「改正」後の動き(2007年1月)


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学力テストを事前配布-昨年と同内容、小学校教諭が練習用に・東京都調布市

東京都調布市の小・中学校で1月実施された学力テストが昨年と同じ内容で、小学校1校の教諭が事前に練習用として昨年のテストをコピーし6年生に配布していたことが24日分かった。この小学校では6年生のテストを延期した。

市教委によると、学力テストは小学4年、6年(国語、算数)と中学1年(国語、数学、英語)を対象に、2005年度から実施。問題の作成や採点、結果分析は民間企業に委託している。問題用紙は試験終了後、各校が参考用として保管する1部以外はすべて回収、校長に対して一切コピーせず内容も漏らさないよう通知していた。

しかし、小学校1校では、6年生の担任教諭が、保管されていたテストを校長の了承を得ないままコピーし昨年12月、「テスト形式に慣れるため」として児童に手渡した。

1月上旬、各校に今年度分の問題が配付され、同じものであることに気付いた教諭が校長に報告、問題が発覚した。

市教委指導室は「教諭の著作権に対する理解不足が問題だ。(担当も)前年度と同じ内容であることに気付いていなかった。ただ、同じ内容であることは、複数年の比較がより適切にできるメリットもある」としている。

時事通信内外教育版 2007年1月30日

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教育3法案「当然成立期す」=安倍首相重ねて言明、引き締め図る

安倍晋三首相は29日夜、今国会に提出する予定の学校教育法改正案など教育改革関連3法案について「教育再生はわたしの最重要課題だから、当然成立を期して、提出も急いでいきたい」と述べ、今国会の会期内成立を目指す意向を重ねて言明した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

政府は、教育再生会議が24日まとめた第1次報告を踏まえ、教員免許更新制の導入などを図る教育職員免許法改正案など3法案を今国会に提出する方針で、首相も同日「国会で十分な議論をした上で、成立を目指してもらいたい」と述べていた。

しかし、塩崎恭久官房長官は27日の記者会見で「成立させるかどうかは国会が決めること」と指摘。28日には下村博文官房副長官もテレビ番組で「成立してもらいたいが、これは柔軟に考えてもいいのではないか」と述べ、今国会成立には必ずしもこだわらない考えを表明した。

首相としては、「安倍官邸」の中枢メンバーである正副官房長官のこうした発言を放置すれば、政府・与党内の3法案に対する慎重論が勢い付き政権の求心力にも影響を及ぼしかねないことから、引き締めを図ったとみられる。

時事通信 2007年1月29日

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<安倍首相>教育関連3法案の今国会成立に意欲

安倍晋三首相は29日、教育関連3法案について「教育再生は私の最重要課題なので当然、成立を期して法案提出も急ぎたい」と述べ、今国会での成立に意欲を示した。下村博文官房副長官は国会内で自民、公明両党の国対委員長と会談、衆参両院に3法案を審議する特別委員会設置を要請、両党国対委員長は回答を保留した。

毎日新聞 1月29日 22:12

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再生会議「期待せず」77% 民間調査、高校は冷ややか

政府の教育再生会議について教育情報会社が高校、大学を対象に実施したアンケートで、回答した高校の77%が「期待しない」とし、「現場とのギャップが大きい」など冷ややかな意見が多く寄せられたことが29日、分かった。大学では「期待する」が48%で「期待しない」の44%をやや上回った。

調査は進路相談会を開催するライセンスアカデミー(東京)が昨年11-12月に実施。全国の高校362校の進路指導担当教員、大学、短大180校の広報担当者が回答を寄せた。

再生会議への期待は高校の77%が「期待しない」と回答し「期待する」の18%を大きく上回った。再生会議が扱うテーマのうち関心が最も高かったのは教員免許更新制(高校45%、大学49%)だった。

自由意見では好意的な意見もあったが「素人が思い付きで述べた意見が国の流れになることが恐ろしい」など厳しい意見が多かった。

共同通信 2007年1月29日

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教育再生会議報告に「発達障害への偏見助長」と抗議

自民党の尾辻秀久元厚労相、公明党の福島豊衆院議員らは29日、政府の教育再生会議がまとめた第1次報告書について、「発達障害の子どもへの偏見を助長しかねない表現がある」として説明を求める公開質問状を、同会議の野依良治座長あてに提出した。

尾辻氏らが問題にしているのは、報告書の「いじめている子どもや暴力をふるう子どもには厳しく対処する」という提言中で、「いじめがLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、アスペルガー症候群や虐待による行動でないかなど、問題行動の背景に十分注意する必要がある」とした部分。

「報告書の中には、障害児教育について一切記述がないにもかかわらず、この部分でだけ発達障害について触れると、障害児がいじめの加害者になる可能性が高いと一般の人びとから誤解される」として、表現の訂正などを求めている。

対応した再生会議担当の山谷えり子首相補佐官は「表現は偏見に基づくものではなく、発達障害の子どもへの十分な配慮を求めたもの」として、訂正に応じるのは困難との考えを示した。

朝日新聞 2007年1月29日 19:04

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教育改革3法案、全ての成立こだわらず 下村副長官

下村博文官房副長官は28日のフジテレビの番組で、安倍首相が今国会への提出を表明した教員免許法、地方教育行政法、学校教育法を改正する3法案について「成立してもらいたいと思うが、柔軟に考えてもいいのではないか」と述べ、3法案すべての成立にはこだわらない考えを示した。

首相は3法案の成立を目指す考えを示しているが、今国会は統一地方選や参院選を控えて日程に余裕がなく、会期内成立は困難との見方もある。首相側近の下村氏が公に成立先送りを容認する発言をするのは異例だが、3法案が成立しない場合に政権の責任論が出ることへの予防線を張る狙いもあるとみられる。

朝日新聞 2007年01月28日 19:38

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教育再生会議 安倍首相、教育3法の改正案国会提出を明言

安倍晋三首相は24日、首相官邸で開かれた教育再生会議(野依良治座長)の総会であいさつし「学校教育法など3法とも通常国会に改正案を提出する」と述べ、教育委員会制度を定めた地方教育行政法(地教行法)と教員免許の更新制を導入する教員免許法を合わせた教育3法の改正案を25日召集の通常国会に提出することを明言した。再生会議は24日、体罰の範囲を定めた法令・通知の今年度中の見直しなどを盛り込んだ第1次報告を決定、野依座長が首相に提出した。

第1次報告を受けて首相は総会後、記者団に「100点の案をまとめていただいた。これから法律にし、制度を改革し、現場で実行していく」と述べ、「国会で十分な議論をしたうえで成立を目指してもらいたい」と意欲を示した。

教育の目標や学校運営を定めた学校教育法の改正は、改正教育基本法に盛り込まれた「愛国心」表記をどう反映させるかが焦点。地教行法に関しては、教員人事権を都道府県教委から市町村教委に委譲させる案が浮上している。ただ、いずれも教育現場などに慎重論があり、取りまとめ難航が予想される。

第1次報告は「社会総がかりで教育再生を~公教育再生への第一歩」の題名で、(1)「ゆとり教育」の見直し(2)安心して学べる規律ある教室(3)教育委員会制度改革--など「七つの提言」と、早急な取り組みが必要な「四つの緊急対応」などで構成。緊急対応の中には、いじめなど反社会的行動をとる子どもへの「毅然(きぜん)たる対応」を取るため、教室外への退去などを禁じた体罰に関する法令・通知の今年度中の見直しも明記した。

また、教員免許の更新制を導入し、講習の修了認定を厳格に行うよう提唱。指導力が改善しない場合は地方公務員法などに基づく分限制度を活用し、教壇から排除する考えを盛り込んだ。授業時間の10%増やいじめる子への出席停止制度の活用も明記している。

再生会議は5月に第2次、12月に最終報告をまとめる。これとは別に、地教行法改正の焦点となる第三者機関による学校、教育委員会の外部評価導入について、2月下旬をめどに制度設計案を検討する。【渡辺創】

■教育関連3法改正の主なポイント■
・学校教育法=教育の目標への「愛国心」などの反映▽副校長や主幹ポストの新設
・地方教育行政法=教育委員会への外部評価の導入▽人口5万人以下の市町村教委の統廃合▽教員人事権の市町村への委譲
・教員免許法=更新制の導入▽厳格な修了認定の仕組み

毎日新聞 2007年1月25日

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教育3法改正案、国会に 再生会議報告受けて首相表明

政府の教育再生会議(野依良治座長)は24日、総会を開き、安倍首相にゆとり教育の見直しなどをうたった第1次報告を提出した。これを受け首相は、教員免許更新制の導入や教育委員会改革などを実現するため、25日召集の通常国会に教員免許法、地方教育行政法、学校教育法の改正案の関連3法案を提出する考えを表明した。教育改革を最重要課題と位置付けることで、支持率回復の切り札にする決意を示したものだ。与党側も首相の意向を受け、3法案の成立に全力を尽くす考えだ。

首相は記者団に法案成立の見通しを問われ、「とにかく法案をつくって、与党との議論を行い、そして提出して、国会において十分な議論をした上で成立をめざしたい」と語った。

安倍首相の内閣支持率が下げ止まらないなか、首相の肝いりで発足した教育再生会議の報告が実現しないとなれば、首相にとっては政権運営の致命傷になりかねない。このため与党としては、「首相の教育再生への並々ならぬ意欲と受け止めた」(与党国対幹部)として、首相の突然の方針表明に戸惑いながらも、国会での成立を目指す構えだ。

ただ、法案作成には時間がかかることも予想され、4月に統一地方選があることや7月には参院選を控えて会期延長が難しいことから、3法案すべてを会期内に成立させるのは「常識的に無理」(伊吹文部科学相)との見方もある。

首相はこの日の総会で「教育再生は、私の内閣の最重要課題というよりも、日本の将来にとって最も大切な課題だ」と強調。「3法案とも通常国会に提出するよう伊吹文科相に指示し、与党にもそう伝える。教育再生に待ったなしの強い意志を示したい」と語った。総会後、首相は自民党の中川秀直幹事長、公明党の北側一雄幹事長に電話し、協力を求めた。

教員免許法改正案については、文科省は昨年7月の中央教育審議会答申に基づき、すでに改正案づくりを進めており、これは早急に対応できそうだ。問題は残る二つの改正案。地方教育行政法に関しては、第1次報告にある「教委への第三者機関による外部評価制度の新設」などは05年秋の中教審答申で触れられておらず、どこまで改正案に盛り込むかが焦点になる。副校長や主幹を新設する学校教育法改正案については、教員の間に差を設けるものとして教員組合などが反発するのは必至だ。

ゆとり教育の見直しは、学習指導要領の改訂などで対応することになる。

第1次報告は、このほかに、今後5年間で教員採用数の最低2割を社会人や研究者から採用することや、学校を評価する「教育水準保障機関」設置も求めている。また、学校や市町村教委への分権を掲げる一方、教育への「国の役割・責任の明確化及び国の責任を担保するための制度」のあり方を「今後の検討課題」に挙げており、教育現場の自主性との関係で論議を呼びそうだ。

再生会議は今後、学校週5日制の見直しや「バウチャー制度」導入などを検討課題とし、5月をめどに第2次報告、12月に第3次報告をまとめる。

朝日新聞 2007年1月25日

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<教育再生会議>安倍首相、教育3法の改正案国会提出を明言

安倍晋三首相は24日、首相官邸で開かれた教育再生会議(野依良治座長)の総会であいさつし「学校教育法など3法とも通常国会に改正案を提出する」と述べ、教育委員会制度を定めた地方教育行政法(地教行法)と教員免許の更新制を導入する教員免許法を合わせた教育3法の改正案を25日召集の通常国会に提出することを明言した。再生会議は24日、体罰の範囲を定めた法令・通知の今年度中の見直しなどを盛り込んだ第1次報告を決定、野依座長が首相に提出した。

第1次報告を受けて首相は総会後、記者団に「100点の案をまとめていただいた。これから法律にし、制度を改革し、現場で実行していく」と述べ、「国会で十分な議論をしたうえで成立を目指してもらいたい」と意欲を示した。

教育の目標や学校運営を定めた学校教育法の改正は、改正教育基本法に盛り込まれた「愛国心」表記をどう反映させるかが焦点。地教行法に関しては、教員人事権を都道府県教委から市町村教委に委譲させる案が浮上している。ただ、いずれも教育現場などに慎重論があり、取りまとめ難航が予想される。

第1次報告は「社会総がかりで教育再生を~公教育再生への第一歩」の題名で、(1)「ゆとり教育」の見直し(2)安心して学べる規律ある教室(3)教育委員会制度改革――など「七つの提言」と、早急な取り組みが必要な「四つの緊急対応」などで構成。緊急対応の中には、いじめなど反社会的行動をとる子どもへの「毅然(きぜん)たる対応」を取るため、教室外への退去などを禁じた体罰に関する法令・通知の今年度中の見直しも明記した。

また、教員免許の更新制を導入し、講習の修了認定を厳格に行うよう提唱。指導力が改善しない場合は地方公務員法などに基づく分限制度を活用し、教壇から排除する考えを盛り込んだ。授業時間の10%増やいじめる子への出席停止制度の活用も明記している。

再生会議は5月に第2次、12月に最終報告をまとめる。これとは別に、地教行法改正の焦点となる第三者機関による学校、教育委員会の外部評価導入について、2月下旬をめどに制度設計案を検討する。【渡辺創】

■教育関連3法改正の主なポイント■
・学校教育法=教育の目標への「愛国心」などの反映▽副校長や主幹ポストの新設
・地方教育行政法=教育委員会への外部評価の導入▽人口5万人以下の市町村教委の統廃合▽教員人事権の市町村への委譲
・教員免許法=更新制の導入▽厳格な修了認定の仕組み

毎日新聞 2007年1月24日 20:50

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教育再生会議が1次報告を正式決定

政府の教育再生会議(野依良治座長)は24日午後、安倍晋三首相や伊吹文明文部科学相も出席して首相官邸で総会を開き、第1次報告を正式決定した。学力低 下の一因とされる「ゆとり教育」の見直しを打ち出すとともに、教育委員会の抜本改革に取り組むと明記。いじめ対策として、学校教育法が禁じる「体罰」の基 準の見直しや出席停止制度の活用を提言した。

首相は同報告を受け、25日召集の通常国会にまず教委改革など関連法案を提出、成立を目指 す。再生会議は、政府の「骨太の方針」に反映させるため5月に第2次報告、年末には最終報告をそれぞれ策定する方針で、1次報告に盛り込んだ教育再生策の さらなる具体化に取り組む。

「社会総がかりで教育再生を-公教育再生への第一歩」と題する1次報告は、「基本的考え方」として、いじめ や高校必修科目の未履修問題を踏まえ、「公教育の機能不全」に陥ったと指摘。七つの提言と四つの緊急対応から成る「当面の取り組み」を記すとともに、「今 後の検討課題」を列挙した。

当面の取り組みでは、ゆとり教育見直しを明記し、具体策として(1)学習指導要領を早期に改定し、授業時間数を10%増加(2)薄すぎる教科書の改善(3)土曜日補習の実施-などを挙げた。深刻化するいじめへの対応として、暴力などを繰り返す子供へ「毅然(きぜ ん)たる指導」ができるよう、1948年に通知で示された体罰の範囲見直しなどを2006年度中に行うよう提言。事実上の緩和を促した。

また、「不適格教員」を排除するため教育職員免許法を改正し、教員免許更新制を導入するよう求めた。学校や教委に対する外部評価制度の導入や、教委改革のための地方教育行政法改正も提唱。さらに、高校での奉仕活動の必修化や、大学の9月入学普及なども盛り込んだ。

今後の検討課題には、学校週5日制や各自治体に教委の設置を義務付けた規定の見直し、自由な学校選択を可能にする教育バウチャー制度の導入などを挙げた。

時事通信 2007年1月24日

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伝統や宗教の教育充実を 中教審が指導要領の改訂で素案

中央教育審議会の教育課程部会は23日、学習指導要領の改訂では、日本の伝統・文化や宗教に関する教育を充実させることや道徳教育の見直しを求める素案をまとめた。昨年末の教育基本法改正で、新たに入った徳目規定が反映された形だ。今期の中教審の委員は今月末に任期切れとなるため、実際の改訂作業は2月以降、新委員のもとで本格化する。

基本法の改正で、国語や社会、音楽、美術などで伝統・文化に関する教育を充実することが明記された。素案では、その具体的な例として、小学校での古文や漢文の音読・暗唱を示した。

宗教教育では、中学校の社会で世界各地の宗教の特色や役割に関する指導の充実を目指す。道徳については「内容、形式両面にわたる見直し」とし、高校での社会奉仕体験活動が例示された。

素案ではこのほか、中学校に進学した生徒が戸惑わないように、教科担任制を小学校高学年から導入することや、小学校で身についていない内容を中学校でも重複して教えることなどを検討項目にあげた。

政府の教育再生会議が提言する見通しになっている授業時数の増加については、多くの学校が取り組んでいる朝の10分活動を授業時数に計上することや、長期休業日の活用などを例示したが、「子どもや学校の実態等を踏まえて検討する」として、増やすとは明言しなかった。

朝日新聞 2007年01月24日 13:55

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「出席停止の積極活用通知を」 首相が文科相に指示

安倍首相は22日、伊吹文部科学相と首相官邸で会い、いじめや反社会的行動を繰り返す子供に対する出席停止措置制度を積極的に活用することを各教育委員会に速やかに通知するよう指示した。

学校教育法上、教委は他の子供に傷害や心身の苦痛を与える行為などをした子供に出席停止を命じることができる。しかし、実例は05年度で43件と少なく、教育再生会議は24日にまとめる第1次報告に出席停止制度の活用を盛り込む方針だ。

朝日新聞 2007年1月22日 21:18

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教育再生会議、「体罰」の定義見直し…政府に要望へ

政府の教育再生会議(野依良治座長)は、学校教育法で禁じられている「体罰」について、政府が過去に示した定義の見直しを求める方針を固めた。

来週にもまとめる第1次報告に盛り込み、安倍首相に提出する予定だ。報告には大学の9月入学導入の促進や高校での奉仕活動必修化も明記する。

「体罰」の定義については、1948年の法務庁長官(当時)通達で事例を挙げて説明。<1>授業中、怠けたり授業を妨害したら教室外に退去させる<2>遅刻したら教室に入らせず廊下に立たせる<3>トイレに行かせなかったり食事時間を過ぎても教室に残す――ことなどを禁止している。49年に通達とほぼ同内容の「教師の心得」(7項目)が発表され、現在まで適用されている。

再生会議の議論では、義家弘介担当室長が「現状では教師は毅然(きぜん)とした指導ができない。両手両足を縛って『戦ってください』と言うのは無責任だ」として、通達の見直しを提案。ほかの委員からも「軍隊上がりの教員が多くいた時代の通達で現代にはそぐわない」などの意見が出て、第1次報告に見直しを明記することが固まった。

学校教育法は11条で、教育上必要があると認められる場合、教員は児童や生徒に「懲戒を加えることができる」とした上で、「体罰を加えることはできない」としている。

讀賣新聞 2007年1月17日 20:29

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教委見直し法案、文科相は慎重姿勢 「通常国会難しい」

伊吹文部科学相は16日の記者会見で、教育委員会制度を見直す法案について、今通常国会では日程的に余裕がなく、成立は難しいとの認識を示した。安倍首相は同日の講演で「教育改革は私の最重要課題。教育再生会議の議論も踏まえ、必要な法律の改正を行っていく」と語った。教委見直し法案に直接言及したわけではないが、首相直属の教育再生会議が通常国会での成立をめざすこの法案の扱いが政府・与党の調整課題の一つとなってきた。

伊吹氏は、同法案について「教委が今のままでいいのか、という問題意識は持っているが、法案の具体的な準備はしていない」と明言。「参院選があるから、国会の会期は極めて限られている」などと指摘した。

伊吹氏はその上で、「教委の外部評価の導入」など一昨年秋の中央教育審議会答申に見あたらないことが再生会議の提言に盛り込まれそうなことを踏まえ、「中教審にもう一度尋ねるのが筋だ」と強調。法案提出の前に改めて中教審に諮問する必要があるとの考えを示した。

また、自民党の文教族議員の一人は「まだ法案をつくる段階じゃない。まずは中教審だが、あれは時間がかかる」と述べ、提出は微妙との認識を示した。

文科省の事務方の間でも「昨年の10月ごろから法案作成の準備を始めていたならともかく、今からではとても間に合わない」との声が上がっている。

朝日新聞 2007年1月16日 22:30

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授業時間10%増加を教育再生会議提言へ

政府の教育再生会議(野依良治座長)は1月下旬にまとめる第1次報告に、「ゆとり教育の見直し」とともに「公立学校の授業時間数の10%増加」を盛り込む方針を固めた。政府筋が15日、明らかにした。

小規模教委統廃合も
実現すれば、小中学校の授業時間は1970年代前半以来の増加となる。このほか、教育委員会改革として、小規模市町村の教委の統廃合と事務の広域化なども明記する。

授業時間数の増加は「ゆとり教育の見直し」を具体化するもので、子供に基礎学力を身につけさせ、学力向上につなげる狙いだ。

小中学校の授業時間は、詰め込み教育の反省から、70年代前半以降、約10年に1度のペースで学習指導要領の改定に合わせて減り続けてきた。現在の小中学校の授業時間数は、完全週5日制が始まった2002年度から続いているもので、提言は01年度以前の水準に戻すことを求める方向だ。授業時間数では、小中高校で週2回(1回は45~50分)程度増えることになる。

教育委員会の改革は、15日開かれた「学校再生分科会」で素案が示され、大筋で了承された。ほかに、第三者機関による教委の外部評価や都道府県教委が持つ公立小中学校の教職員人事権の市町村への移譲なども打ち出す方向だ。

小規模自治体の教委に関しては、教師の教え方などを指導する指導主事が配置できず、十分な学校指導が難しいなど、事務局体制の不備や教育委員の人事の硬直化などの問題点が指摘されてきた。素案では、教委の統廃合対象となる市町村の規模は「人口5万人以下」としているが、委員からは「10万人以下でも良い」という意見も出た。事務の広域化では、市町村が共同で「事務組合」「広域連合」などを作る案のほか、大規模自治体への完全な委託も想定されている。

素案には教育委員に関し、「活動状況の公表」「義務教育を受ける子供を持つ保護者の起用」なども盛り込まれており、第1次報告に向けてさらに検討する。

讀賣新聞 2007年1月16日

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小規模市町村の教委統廃合、教育再生会議が提言へ

安倍首相が設置した教育再生会議(野依良治座長)の「学校再生分科会」は15日の会合で、今月下旬にまとめる第1次報告に、小規模市町村の教育委員会の統廃合と事務の広域化を盛り込むことで一致した。

〈1〉第三者機関による教委の外部評価〈2〉都道府県教委が持つ公立小中学校の教職員人事権の市町村への移譲――なども明記する方針だ。

小規模自治体の教委に関しては、教師の教え方などを指導する指導主事が配置できず、十分な学校指導が難しいなど、事務局体制の不備や教育委員の人事の硬直化などの問題点が指摘されてきた。

分科会に示された素案では、教委の統廃合対象となる市町村の規模は「人口5万人以下」としているが、委員からは「10万人以下でも良い」という意見も出た。事務の広域化では、市町村が共同で作る「事務組合」「広域連合」などを受け皿とする案のほか、大規模自治体への完全な委託も想定されている。

讀賣新聞 2007年1月15日

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<教育再生会議>高校で社会奉仕活動を必修化、明記の方針

政府の教育再生会議は14日、今月とりまとめる第1次中間報告に、高校で社会奉仕活動を必修化するよう明記する方針を固めた。安倍晋三首相の自民党総裁選の公約だった。19日に全体会議を開いて決める。学習指導要領に盛り込むかどうかなどの実施への制度作りは、その後さらに議論する。

学校での社会奉仕活動については、森内閣の教育改革国民会議が00年、小中高校で共同生活をしながら行うことなどを提唱した。しかし「憲法が禁じる苦役につながる」との指摘や受け入れ態勢の問題があり、実施は見送られてきた。

ところが、安倍首相は昨年の総裁選で「公の概念が大切」と大学入学の条件にボランティア体験を義務付ける考えを示し、著書「美しい国へ」で「最初は強制でも、若者に機会を与えることに意味がある」と主張。

これをきっかけに社会奉仕活動の導入論が再浮上し、再生会議でも「奉仕の義務化が必要」(池田守男座長代理)などの意見が出て、報告に明記する方向となった。

ただし、具体的に何をするのかは「高校や地域の清掃、校内のトイレ掃除」といった程度の議論しかされていない。既に東京都は07年からの必修化を決めている。

一方、報告には教育委員会や学校を評価する独立行政法人など第三者機関の設置の検討も盛り込む。モデルは英国の教育水準局。サッチャー元首相の教育改革をきっかけに発足した国の機関で、イングランド地方の小中学校すべてを監査し、評定結果を公表している。

昨年発覚した高校の履修単位不足問題で、再生会議で「教育委員会に文部科学省が指導できるようにすべきだ」との意見が出たのがきっかけだ。

このほか、ゆとり教育を見直し公立の小中学校の授業時間数を現在より1割増やすことも明記する。【平元英治、渡辺創】

毎日新聞 2007年1月15日

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「ゆとり教育見直し」明記へ…教育再生会議1次報告

安倍首相が設置した教育再生会議(野依良治座長)は11日、都内で運営委員会を開き、1月中にまとめる第1次報告で、「ゆとり教育の見直し」を明確に打ち出すことで一致した。

昨年末の素案には入れなかったが、委員から反発が出て方針を転換した。また、いじめた児童・生徒に対する出席停止措置の活用について、素案に続いて盛り込むことを確認した。出席停止後の立ち直り支援も併記する考えだ。

この日の運営委には、野依座長、池田守男座長代理、山谷えり子首相補佐官、義家弘介担当室長らが出席した。終了後、義家室長は記者団に「『ゆとり教育の見直し』を盛り込むことは合意した」と述べた。塩崎官房長官も同日、都内での講演で「『ゆとり教育の見直し』は報告に入れる方向と聞いている」と語った。

讀賣新聞 2007年1月11日 23:11

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<教育再生会議>いじめで出席停止明記へ 首相の意向で復活

政府の教育再生会議(野依良治座長)は11日、東京都内で運営委員会を開き、今月下旬に取りまとめる第1次中間報告に、いじめなど反社会的行為を繰り返す児童・生徒への「出席停止」措置を明記する方針で一致した。教育バウチャー(利用券)の導入も今年12月の最終報告に向けた検討課題として盛り込む。いずれも先月21日に公表された素案では急進的改革に慎重な与党に配慮して明記が見送られていたが、政権浮揚のためにも教育改革への取り組み姿勢を強調したい安倍晋三首相の意向で復活した。

出席停止は学校教育法に基づく制度。公立小中学校で他の児童・生徒の教育に妨げがある時、所轄する教育委員会が命じることができる。05年度では全国で43件あった。

規範意識について議論してきた再生会議の第2分科会が「学校の秩序を維持するためには必要だ」と提唱したが、一部委員から「出席停止は教師の責任回避につながる」と反発が出て、素案段階では削除されていた。

再生会議の義家弘介担当室長は、出席停止を明記する方針となったことについて「乱用しないことを示せば、会議で最終的な合意を得られるだろう」と記者団に語った。

教育バウチャー導入は、学校間の競争を促して公教育の質の向上を目指すのが目的。委員の一部には「学校数が限られる地方の実情になじまない」など異論もあったが、安倍首相が昨年9月の自民党総裁選で提唱した目玉政策でもあり、首相官邸の強い意向で盛り込まれることになった。

学力向上を図るため「ゆとり教育の見直し」を明記することも改めて確認した。高校の履修単位不足問題で対応に不手際が目立った教育委員会については、教委を評価する第三者機関の創設などの改革を提唱する。「ダメ教師の排除」を狙った教員免許更新制の導入や社会人教員の大量採用も盛り込む。19日に全体会議を開き、今月下旬の報告取りまとめを目指す。【平元英治、渡辺創】

毎日新聞 2007年1月11日 21:22

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国立大学費 値上げ誘導 文科省 上限額を引き上げ方針

文部科学省は国立大学の授業料と入学料について、「標準額」(授業料で五十三万五千八百円)を当面据え置くかわりに、二〇〇八年度から各大学が決定する学費の上限を、現行の標準額の一割増から二割増へ引き上げる方針を固めました。

政府は〇七年度予算案で国立大学の運営費交付金を百七十一億円削減しました。法人化後三年間の削減総額は三百七十一億円にのぼり、学生・院生一人当たり約五万九千円の削減になります。こうしたなかでの上限引き上げは、各大学の学費値上げを誘導するものです。

国立大学の授業料と入学料は、〇四年度の法人化以後、文科省が定める標準額の一割増を上限に各大学で決定しています。文科省は〇六年度中に省令を改正し、この上限を二割増に引き上げます。授業料の上限は現行の五十八万九千三百八十円から六十四万二千九百六十円に上がることになります。

政府は、一九七五年以降、国立大学の入学料と授業料をほぼ交互に引き上げてきました。財務省は、〇七年度予算案で授業料標準額の値上げを狙っていましたが、国立大学協会や全日本学生自治会総連合など大学関係者の強い反発にあい断念。各国立大学の中期目標期間中(〇九年度まで)は、標準額そのものは現行のまま据え置くことで、文科省と合意しました。

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憲法改正を争点に 安倍首相が年頭会見

安倍晋三首相は四日午前、年頭に当たって官邸で記者会見し、首相在任中に憲法改正の実現を目指す考えを強調、七月に見込まれる参院選で争点にする考えを表明した。参院選については「常に勝利を得るため全力を尽くすという決意で臨みたい」と強調したが、与党が過半数割れした場合の政治責任には言及しなかった。衆院選との同日選の可能性は「現在のところ、全く考えていない」と否定した。

二十五日召集予定の通常国会では、教育改革や社会保険庁改革の関連法案の成立を図る考えを示した。

首相は改憲について「新しい時代にふさわしい憲法をつくるという意思を今こそ明確にしなければならない。わたしの内閣で憲法改正を目指していきたいということは当然、参院選でも訴える」と指摘。

また教育再生を内閣の最重要課題とした上で「改正教育基本法の上に立って、教育再生会議でさらに議論を深め、具体案を責任を持って取りまとめていく」と明言。社会保険庁改革については「六分割し徹底した効率化、合理化を図り国民から信頼される組織に変える」と述べた。

安全保障政策をめぐっては「国際社会で平和に貢献していくために、時代に合った安全保障のための法的な基盤を再構築する必要がある」と指摘。政府の憲法解釈で禁じられている集団的自衛権の行使に関し「個別具体的な類型に即して研究を進める」との考えをあらためて示した。

北朝鮮による拉致問題では「すべての拉致被害者の生還を目指すことに変わりない。粘り強く、圧力をかけながら、機会を得て対話で解決する」と述べた。

このほか少子化対策について「少子化に対抗するため、本格的な戦略を打ち立てていく」と強調。今年を「『美しい国づくり元年』にしたい」と訴えた。

共同通信 2007年1月4日

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再生会議は与党意見に配慮を

与党内では、政府の教育再生会議が、ゆとり教育の見直しを議論していることについて、これまでの教育行政を否定するものだと反発する意見が出ており、第1次報告の取りまとめにあたっては、与党の意見に十分配慮するよう、求めていくことにしています。

学力の向上策などを検討している政府の教育再生会議は、今月、第1次報告を取りまとめることにしていますが、さきの会合では、事務局が示した骨子案に、いわゆる「ゆとり教育」の見直しなどが盛りこまれていないことに、批判が集中し、引き続き調整することになりました。これについて、与党の教育再生に関する検討会では、「ゆとり教育の見直しは、これまでの教育行政を否定するものだ」として、反発する意見が出ているほか、「再生会議の議論は、家庭教育を重視する視点が欠けているのではないか」という批判が出ています。与党の検討会では、教育再生会議の第1次報告は、改正教育基本法の成立を受けて、政府が進めたいとしている教育関連の法整備の内容にも影響を与える重要なものだとしており、取りまとめにあたっては、与党の意見に十分配慮するよう、求めていくことにしています。

NHKニュース 2007年1月3日

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文科省 学力格差の実態調査へ

家庭の環境や通っている学校の教育活動の違いによって、子どもの学力に差が出るかどうかを調べるため、文部科学省は、家庭や学校などによる学力格差について、初めて全国規模の実態調査に乗り出すことになりました。
実態調査は、ことし春までに全国の2つの地域を選んであわせて400人の子どもに予備的な調査を行ったあと、秋をめどに対象を全国規模に広げることにしています。調査では▽親の所得や学歴、職業などを背景とした家庭環境の違いや、▽学力向上策など学校ごとの教育活動の違い、それに▽都市と地方など地域の違いが子どもの学力にどのように影響しているのかテストや保護者の面接調査などを行うことにしています。この結果を踏まえて文部科学省は、来年3月をめどに子どもたちの学力格差を生み出す要因について一定の方向性を示したうえで、学力を底上げするための対策についてさらに検討を進めることにしています。

NHKニュース 2007年1月3日

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教育再生会議 第1次報告へ

政府の教育再生会議は、今月、第1次報告をまとめることにしています。深刻化するいじめ問題や子どもの学力低下に対して、効果的な具体策を打ち出せるかどうか、教育改革を最優先課題に掲げる安倍内閣の手腕が問われることになります。

教育再生会議の事務局がさきにまとめた第1次報告の骨子案では、委員の対立や与党への配慮などから、いじめる側の子どもを出席停止にする制度の活用や、ゆとり教育の見直しといったこれまでの議論の内容が盛り込まれませんでした。これについて、一部の委員が「議論を骨抜きにされた」などと反発しているほか、教育再生を担当する山谷総理大臣補佐官は、今月まとめる教育再生会議の第1次報告では中教審・中央教育審議会などの議論にとらわれず、教育改革の明確なメッセージを発していきたいとしています。こうした中、安倍総理大臣は、先月、小学校を訪問して、教育改革に強い意欲を見せ、教育再生会議に「具体的な目標と検討課題を示してほしい」と求めています。安倍内閣は閣僚の辞任などつまずきが相次ぐ中、教育改革などで実績を重ね、立て直しを図りたいとしているだけに、官邸主導の教育再生会議が効果的な具体策を打ち出せるかどうかは、今後の政権運営にも影響を与えそうです。

NHKニュース 2007年1月2日

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