教科書改善の会 発足 「育鵬社」の発行支援へ
新しい中学校の教科書づくりを目指す「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」(教科書改善の会)が24日発足し、東京都内のホテルで会見を開いた。同会は次の教科書検定(実施時期は未定)に向け、扶桑社が設立する子会社「育鵬社」の教科書編集・発行を支援することを明らかにした。
会見には、代表世話人の政治評論家、屋山太郎氏や、歴史教科書を担当する伊藤隆・東大名誉教授、公民教科書を担当する川上和久・明治学院大教授、事務局を担当する八木秀次・高崎経済大教授が出席した。
今年5月、扶桑社が「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)執筆の教科書の継続発行を拒否したことが明らかになり、つくる会が事実上の分裂状態にあることも判明。同会元会長の八木教授らは扶桑社と新教科書の発行を目指していた。改善の会の基本方針では、「従軍慰安婦は記述しない」「尖閣諸島、竹島などは我が国固有の領土であることを明記する」など個別論点も掲げた。
八木教授はこの日、つくる会が執筆した歴史・公民教科書との違いについて、「中身自体は大きな変化はないかもしれない」とし、「専門家と現場教員を中心に執筆してもらうことで、広く教育界に受け入れられる教科書にしたい」と新組織発足の理由を説明した。【高山純二】
毎日新聞 2007年7月25日
教科書改善の会 出版社を支援へ 有識者114人賛同
昨年12月に改正された教育基本法にそった教科書づくりを行おうと、保守系の大学教授やジャーナリストら114人が賛同して24日、「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」(教科書改善の会)が発足した。次回検定で扶桑社の子会社が発行する中学歴史・公民教科書の編集を支援するとともに、教科書改善に向けたネットワークの構築を目指すとしている。
同会の代表世話人には政治評論家の屋山太郎氏が就任したほか、三浦朱門元文化庁長官や渡部昇一上智大名誉教授、中西輝政京大教授、小田村四郎前元拓殖大総長らが世話人に名を連ねた。
改正教育基本法に盛り込まれた「公共の精神」の尊重や「国を愛する態度」の育成を教科書に反映させるため、扶桑社側に執筆者を推薦したり編集方針について助言したりするという。
屋山氏は「分かりやすく、読んで楽しい教科書をつくりたい」と話している。
産経新聞 2007年7月25日
教育改革、改革の具体策を速やかに/ 塩川 正十郎
教育基本法がやっとのことで成立し法文化された。マスコミ等で発表されている所謂、有識者の批判によれば、今回の基本法の内容が抽象的であるとか、愛国心を強制するなど、公の支配を重視し過ぎているので戦争への歩み始めと考えられ危険なところもある等、いつもの不満と抵抗を述べている。だがやっと敗戦のショックも払拭され、現在の時代認識を反映した理念を織り込んだ一歩前進した教育基本法であることは確実である。今後この精神を受けて教育の行政や学校教育の改革、国と地方との役割分担等、詳細が決定されてくるであろうが、如何に改革するのかその具体策を速やかに知らせてほしい。
特に第二章第五条の義務教育。第六条の学校教育。及び第九条の教員に関する事項等は改革の目玉となるところであるから、新しく制定する法律内容を知らせてほしい。又、第十七条に明記してある教育振興基本計画等について、如何なるセクションが原案を書くのか、その次第によって基本法の精神の生死に大いに影響するので、原案の論議の内容と審議経過について公表してほしい。
占領軍が作った旧・教育基本法、日本人の精神をも解体
昭和二十二年に制定された教育基本法は、正に占領軍の指示によって憲法の条文を基本法として型式的に書換えたものである。従ってドタバタの現場で拙速に走り精神的内容が書かれていない。
二十一年新憲法が公布され、占領軍はこれで日本は解体的改革が出来ると思っていた。しかし乍(なが)ら、やや時が経つのとともに憲法改正だけでは日本人のアイデンティティや日本人の道徳観、倫理観を改変させられないことがわかってきた。そこで日本解体の基本は教育を変えることから始めなければならぬと結論され、そのためには、バックボーンとなっている明治二十三年公布の教育勅語を抹消することであるとして占領軍が日本政府に強要した。ところが「勅語」であるから法律改正の手続きは取れないので、国会の決議で教育勅語の撤廃を決議し、その代替として新たに教育基本法を制定した。新憲法の基本理念である個人の尊厳と、個性尊重、自由平等の原則及び平和の重要性を教えるための基本法を制定してお茶を濁した。それが昭和二十二年制定の基本法で、爾来六十年間この法律のもとで子女の教育をしてきた。
団塊時代からそのジュニアへと、成人はすべて個人主義、利己主義にこり固まった人格が形成されてきた。感謝の気持や道徳心を失い、砂漠のような世の中に今日の児童虐待、耐震偽装建築、必修科目の未履修等すべて自己の欲望と目標を達成するためにする個人の尊厳でのわがままになっている。自由の保障が放任になってしまった。
六十年ぶりの改正、「新しい日本人を創り直そう」
旧法の前文は「世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示し、個人の尊厳を重んじ真理と平和を希求する人間の育成を期す」となっている。これに対し、今回の基本法前文は「個人の尊厳を重んじ真理と正義を希求し、公共の精神を尊び豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し新しい文化の創造を目指す教育を推進する」と基本理念を述べている。教育理念と目標の大きな相異である。
六十年ぶりの改正であり、日本人の魂の一部が蘇生した教育方針である。これによって新しい日本人を創り直そうではありませんか。何時までも終戦呆けを引きずることからめざめ、占領軍が目指した日本解体の教育を踏襲する悲劇から脱却しようではありませんか。
YAhoo! セカンドライフ 2006年12月27日
教育再生会議、委員人選に疑問=八木氏
安倍晋三首相のブレーンとされる八木秀次・高崎経済大教授が理事長を務める民間団体「日本教育再生機構」が22日発足し、都内でタウンミーティングを開催した。八木氏はこの中で、政府の教育再生会議のメンバーの人選について「これで果たして教育改革ができるのか不安に思う方も多く含まれている」と述べ、疑問を呈した。
終了後、八木氏は記者団に対し、「(教育再生会議は)中央教育審議会の委員など文部科学省の政策に乗った人がかなりの人数を占めている。官邸主導で教育再生が行えるのか、若干不安だ」と指摘した。(了)
時事通信 2006年10月23日
ゆとり教育の見直しを 「教育再生」で民間公聴会
安倍晋三首相の掲げる教育改革を後押ししようと、有識者らによる民間公聴会の「教育再生民間タウンミーティング」が都内で初めて開かれ、政府の「教育再生会議」でゆとり教育の見直しや、日本の伝統文化や道徳を重視した教育の充実を取り上げるよう求めることで一致した。
八木秀次高崎経済大教授が理事長を務める「日本教育再生機構」が主催した。
パネルディスカッションで八木氏は「文科省や教職員組合などが『抵抗勢力』となり、官邸が孤立しないよう支えたい」とした上で「ゆとり教育のために公教育だけでは十分な学力がつかず、経済格差が教育格差につながっている」と現在の教育の問題点を指摘した。
ジャーナリストの桜井よしこ氏は「学力充実とともに、日本人としての心の育成や先人たちの歴史を教えることが重要」と提言した。
会合には約600人が参加。一般参加者の意見表明で、ある主婦は「公立学校では教えるべきことが教えられていないが、私学に通わせるには経済的に負担」と訴えた。
共同通信 2006年10月23日
日本青年会議所「近現代史教育プログラム」
日本青年会議所の保守的、国家主義的性格はよく知られているが、それを象徴する教育プログラム。「誇り〜伝えようこの日本のあゆみ〜」と題されたプログラムは、「つくる会教科書」を展開したものといってよい。「愛国心」教育の具体例。
「愛国心教育」がいかに歴史をゆがめるものか、情緒的な教育になるのか、歴史科学が道徳・教化に転化することがわかる。教育基本法の精神を否定する内容・
そして青年会議所はこの資料を全国の学校に送付することを考えているのであろう。そしてその活用を求めるのであろう。これは教育に対する不当な支配に該当する。
二重の意味で教育基本法違反である。
学校設置会社連盟「教育バウチャー制度の提言書」
学校設置会社連盟は「学校設置会社(構造改革特別区域法第12条第2項又は将来においてその他の一般法令により、学校教育法第1条に定める学校を設置することを許された株式会社をいう。)が、会員相互の協力によって、次世代を担う人材を育成するための学校教育、研究及び学校経営の在り方を探求かつ実践し、学校設置会社全般の発展を図り、もって地域社会・地域産業の活性化及び我が国の国際競争力の維持・向上に寄与することを目的とする」もの。官房副長官になった下村博文議員が顧問をしている。
提言の目的は、現行では私学補助金がもらえない株式会社立学校に「教育バウチャー」をとおして公金を投入しようとするもの。バウチャーには現状の支出総額の80〜90%を用いるとしており、バウチャーが公的支出削減の手段であることを明確に示している。
競争と選択とは弱肉強食の教育を実現することであることが明確に。
新潟、長岡に「日本会議」キャラバン隊 教育基本法改正訴え
誇りある国づくりを目指す国民運動ネットワーク「日本会議」(会長=三好達・元最高裁長官)の全国キャラバン隊が31日、新潟市と長岡市を訪れ、「子供たちの愛国心をはぐくむため、教育基本法の改正が必要」などと訴えた。キャラバン隊は1日午後6時半から、上越市の市民プラザでも集会を開く。
この日は、日本会議の会員拡大部長、猫西宗明氏を隊長とするキャラバン隊のメンバー4人が県内入り。午後1時から、新潟市の護国神社で開かれた日本会議新潟県本部の会合に出席。教育基本法の改正や男系天皇の維持、国民の靖国神社参拝を訴えた。
会合では、県本部の滝沢宇平副議長が「最近の日本は国を愛する意識が薄くなっている。国民が祖国をしっかりと認識できるように、われわれが先頭に立って活動したい」とあいさつ。3月7日に東京・日本武道館で開催された「皇室の伝統を守る1万人大会」のビデオが上映された。
その後、猫西隊長が講演。現行の教育基本法を「事実上、占領軍がつくったようなもの。これによって日本が弱体化し、戦後教育がゆがめられた」と批判。そのうえで、「今こそ日本人の手で新しい教育をつくり直すべき」と強調した。また、政府が通常国会に提出した教育基本法改正案に「愛国心」や「宗教的情操の涵養(かんよう)」の文言を明記するよう求めた。
皇室典範改正議論にも触れ、「女系天皇は、2600年以上続いている万世一系を否定することになり、認められない」とした。
首相の靖国神社参拝には賛同する一方、「『参拝しないなら首脳会談を開く』などとする中国の言い分は明確な内政干渉。許すべきでない」と語気を強めた。
一行はこの後、日本会議の支部が設置される予定の長岡市を訪問。午後6時から青善会館で開いた結成準備委員会に出席。年内に長岡支部立ち上げを目指すことを確認した。
産経新聞 2006年9月1日