する組織的犯罪処罰法改正案や憲法改正に絡む国民投票法案とともに通常国会に先送りされる可能性がある。

一方、臨時国会の会期中の10月22日には神奈川16区と大阪9区の衆院2補選も控えており、民主党は国会冒頭から安倍氏の歴史認識などを厳しく追及する考え。11月1日に期限切れとなるテロ対策特別措置法の延長を巡っても集団的自衛権問題などが論争の焦点となりそうで、与野党が真っ向からぶつかる本格的な国会になりそうだ。

朝日新聞 2006年9月14日

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9月5日

後継首相は26日に指名 自民、公明両党

自民、公明両党は5日、国会内で国対委員長会談を行い、20日の自民党総裁選後に小泉純一郎首相の後継首相を指名する臨時国会の召集日を26日とする方針を決めた。7日に開かれる与野党国対委員長会談で最終調整するが、民主党の荒井聡国対委員長代理は5日、記者団に「26日以降なら受けざるを得ない」と述べ、与党側の提案を容認する考えを示した。これにより新首相誕生は26日になる見通しとなった。

自民党の細田博之国対委員長は与党国対委員長会談で、公明党の東順治国対委員長に「公明党代表選の立候補受け付けがある26日の召集では無理か」と打診。これに対し、東氏は「柔軟性は持っている」と応じた。

公明党は26日に代表選立候補受け付けを予定しているが、27日以降の召集では、新首相による所信表明演説などの日程がずれ込み、教育基本法改正案などの審議時間が十分確保できないとの懸念があることから、26日召集を了承した。

政府・与党は当初、自民党役員や閣僚人事をめぐる混乱を回避するため、総裁選2日後の22日に臨時国会を召集する方針だった。これに対し、25日の党大会で小沢一郎代表の再任を決める予定の民主党が強く反発していた。

     ◇

【あす与野党調整】

■組閣遅れ派閥介入も

政府・与党が当初、自民党総裁選から間をおかずに新内閣を発足させようとしていたのは、当選が確実視される安倍晋三官房長官を取り巻く「総主流体制」の中で、安倍氏が人事面で派閥の意向や議員たちの猟官運動にがんじがらめにされるのを恐れたためだ。

しかし、政権発足が26日に先送りされ、この懸念が現実味を帯びはじめてきている。

「総裁選から組閣までの時間を利用して、森派会長の森喜朗元首相が(安倍)官房長官室へ乗り込み、各派への配慮を求めて安倍さんらしい人事ができなくなるのではないか」

安倍氏に近い中堅議員はこう語る。

安倍氏の総合選挙対策本部には各派閥幹部のほか、「再チャレンジ支援議員連盟」などの派閥横断グループが結集しており、「総裁選後に、限られたポストを狙って激烈な争いが起きる」(津島派中堅)との見方がもっぱらだ。

小泉純一郎首相が5年半にわたる在任中、閣僚人事で、従来の派閥均衡や年功序列の方式を排したことで、「入閣適齢期」に達しながら閣僚になれなかった議員も少なくない。

首相は平成13年と15年の総裁選に勝利した後、派閥領袖が人事に介入するのを避けるため、総裁選の2日後に組閣を断行した。それでも「閣僚名簿の発表直前までかなりのプレッシャーを受けた」(周辺)という。

安倍氏は「派閥の意向を聞き取って人事に反映させることはしない」としているが、人事をめぐるどたばた劇が1週間近く繰り広げられれば、新政権のイメージは傷つく。安倍氏に近い閣僚経験者は「猟官運動の波をどうかいくぐるかが安倍さんの最初の試練だ」と語っている。

     ◇

【臨時国会召集】

■民主との対立避ける

臨時国会召集日の日程で、与党が民主党に譲歩したのは、新政権発足早々から政策課題でない事柄で与野党が対立し、国会が不正常な状態に陥ることで「安倍新首相」に強権的なイメージがつくのを避けたかったためとみられる。

小泉首相と安倍官房長官は8月24日、臨時国会の早期召集で合意。官邸筋は「両者が22日で正式に合意したわけではなく、情報が独り歩きした」と語るが、政府・与党の関係者は、9月22日召集で調整に動いた。

だが、民主党は22日召集に強く反発した。同党は25日に党大会を行い、新代表を選出するからだ。代表選は12日告示で、小沢氏が無投票再選される方向だが、同党の渡部恒三国対委員長は5日午前の役員会で「党大会が終わるまでは首相指名に応じられない。首相指名で選ぶ候補がいないのだから出席できない」と発言、欠席も辞さない考えを示した。

訪米中の小沢氏も「民主党大会を終えてからというのが普通のやり方だ。3、4日急いでどうというわけでもないのに、やるということになれば少し横暴だ」と批判していた。

こうした状況を受け、小泉首相は5日の自民党役員会で「自分は22日とは言っていない。与野党でよく協議してほしい」と指示、民主党の顔を立てる形で決着した。

産経新聞 2006年9月6日

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8月25日

臨時国会、来月22日召集 初日に首相指名

小泉純一郎首相は二十五日、九月二十日の自民党総裁選での安倍晋三官房長官勝利を前提に、後継首相を指名する臨時国会を、総裁選直後の同二十二日に召集する意向を固めた。与党は受け入れる方向。同日中に、衆参両院本会議での首相指名選挙を経て、新内閣が発足する見通しだ。

会期は十二月十日ごろまでの八十日間程度を検討している。九月二十五日には民主党代表選、同三十日は公明党の党大会があるため、新首相の所信表明演説は十月二日、各党の代表質問は同四日から六日に行う方向だ。

これに関連して、首相は二十五日、京都市内で記者団に「できるだけ早く召集した方がいい。総裁に決まっても(首相に指名されないと)組閣はできない」と強調した。

政府・与党は当初、民主党代表選の日程などを踏まえ、九月二十九日召集の方向で調整していた。

しかし、臨時国会は教育基本法改正案や道州制特区推進法案、防衛庁の省昇格法案、国民投票法案など、通常国会で継続審議となった重要法案を数多く抱えている。このため首相は、自民党が最優先とする教育基本法改正案などの成立を期すには、召集を前倒しし審議時間を確保するのが望ましいと判断した。総裁選での安倍氏勝利を念頭に、早期に安倍体制を固めたいとの配慮もあるとみられる。

二十二日の召集について公明党幹部は二十五日、「多くの重要法案を通さないといけないから、早くやるのは構わない」と述べ、容認する考えを示した。

一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日の記者会見で、同党代表選前の召集を「党利党略だ」と批判。国会日程をめぐる野党側との折衝は難航も予想される。

北海道新聞 2006年8月26日

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9月22日に臨時国会召集へ 新首相選出、組閣

小泉純一郎首相は25日、9月20日の自民党総裁選を受け、新首相を選出する臨時国会を9月22日に召集する方針を固めた。同日中に新内閣が発足する見通し。小泉首相と安倍晋三官房長官が24日に協議し、一致した。

首相と安倍氏は臨時国会で、アフガニスタンのテロリスト掃討作戦を支援するため海上自衛隊がインド洋で米艦船などに行っている給油活動を継続するため、11月1日で期限を迎えるテロ対策特別措置法を改正する方針も確認。同法改正の審議時間を確保するためにも早期召集が必要と判断した。

与党は、通常国会で継続審議となった教育基本法改正案の早期成立を目指しており、会期は12月上旬までの70−80日間となる見通し。

共同通信 2006年8月25日

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8月20日

臨時国会 共謀罪成立は見送り 政府・与党、教育基本法改正を優先

政府・与党は二十日、秋の臨時国会で共謀罪新設を柱にする組織犯罪処罰法などの改正案の成立を見送り、教育基本法改正案の成立を最優先させる方針を固めた。組織処罰法改正案をめぐっては民主党が与野党対決法案と位置づけ、徹底抗戦する構えを崩しておらず、来年夏の参院選後の臨時国会以降に先送りする案も浮上している。

秋の臨時国会は九月下旬に召集し、十二月上旬までの約七十日の会期を予定している。召集日に小泉純一郎首相の後継を指名する選挙を行い、その後に新首相の所信表明演説と衆参両院での各党代表質問があり、法案審議に割けるのは五十日程度となる見通し。政府・与党は重要法案を複数成立させるのは困難だとして「教育基本法改正案の成立を目指す一点勝負で臨む」(自民党国対幹部)判断に傾いた。

自民党が教育基本法改正案の成立を優先させるのは、九月の総裁選で圧倒的優位に立つ安倍晋三官房長官が、同法案改正をはじめとする教育改革に取り組む構えを見せている情勢を踏まえた。

また公明党も、支持母体の創価学会内に教育基本法改正案への異論がくすぶっているため、来年の統一地方選や参院選への影響を避けるために、早期の成立を求めていた。

政府・与党は当初、高い支持率を誇る小泉純一郎政権のうちに、両法案の改正案や防衛庁の省昇格法案など重要法案の成立を目指していた。

しかし、首相が法案成立にこだわらずに、通常国会の会期を延長しなかったことから、いずれも継続審議扱いになっていた。

北海道新聞 2006年8月21日

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