「改正」後の動き(2006年12月)


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社会人教員、10倍に・政府と与党方針

政府・与党は安倍内閣が重視する教育再生の一環として、公立校の社会人の教員採用を大幅に拡大する方針を固めた。教員免許を持たない社会人の枠を5年後をメドに現在の約10倍の年間500人程度に引き上げるのが目標。英語教育の充実のため外国人講師を正規教員並みに扱う新制度も検討する。多様な教員の確保で授業の質の向上につなげる狙いだ。

政府の教育再生会議(野依良治座長)と与党教育再生検討会(大島理森座長)が調整に入っており、月内に公表する再生会議の一次報告にも盛り込む方向だ。

日本経済新聞 2006年12月31日

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野依良治 教育再生会議座長に聞く

これからの日本にとって大きな課題の一つが人材の育成だ。ノーベル化学賞を受け、安倍晋三首相の私的諮問機関「教育再生会議」の座長として、教育改革にも取り組む野依良治・理化学研究所理事長に日本のあるべき人材育成について聞いた。 (科学部・大島弘義)

――二十一世紀を生きていく上で日本人がまず、身につけるべきことは。

正しい規範と実世界に生きる術(すべ)だ。その上で、立場の違う人々と理解し合い、協力しないと生きていけない。たくましく、しなやかに生きるためには、対話力、国なら外交力が必要だ。両親は子供の私に生きる基本である衣食住について、また公徳心、礼節を教えてくれた。孫を持つような年齢になると、日本人が持ち続けてきたかけがえのない価値観を次世代、次々世代につなげなくては、という思いになっている。

――日本は少子高齢化が進むことに加え、人口が減少する。これからの日本を支える人材とは。

望ましい人材は画一的ではない。多様性が必要だ。人によって能力も価値観もそれぞれ違う。一つの能力だけを見ると当然優劣がつくが、お互い尊重し、うまく交じり合わなくてはならない。異なる能力、機能をもつ人たちが相補的になったとき、初めて社会はよくなる。最近、若い人たちに「尊敬されるか、感謝される人になれ」と言っている。尊敬されるのは大変だが、感謝は努力さえすれば、それなりに得られる。

――そうした人材がつくり出す社会をどう描くか。

僕は競争社会はあまり好きではない。家族は一番小さな社会だが、競争社会ではない。「和を以(も)って貴しと為(な)す」という聖徳太子の言葉があるが、それこそが日本社会の特質。アメリカの競争主義社会はビジネス、スポーツなどにはいいが、すべてに当てはまるものではない。どんな社会も強者と弱者はいるが、それがそのまま勝者と敗者にならぬよう、安定性と信頼感を保てるような社会が理想だ。

――しかし、科学技術は新発見や、できなかったことを可能にする開発など、一番乗りが評価される。自身はその世界に身を置いてきた。

その通り。科学技術はトップがその水準を引き上げる。トップ人材を育てるという意味では、平等主義はよくない。個人能力の差は歴然と出るが、優れた能力を最大限伸ばす社会の風土が不可欠だ。同時に技術開発は協同による総合力が必要。競争と協力は共に必要、両立するはずだ。

――人材育成で大学が果たすべき役割は。

良き社会をつくるために大学がすべてではないという認識を共有しなければならない。その上で、大学はリーダーやそれに準ずる人を教育するところだ。特に科学技術は国際競争力の源。担い手の大学、大学院が力を持った人を送り出さねばならない。中でも大学四年を終えた後の「X(エックス)年」の部分が重要だ。「X」と言ったのは理工、医、経済、法文など分野ごとに期間が異なるという意味。このXで優れた教育研究プログラムをいかにつくるかが国際競争力に直結する。欧米の力の源泉は間違いなくこの「X」だ。現在不十分な日本の大学院は質を保証するよう、抜本的な改革が必要だ。当事者の危機意識に訴えたい。

――仲間の大切さも強調している。

人は自然、社会環境に対峙(たいじ)し、順応しながら生きている。一人では無理、仲間がいる。両親が常に「いい友達をつくれ」と言っていた。友達との関係は、自分の存在に肯定感を与える。今の自分があるのはすべて先生と友達のおかげと言ってもいい。三十歳のころ米国で研究生活を送った。その時の各国の仲間との信頼関係がその後、国際会議の開催や、共著、学生の交換、そして研究の評価にもつながった。当時、日本は欧米に比べかなり貧しかったが、分け隔てなくつき合ってくれて感謝している。時代は変わったが、若い人には成長が約束されるアジアの青少年と個人的な交友関係を今から培っておいてほしい。

――教育再生会議の座長に就き、教育に対する考え方は変わったか。

変わった。現在のさまざまな教育問題は「社会総掛かり」で取り組まないといけない。日本は学校教育偏重だが、学校は主として数学とか理科のような「形式知」を教える場所だ。しかし、文化に根ざす「暗黙知」も同じくらい大事。学校が教えられることは限られているし、人は学校だけで育つのではない。家族はもちろん、地域、産業経済界、マスメディアもかかわるテーマだ。これまで自分たちに非教育的、反教育的な活動はなかったか、それぞれが反省しなくてはならないと、そんな思いを強くしている。

のより・りょうじ 理化学研究所理事長、名古屋大学特別教授。京都大学工学部卒。1972年から名大教授。2001年ノーベル化学賞受賞。このほかイスラエルのウルフ賞、日本学士院賞、中日文化賞など国内外で多数受賞。昨年10月から教育再生会議の座長を務める。専門は有機化学。兵庫県出身。68歳。

東京新聞 2006年12月31日

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教育振興基本計画 策定作業へ

文部科学省は、改正教育基本法が成立したのを受けて、教育政策の基本方針を示す「教育振興基本計画」の策定作業を来月から始めることにしており、いわゆる「愛国心」やいじめ対策をめぐる目標を、どのように具体的に打ち出すかが焦点となる見通しです。

「教育の憲法」ともいわれる教育基本法は、先の臨時国会で59年ぶりに改正され、「生涯学習の理念」や「家庭教育」といった概念が新たに加わり、「愛国心」をめぐる表現では「わが国と郷土を愛する態度を養う」という文言が盛り込まれました。改正教育基本法には、各条文に掲げられた理念に沿って、今後5年間の基本方針や政策目標を示す「教育振興基本計画」を策定することが定められており、文部科学省は、来月からその作業に着手し、早ければ来年の秋にも策定したいとしています。基本計画の内容は、まず、中教審・中央教育審議会に設けられる専門の検討組織などで検討されることになっており、「愛国心」という抽象的な概念をめぐってどのように具体的な政策目標を打ち出すかや、深刻化するいじめ問題の対策について数値目標などを示すのかどうかが焦点となる見通しです。

NHKニュース 2006年12月30日

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ゆとり教育見直し“復活” 再生会議報告に明記へ

政府の教育再生会議(座長・野依良治理化学研究所理事長)は28日、有識者委員の中核メンバーで構成する運営委員会を都内で開き、来年1月の第1次報告に「ゆとり教育の見直し」を明記する方針で一致した。会合には、下村博文官房副長官も出席した。

再生会議の議論で焦点となっている「ゆとり教育見直し」をめぐっては、21日の再生会議総会で事務局側が提示した「骨子案」で文言が削除されていたことに一部委員が反発。

官邸内でも「ゆとり教育を推進した歴代文部科学相、文相ら与党側に配慮しすぎた。国民へのメッセージ性を高めた方がいい」として文言を復活させる判断に傾いていた。

いじめを苦にした児童・生徒の自殺や高校必修科目の未履修問題の拡大で問題点が指摘された教育委員会制度改革についても、骨子案より踏み込んだ具体的提案を盛り込む方向性を確認した。

共同通信 2006年12月28日

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通知表に「愛国心」評価 薩摩川内市の2小学校 「誤解招く」と来年度削除へ

「愛国心」の評価項目を設けたうちの1校の通知表 薩摩川内市内の公立小学校2校で、通知表に「愛国心」にかかわる評価項目があったことが25日分かった。2校は「誤解を招く表現であり、来年度は削除する方針」としている。

学校や同市教育委員会によると、「愛国心」の評価項目があったのは6年の社会科。「関心、意欲、態度」について1校は「我が国の歴史と政治、国際社会における役割に関心を持ち、歴史と伝統を大切にし国を愛する心情を持とうとする」、もう1校は「我が国の社会的事象に関心を持ち、意欲的に調べ、国を愛する心情と世界の国々の人々と共に生きるという自覚を持とうとする」とし、学期ごとに3段階で評価している。

項目の文言は各学校の裁量。1校は確認できる範囲では2003年度から、もう1校は06年度から項目を設けており、保護者からは異論はなかったという。

学習指導要領は6年の社会科の目標に「我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにする」と規定。両校長は「指導要領にあり問題はないと思うが、愛国心を評価すると受け止められるのであれば見直したい」と話した。

市学校教育課は今後、通知表は保護者に誤解を与えないような表現にするよう各校に呼びかけるという。

通知表の愛国心評価をめぐっては、教育基本法改正案の「愛国心」の評価のあり方が国会で論議され、10を超える都府県で表面化。15日には教育の目標に「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことを掲げた改正教育基本法が成立した。

■評価になじまない

鹿児島大学法科大学院・小栗実教授(憲法)の話 愛国心という内心の問題は通知表の評価項目にはなじまないのではないか。愛国心に関しては改正教育基本法にも盛り込まれた。今後、学校現場や教育行政に、国からの押しつけがないか注意が必要だ。

南日本新聞 2006年12月26日

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中教審委員、教育再生会議との関係で意見 不快感も

中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の委員懇談会が25日、都内で開かれ、安倍首相直属の教育再生会議との関係について意見が相次いだ。中教審が答申済みの事項を再生会議が議論していることへの不快感も飛び出し、中教審と再生会議の微妙な関係が改めて浮き彫りになった。

特に話題となったのは、中教審が今年「10年間をめどに」と答申した教員免許更新制。再生会議では中教審案に「効果が十分か疑問」などと批判が出ているが、角田元良・聖徳大学教授は「問題教員を排除するための免許更新制はとてもかなわないと、既に中教審で出ている」と発言。渡久山長輝・元日教組書記長も「中教審で既に答申し、きちっと審議した問題は尊重をお願いしたい」と語った。

安彦忠彦・早稲田大教授は、再生会議との関係について「ある程度分担があればいいが、既にやってきたことについてさらに何かされると、今後の進め方にもかかわってくる」と指摘した。

中教審と再生会議を兼務する委員のうち、野依良治・再生会議座長は欠席。出席した中嶋嶺雄・国際教養大学長は「再生会議は混乱している印象を与えているが、必ずしもそうでない。むしろ、中教審、文科省に今後色々とお願いしないといけないと感じている」と述べた。

朝日新聞 2006年12月25日 19:39

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「襟を正して信頼回復を」 教育長会議で文科次官

文部科学省は25日、東京都内で都道府県・政令指定市の教育長会議を開いた。いじめや高校必修科目の履修漏れ問題などを受け、結城章夫事務次官は「文科省としても反省すべきを反省し、教委も襟を正して、公教育の信頼を取り戻す努力をしなければならない」と述べた。

履修漏れ問題で、銭谷真美初等中等教育局長は「教育課程の編成・実施についてのチェック態勢」の見直しを表明。学習指導要領の改訂を「来年の大きな課題」とし、中央教育審議会が昨年2月に示した「言葉と体験の重視」「基礎基本の徹底」「十分な授業時間の確保」を課題に議論を進めるとした。

改正教育基本法が22日に公布・施行されたことを踏まえ、田中壮一郎生涯学習政策局長は、教育行政に関する「不当な支配」条項に言及。「『不当な支配』に対しては、毅然(きぜん)とした態度で対処していただきたい」と要請した。

朝日新聞 2006年12月25日

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【主張】教育再生会議 ゆとり教育是正なぜ削る

政府の教育再生会議は来年1月下旬にまとめる第1次報告のたたき台となる骨子案を発表した。授業時間の増加や規律ある教室づくり、不適格教員の排除などが盛り込まれている。

特に、授業時間の増加は喫緊の課題だ。今の子供たちは旧文部省時代から推し進められた「ゆとり教育」により、授業時間を大幅に削減されている。経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査などが示すように、日本の子供たちの学力低下は誰の目にも明らかになっている。

再生会議がこの問題の解決策を示したことは評価されてよい。だが、「ゆとり教育の是正」という文言が入っておらず、不十分さが否めない。

再生会議の事務局には、文部科学省などから幹部が出向してきている。いかに有能な官僚であっても、官僚は自分たちが過去に行った行政の誤りを容易に認めようとはしないものだ。再生会議の中に、こうした過去の教育行政に配慮する雰囲気があるとすれば、それは払拭(ふっしょく)すべきである。

旧文部省は昭和50年代の学習指導要領改訂で教科内容を2〜3割削減し、平成14年度からの指導要領改訂でさらに3割減らした。全体で子供の学習量は半減した。これは、戦後教育行政の重大な誤りといえる。

文科省が誤りを認めないのなら、再生会議が文科省に代わって国の過ちを認めるくらいの強い姿勢で教育改革に取り組んでほしい。そこにこそ、「教育再生」の意義がある。

規律ある教室づくりや不適格教員の排除なども方向性は正しいが、今ひとつ具体性に欠ける。いじめ自殺や未履修問題などで閉鎖性が指摘された教育委員会制度についても、「情報公開を進める」との表現にとどまり、会議に同席した安倍晋三首相は「さらに掘り下げて議論をしなければいけない」と注文を付けた。1月下旬の第1次報告までに肉付けが必要だ。

安倍首相が提唱する親が学校を自由に選択できる「教育バウチャー」制や大学9月入学制とそれまで半年間のボランティア活動なども、今回の骨子案には盛り込まれていない。戦後の教育制度を大きく変えるこれらの課題についても、官邸主導をより徹底させ、思い切った議論を展開してほしい。

産経新聞 2006年12月23日

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改正教育基本法が施行 59年ぶりの全面改正

改正教育基本法が22日、公布、施行された。同日付の官報に掲載された。1947年に制定された教育基本法を59年ぶりに全面改正し、先の臨時国会で成立した。

改正法は前文と18条で構成。2条の「教育の目標」で「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことを掲げたほか、新たに「生涯学習の理念」「家庭教育」などの条項を盛り込んだ。

改正法施行を受け、17条で義務付けた、教育の政策目標を定める「教育振興基本計画」の策定作業に入る。今後5年間の具体的な目標を盛り込む。中教審に諮問し、来年夏ごろの答申、閣議決定を目指す。

共同通信 2006年12月22日

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安倍首相、問題教員への対応指示=中間報告原案に異論続出−再生会議

政府の教育再生会議(野依良治座長)は21日午前、安倍晋三首相も出席し、首相官邸で年内最後の全体会合を開いた。来年1月の中間報告取りまとめに向け、事務局が学力向上やいじめ対策、教員の資質向上などを柱とする原案を提示。首相は(1)すべての子どもに高い水準の学力と規範意識を身に付ける機会提供(2)問題ある教員への対応(3)教育委員会の在り方−などについて、さらに議論を深めるよう指示した。

首相は「教育基本法が改正され、新しい教育再生の理念と原則、礎ができた」と指摘。中間報告について「ある程度の具体的な目標と検討課題を入れてほしい。それを基に、法改正や予算の拡充などで対応していく」と述べた。

同日の会合では、有識者委員から「われわれの提案が削られていくのはおかしい」などといった不満が続出。中間報告の内容については、引き続き調整することとなった。 

時事通信 2006年12月21日

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教育再生会議の第1次報告案に、委員から不満の声相次ぐ

安倍首相直属の「教育再生会議」(野依良治座長)は21日、首相官邸で総会を開き、来年1月に打ち出す第1次報告の原案「社会総がかりで教育再生を」を提示した。学力問題、規範意識など当面の課題に絞ったが、実現可能性を重視し、政府・与党にも配慮したため、項目の羅列など具体性に乏しく、委員からは不満の声が次々に上がった。池田守男座長代理は「メッセージ性をどう打ち出すかという部分はある」と表現ぶりについて再考する考えを示した。

総会では、安倍首相が59年ぶりに教育基本法を改正したことに触れ「新しい教育再生に向けての理念と原則が確立された。礎ができた。まさにこれから教育再生がスタートする」と強調。「すべての子供たちに高い水準の学力と規範意識を身につけさせる機会を提供していく」と語った。

再生会議は来年1月に第1次報告を提言し、08年度予算編成の「骨太の方針」をまとめる前の5月に第2次、年内に第3次報告を打ち出す。

第1次報告の原案の「基本的な考え方」では「世界に開かれた『美しい国、日本』の実現の基本は、次代を背負う子供や若者の育成にある」と安倍カラーを強調。そのためには「国民全体の平均的な資質の向上が不可欠」とうたっている。

学力向上は「教育内容を充実し授業時数を増加する、しかし、詰め込み教育には逆戻りさせない」と銘打った。当初の素案にあった「ゆとり教育の見直し」という言葉は消えている。

いじめ問題では、いじめた子など問題のある子に対する「サポートを伴う出席停止」を掲げたが、「児童に授業を受けさせないという処置は、懲戒の方法として許されない」とした1948年の法務庁見解などの見直しには触れていない。

また、教員の多様化をはかるため、社会人の中途採用、優れた研究者、大学院修了者と並んで、芸術家やスポーツ選手などの採用を提唱。副校長や主幹の新設も提言している。

教育委員会については「情報公開」「教委が学校を支援するプロジェクトチーム」に取り組むとしているだけで、国や首長との権限の分担などは「今後の検討課題」として先送り。不適格教員の排除についても具体策は記されていない。

朝日新聞 2006年12月21日 13:26

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首相、改憲明言 国民投票法案、来年成立を

安倍晋三首相は19日夜、首相官邸で記者会見し、憲法改正について「歴史的な大作業だが、私の在任中に何とか成し遂げたい」と明言した。改正手続きを定める国民投票法案に関しては、来年の通常国会で成立を目指す考えを示した。

首相が憲法改正の政治日程についてこうした言い回しで明確に言及したのは初めて。自民党総裁任期は1期3年で3年以内の改正が日程的に難しいとされることから、2期6年の長期政権を意識した発言とみられる。

また、首相は自民党憲法草案の第2次案作成について「野党とも成案を得るべく努力していきたいと思っているので、考えていない」と明言した。

政府の憲法解釈で行使を禁じている集団的自衛権については「憲法との関係、解釈をどう整理していくべきか、何が禁止されているのか研究するべきだといってきた」と述べ、政府部内ですでに研究を進めていることを表明。その上で、「私が責任を持って最終的な判断をしなければならない」と述べた。具体的な集団的自衛権の行使に関する類型については「まだ示す段階ではない」と明言を避けた。

首相はまた、19日に閉会した今国会で改正教育基本法が成立したのを受け、「改正教育基本法をスタートラインに教育再生に取り組みたい」と意欲を表明。関連法の改正や予算措置を行っていく考えを示した。

改革後退との批判もあった道路特定財源の一般財源化に関しては「大改革になった」と成果を強調。さらに、「基本的には根っこから一般財源化する」とし、平成20年以降に法改正を通じ、揮発油税の一般財源化に切り込む考えを示した。

産経新聞 12月20日 8:00

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改正教基法22日施行見込み 政府、公布を閣議決定

政府は19日午前の閣議で、15日に成立した改正教育基本法の公布を決定した。官報への掲載をもって公布とするが、通例掲載は公布決定の3日後のため22日となる見込み。公布の日から施行される。

改正教基法は前文と18条で構成。1947年の制定以来、59年ぶりに初めて全面改正された。「公共の精神」の重要性を強調し、教育の目標に「国と郷土を愛する態度を養う」ことなどを掲げるなど、現行法と比べ、「公」重視を打ち出した。

新たに「生涯学習の理念」「家庭教育」などの条項を盛り込んだほか、政府は教育の政策目標となる教育振興基本計画を定め、国会に報告、公表すると規定した。

共同通信 2006年12月19日

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