参議院選挙公約2007 9条と年金を壊す安倍内閣に審判を!!
未来への投資 教育
1.教育に対する公費支出を対GDP比6%水準に引き上げます。20人学級と教職員の定数増で一人一人を大切にした教育を実現します。
2.就学援助制度や奨学金・育英制度を拡充して教育の機会均等をすすめます。高等教育の無償化を目指します。私学助成を拡充し、公私間の学費の格差を縮小させます。
3.スクールソーシャルワーカーを各校に配置し、教育と福祉の結合を図りながら子どもたちを的確にサポートします。
4.「こども基金」を設け、若者が高等教育を受けたり、事業を立ち上げたりすることができるような資金の貸与や、積み立て支援金を検討します。
5.雇用保険料の積立金を活用し、就職氷河期の若者の能力開発や資格取得に対する国の支援を充実します。職場での悩み、求職、職業訓練をはじめ、教育・暮らしなどを含めた総合相談窓口を設置し、専門員によるコンサルティングを含め、きめ細かな対応を行います。
主張 教育3法成立 教育の機会均等の破壊を許さない
教育関連3法案が20日、成立した。今後の動向で注目されるのが、「文部科学大臣の定めるところにより」行なうとする学校評価のあり方だろう。教育再生会議が、第三者による学校外部評価・監察導入、その基準としての全国学力テストの結果公表、学校選択制の全面化、予算の傾斜配分などを主張しているからだ。
再生会議がモデルとしている評価機関は英教育水準局だ。ところで、04年のOECDのPISA(学習到達度評価)で「学力世界一」に踊り出、一躍注目されたフィンランドにも教育評価機関「国家教育委員会」がある。しかし、そのあり方には大きな違いがある。
フィンランドの国家教育委は学校監察をしない。そもそも国による査察制度廃止を受けて設置された機関なのだ。フィンランドにも学テはあるが、教育の機会均等保障のみを目的とし、サンプル調査であって悉皆(しっかい)調査ではなく、データ公表もない。国教委の評価は予算配分にも影響せず、いわゆる第三者評価的な強い性格を持たない。評価は自己評価が主。義務教育段階で選択制もない。
対照的に英国の教育水準局は、安倍首相が著書で礼賛したように、学校理事会の機能停止や閉校処分につながる強力な監察を行なう。公表される学テ結果を利用した外部評価を行ない、学校選択制を支えている。
教育への統制強化と自由化路線という安倍教育改革の「二面性」は、競争主義教育と学校選別という方向性において収れんしている。このことは、英国の教育を見るとよく理解できる。
4月に強行された全国学テをめぐって起きている事態も、日本が英国の後を追っていることを如実に示した。英国での学校監察は、実は民間企業に委託されているからだ。日本の学テ採点業務も民間委託されているが、実際には「スポット派遣」の労働者を使うという形で事実上、派遣会社に再委託されているため、正誤基準の不統一などの混乱が生じているという。利権化と底辺労働を伴う無責任な民間丸投げという点で、介護保険をめぐる不正、あるいは社保庁のデータ入力作業を見ているようではないか。新自由主義的教育を新自由主義的労働が支えているという具体的現実こそ、教育の機会均等破壊という安倍教育改革の本質をよく表していると言えそうだ。
再生と称して公教育をゆがめる改悪教育基本法の具体化に対し、監視と抵抗を弱めるわけにはいかない。
社会新報 2007年6月27日
憲法記念日にあたって 社会民主党
本日は、1947年5月3日に日本国憲法が施行されてから60周年にあたります。主権在民、平和主義、基本的人権の尊重を掲げた日本国憲法は、この60年間、国民生活の向上のために大きな役割を果たしてきました。また、この憲法はわが国が平和国家として歩むことを定めた国際的な公約であり、他の諸国とりわけアジア近隣諸国の人々から信頼をかちとるための支柱でもありました。
社民党は、憲法の掲げた目標をさらに具体化し豊富なものとしていくことを、憲法記念日に当たって誓うものです。
今日の憲法をとりまく状況は、危ういものがあります。憲法改悪のための重大なステップである国民投票法が、4月12日に衆議院の憲法調査特別委員会で強行採決され、翌日には衆議院を通過しました。教育基本法の改悪や集団的自衛権行使の検討など、これら一連の動きは、安倍内閣が戦後体制を否定して、一昨年自民党が発表した新憲法草案の内容に基づいて日本を根底から作り変えようする意図を、顕著に示しています。
国民投票法は参議院で審議に入っていますが、国権の最高機関に集う国会議員たるものが、徹底的に審議すべき重要な事柄を、安倍内閣の意向を汲んで、審議を切り縮めていこうとすることに、社民党は強い危惧を覚えます。基本法である憲法を変えることは、私たちの生活のあらゆる面に甚大な影響を与えます。憲法尊重擁護の義務を定めた99条の規定を踏みにじることは、決して許されません。
しかし一方では、ここまで執拗に改憲の必要性を煽り立てるキャンペーンが続いているにもかかわらず、憲法を変えるべきではないとする人、とくに憲法9条を変えることに反対する人が増加しているという世論調査が発表されています。これは、改憲一般という漠然としたことではなく、平和憲法の根幹を捨ててしまおうという狙いが分かってきたことにより、人々が日本国憲法の貴重な価値を再認識しはじめた結果です。このまま流されていけば、日本はどこに行くのかという不安が募っています。私たちの生命と暮らしが憲法によって支えられ守られているという、これまで当然のこととしてあった前提を、絶対に譲ってはならないと考える人が増えています。
社民党は多くの人の思いを受けとめ、平和で豊かな日本を次の世代にも確実に引き継ぎ、他の諸国民とも更に良好な関係を築き上げていくために奮起することを、60年という節目の年にあたり宣言します。
以上
2007年5月3日
「いじめ」を生み出す教育格差社会を問う
教育再生特別委員会での質疑が終わった。やってみると、なかなか難しいものだ。エキサイトした議論にはせずに、わりと淡々とした質疑となった。その分、準備していた論点は示すことが出来た。安倍政権が教育基本法「改正」の議論の最中に起きてきた「いじめ」「未履修」問題を奇貨として「だから地方教育行政に国の関与が必要なんだ」と教育3法を提出してきたことに対して、1999年以降8年間「いじめゼロ」という虚偽報告を続けてきたことを浮き彫りにして、「文科省の責任」を問うことに第一のポイントを置いた。
さらに、教育格差社会の解消が政策的に最優先されなければならないだろうとお茶の水女子大学の耳塚寛明教授の「学力格差とペアレントクラシーの問題」調査結果を下に、経済格差によって教育格差が再生産されていることを指摘し、底上げをはかる政策が最優先ではないかと指摘した。調査結果は昨年発表され話題を呼んだのですでに知られているが、私としては議論の基準を示したつもりだ。さらに、「沖縄戦における集団自決」についての安倍総理の見解を問うた。午後一番で菅直人氏の挑発に乗って「切れた」状態のままで、一言も沖縄戦への見解を述べなかったことを受けて、以前から文部科学委員会で追及してきたテーマだけあって、どうしても触れておきたかったからだ。また文部科学省自体が旧日本軍隊長の起こした訴訟を「冤罪訴訟」と呼んでいることを「不適切だった」と修正させた。質疑をしていて、安倍総理は「後背の歴史家の判断に委ねたい」とズルズルと後ろ向きになり、この問題についての本音は別のところにあると感じた。
委員会の最中も、東京町田市で拳銃を持った男が立てこもり事件が起こしたり、世情は荒廃している。「教育」をめぐる議論を深化させるべく来週以降も論戦を続ける。(今後の予定→月曜日朝9時〜12時
水曜日 木曜日午前中・参考人質疑)
保坂展人のどこどこ日記 2007年4月20日
2.国会の状況について
いずれも、与党は統一自治体選挙の最中であるにもかかわらず、国民投票法案、米軍基地再編法案、教育三法などの審議を強引にすすめようとしている。暴走内閣、暴走国会と位置づけることができる。
国民投票法案、米軍基地再編法案は今日にも押し通そうかという状況だ。
教育三法については、文部科学委員会という常任委員会があるにもかかわらず、与党は、毎日審議をするために特別委員会を作ろうとしている。教育は国家百年の計であるにもかかわらず、教育基本法を変えたら一瀉千里というところだ。野党は、特別委ができたしとても委員の名簿は提出しない。
これらは、安倍内閣の不支持が支持を上回ったために、何とか実績を作りたいということであり、月末の訪米に向けての手みやげにしたためだろう。
安倍総理と与党の強引なやり方をチェックするのが、野党の役目だ。しかし、そのことはそっちのけで、国民投票法の修正協議に走るとすれば、暴走内閣、暴走国会の手助けをすることになるのではないか。国民新党も、民主党の対応には不快感を持ち、抗議している。民主党はふらふらしないで、大局を見てほしい。重要な局面にさしかかっており、参院選の候補者調整や無所属統一候補の選定にも、ひびが入って、参院選にも影響が出てくるだろう。現場で批判が起きてくるし、与野党逆転でがんばっていることに対して、水を差すことになる。
2007年4月12日
社会民主党党首
福島みずほ
1.
本日、第165臨時国会が閉幕した。今臨時国会は、後世の歴史に残る日本の分水嶺のような国会であったといって過言ではない。弱い者に激痛を強いる小泉「改革」を継承・加速させるとともに、「戦後レジームからの脱却」を掲げ、「愛国心」を盛り込んだ教育基本法改悪や憲法9条改悪、憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認などを主張し、戦争の加害の反省と尊く痛ましい被害の経験の上に立って手にした平和憲法と教育基本法を葬り去ろうとしている安倍新首相に対し、社民党はその危険な性格を浮き彫りにするとともに、「四大悪法」の成立阻止を目指して粉骨砕身・全力で闘った。
2.
4日間延長された第165臨時国会は、元々9月26日から12月15日までの81日間の会期だった。与党は教育基本法・防衛庁省昇格法案を成立させるべく、最終日になって4日間の会期延長を数の力で強行した。社民党は、[1]憲法・国会法で会期延長は厳に戒められている、[2]延長するなら全会一致で行うべきで与党単独の会期延長は数の力の暴挙、[3]教育基本法・防衛庁省昇格法案の成立のための延長は理由なし、[4]延長4日間の合理的説明がない、[5]延長するならタウンミーティング問題や閣僚の問題発言・不祥事追及の時間を保証することを約束せよ等と主張し、延長に反対した。そして衆議院では、野党が共同して安倍内閣不信任決議案と麻生外務大臣不信任決議案を、参議院では、社民・共産で安倍内閣問責決議案を、野党が共同して伊吹文科大臣問責決議案をそれぞれ提出して最後まで闘った。残念ながら数の力の前に押し切られたが、会期内成立を防ぐところまで追い込むことができたのは、社民党と広範な市民の結集の力によるものであることを確認したい。
3.
日本国憲法と双子のきょうだいともいわれ、「教育の憲法」としての地位を確立してきた教育基本法が衆参共に与党の強行採決で改悪させられた。教育に関する基本法を非民主的手法で押し通そうとする政府・与党に、教育を語る資格はない。しかも、いじめや自殺、未履修問題など、教育現場や子どもの状況についての重大な問題も脇におかれ、政府主催のタウンミーティングにおけるやらせ発言や政府関係者の動員問題に加え、不適切な費用が支出されたことについて、「民意の偽装」に係わる疑惑の実態解明も不十分なままの採決は断じて許されない。
4.
防衛庁を防衛省に昇格させることは、自衛隊を事実上、軍隊に格上げしようという憲法改悪の先取りにつながる。米軍と共に「戦える自衛隊」に向けた組織再編の本格化を目指し、新防衛大綱の具体化を着実に進めるものであり、民主党の賛成で成立が図られたことは残念である。外務大臣、防衛庁長官、与党幹部から、非核三原則を否定する発言や日本が核武装を検討するかのようにもとれる発言が続いている。安倍総理や塩崎官房長官も集団的自衛権をなし崩しで容認するかのような発言を行っている。こうした状況下で、防衛庁を省に昇格させようとすることは、日本の外交・防衛政策について誤ったメッセージをアジア、世界に送り、地域の緊張を高めることにつながる。
5.
内心・思想・表現の自由を侵害し、近代刑法の大原則を破壊する共謀罪については、社民党の献身的な取り組みで多くの問題が山積していることが明らかになり、何度も採決の危機を食い止めてきた。与党側の執拗な審議入りの構えに対して、法案の数多くの問題点をアピールするとともに、野党共闘の結束を強め、審議入りを阻止することができた。まだまだ予断は許されない。法案の問題点、政府のまやかしを徹底的に暴露し、廃案に向けた取り組みをさらに強化していく。
6.
憲法改正国民投票法案は、修正協議のアリバイ作りとも言うべき異例の小委員会が設置されて審議が行われた。社民党の指摘によって、憲法審査会の危険性や憲法国民投票運動規制の問題点、テレビCMや解説における公平性の確保など、さまざまな課題があることが露呈し、提案者自ら「欠陥法案」だと認めざるを得ないところまで追い込むことができた。残念なのは、それを奇貨として自公と民主の間の修正協議が進んでいるが、このような動きは論外である。最低投票率など、未だ議論すべき点は多々ある。社民党は、あらゆる観点から問題点を指摘し、改憲に向けたステップとしての国民投票法案を廃案に追い込むべく、国会の内外で奮闘する。
7.
11月1日に期限を迎えたテロ特措法が延長された。「自衛隊の海外派遣ありき」の姿勢に立ちったものであって、その延長は、自衛隊の海外派遣を恒常化しようという危険な意図を感じざるを得ない。給油等の後方支援と言いながら、米軍などの軍事活動と一体化する懸念を払拭できないものであり、海上自衛艦をインド洋から速やかに撤退させることを求める。また、イラク特措法の基本計画も延長された。緊迫した地域に米軍の兵員や関連物資を移送することによって、戦闘に巻き込まれる危険性が増している。イラクは内戦状態だがバグダッド空港は非戦闘地域などという妄言を許すことはできない。社民党は、憲法上からも自衛隊のイラク派遣には一貫して反対してきたが、イラク問題について徹底的に検証するとともに、航空自衛隊の即時撤退を求めていく。
8.
松岡農相らの政治とカネを巡る不祥事が発覚し、また法人税を払っていない銀行からの政治献金復活の動きが伝えられる中、外資企業からの献金規制を緩和する政治資金規正法等改正案が与党と民主党などの賛成で成立した。今回の外資規制の緩和は、国民の求めているカネのかからない清潔な政治の実現に背を向け、情報公開に逆行するものであり、大変問題の多い法案と言わざるを得ない。
9.
金利引き下げまで3年を要するものの、出資法上限金利を20%に引き下げ、みなし弁済規定を撤廃する道筋をつけ、あわせて貸金業の過剰与信や過酷な取り立て等に対する包括的な規制強化を打ち出す画期的な貸金業規制法等改正案が成立した。日弁連や中央労福協などの運動の高揚の成果である。また、非営利・低利で融資活動している市民バンクが存続できるよう見直しを行うとの答弁・附帯決議も得られ、3年後の見直しについても、「上限金利引き下げ・みなし弁済規定撤廃といった法律の根幹部分は見直さない」との大臣答弁を得て、一定の歯止めをかけることができた。今後とも多重債務社会からの脱却に向けた取り組みを強化する。
10.
障がい者の施設や居宅支援の利用に応益(定率1割)負担制度が導入された障害者自立支援法は、施設退所、作業所への通所断念、ホームヘルプサービス利用の制限などの形で、障がい者の生活を直撃し、生活破壊を引き起こしている。また、障がい者施設は、報酬単価の引き下げや日払い化によって、運営の継続が困難な状況に追い込まれている。さらに、10月からは、新サービス体系への移行、新たな障がい程度区分に基づく支給決定などが始まり、障がい者、家族、事業所への影響は、さらに深刻さを増している。社民党は、障がい者団体の皆さんとともに自立支援法の問題点を追及してきた。その結果、与党も非を認めざるを得なくなり、補正予算において、低所得者に対する自己負担軽減措置の追加や、障がい者施設への補助の増額など、自己負担を一時的に軽減する措置を導入する方針を決めるに至った。しかしまだまだ不十分であり、社民党は障害者自立支援法自体を見直すよう強く求めていく。
11.
今国会、与党の数の暴力によって、いくつかの悪法の成立を許してしまったのは大変残念である。とはいえ如何に悪法を食い止めるかの観点で政府を立ち往生させ、審議ストップに追い込むべくここまで国会闘争を組むことができたのは、社民党が野党共闘の連帯の核となって奮闘したからである。毎週の野党国対での積極的な問題提起や幹事長会談、党首会談での時宜を得た提案、そして委員会の現場での社民党委員の奮闘が野党第一党を督励し、国会闘争を常にリードしたといっても過言ではない。
12.
2007年は、激変にとらわれず、自らの信念と意志を持って状況を的確に見極め、猪のエネルギーを一気に爆発させれば、大きな飛躍となる年である。次期通常国会は、安倍内閣初の税制「改正」と予算案に加え、労働法制改悪案、社会保険庁問題、年金一元化問題など重要法案が山積している。継続となっている国民投票法案、共謀罪法案もいよいよ正念場の攻防が予想される。統一自治体選挙、参議院選挙を控え、まさに与野党激突の国会となる。社民党は、社会民主主義の旗を高く掲げ、党の主張を鮮明にするとともに、野党の連携・共闘を一層強化し、労働組合や市民運動との院内外の広範な共闘を進め、安倍内閣の悪政にストップをかけていく。そして「亥年現象」の参院選を勝利で飾るべく全力を挙げる決意である。
以上
2006年12月19日
又市征治幹事長の記者会見(12月7日)要旨
1.国会の状況について
国会は終盤に入り、あと7日の審議を残すだけとなった。教育基本法と防衛庁省昇格の法案は、参議院で山場に入っている。12月3日の日曜討論で参議院の幹事長が集まった。教育は国家百年の計であり教育の憲法というべきものを、与党だけで採決するのは無理がある。衆議院では審議をうち切って採決をした。参議院では、徹底的に審議すべきだ。教育をめぐっては、タウンミーティングのやらせや偽装があり、未履修、いじめ、自殺といろいろな問題がある。じっきり議論をすべきことで、今国会で教育基本法改悪案をあげることは、許されない。
来週はじめに、民主党の鳩山幹事長、国民新党の亀井幹事長と会うことになっている。共産党にも話して、野党4党の意思を確認し、政府に申し入れたい。世論が分岐しているなかで、与党のみで強行採決させてはならない。
与党内では、教育基本法について70回も議論したというが、議事録さえ出ていない密室協議である。議事録を出すべきである。
防衛庁省昇格の法案は、野党幹事長会談で今国会は採決させないとした。しかし民主党が変わってしまった。参議院でも、3日間だけ審議してこれで採決しようとするのか。
省に格上げして軍隊にし、海外派遣をする。戦前への反省はない。麻生外相の罷免要求をどうするのか。このままでは、野党としての役割がない。来週の3党幹事長会談でも、これをとりあげたい。
2.安倍内閣の支持率低下について
各種の調査や報道を見ると、安倍内閣の支持率が急速に下がっている。本日の東京新聞では、48.6%になっている。
自民党の復党問題によると言われているが、それだけではない。教育基本法や防衛庁省昇格についての国民世論が反映している。「美しい国へ」というが、こんなに教育で問題があり、格差問題もあいまいにして弱い者いじめをしている。そして、軍事で危険な方に向かっている。ご祝儀相場であったものが、支持率5割を切っている。国民からの批判が出てきているということである。
3.石原都知事の3選出馬について
石原知事の姿勢をみてきたが、3選には反対である。3党幹事長会談でも、野党共闘で都政に立ち向かい、共闘して石原都政を倒したい。5月には、民主党に対して協力してやろうという話をしている。共産党や国民新党はどうされるのか。沖縄方式もありうる。
野党タウンミーティング調査チーム発足へ(リンク)
『野党TM調査チーム(やらせ110番)』
メールアドレス yarase110@mail.goo.ne.jp
FAX 03(3508)3839
座長 荒井聰(民主党) 事務局長 糸川正晃(国民新党)
教育基本法改正、野党共闘で早期実現を阻止・社民党党首
社民党の福島瑞穂党首は23日、那覇市で記者会見し、自民党の安倍晋三新総裁が早期実現を目指す教育基本法改正について「野党の党首会談を呼び掛け、共闘を強め廃案に追い込みたい」と阻止する考えを示した。
改憲手続きを定める国民投票法案については「自民、公明、民主3党で(成立に)突っ走らないよう民主党に働き掛けたい。自民党にも憲法改正すべきでないと考える人もおり(連携を)働き掛けたい」と述べた。
また、11月の沖縄県知事選に関連し「憲法の行方、国政に大きく影響を与える。勝利して、来年の参院選につなげたい」と強調した。
共同通信 2006年9月23日
野党党首会談を呼び掛け/福島氏、臨時国会対応で
社民党の福島瑞穂党首は13日午後、日本記者クラブで記者会見し「臨時国会はすさまじい国会になる。必要ならばぜひ、党首会談をやりたい」と述べ、継続審議となっている与党の教育基本法改正案や、共謀罪創設を柱とする組織犯罪処罰法改正案などを廃案に追い込むため、野党党首会談の開催を呼び掛けた。
民主党代表選で再選が決まった小沢一郎代表に対し「来年の参院選に取り組む熱意については、つめのアカをせんじて飲みたいくらいだ」として、小沢氏の選挙にかける執念に敬意を示した。
ただ「政権交代は絶対に必要だが、政権交代は手段であって目的ではない。何を政策としてやっていくかを十分吟味しないといけない」と指摘した。
共同通信 2006年9月13日
主張 「安倍教育改革」 国家主義強化と同時に格差を拡大
著書「美しい国へ」に表れた安倍晋三氏の思想や政策は、憲法・国家観や外交・防衛政策をはじめとして、今後きちんと検討、批判されなければならない。ここでは政権公約の柱の一つとされる「義務教育の構造改革」について見てみよう。
安倍氏が、「自虐的な偏向教育の是正」などと並んで、義務教育の新自由主義的改革推進を強調していることには注意が必要だ。
安倍氏は、全国学力テストの結果に基づき100以上の低位校を「容赦なく廃校にした」サッチャー教育改革を絶賛しつつ、「全国的な学力調査を実施、その結果を公表するようにするべき」「改善が見られない場合は、教員の入れ替えなどを強制的に行なえるようにすべき」「学力テストには、私学も参加させる。そうすれば、保護者に学校選択の指標を提供できる」との主張を展開し、教員免許更新制度や学校評価制度などの導入に言及している。
さらに注目すべきは、格差が固定化されないためには「低所得者の子弟でも高い水準の教育が受けられるような仕組みが必要」として、「対策の一つとして期待されるのが教育バウチャー制度」と述べていることだ。安倍氏は「それによって保護者はお金のあるなしにかかわらず、わが子を公立にも私立にも行かせることができる」と断言する。だが、本当にそうなのか。
学校選択の全面自由化、全国学テ結果公表、学校評価と併せてバウチャー(利用券)が導入されれば、予算・補助金は評価や利用状況に応じて傾斜配分されることになり、学校の序列化と選別・淘汰(とうた)は無慈悲に進む。他方、今の学費や補助金の一部がバウチャーに換算されたとしても、教育費の自己負担がなくなるわけではないし、むしろ財政難に陥る低評価校では増えることも予想される。その結果起きるのは、公立校制度の事実上の崩壊であり、階層間格差と機会不平等が地域間格差としても拡大再生産されることだ。それはもう始まっている。
これと呼応するかのように自民党の教育基本法「改正」案16条(教育行政)は、地方に「その実情に応じた教育」を求めると同時に、財政措置については「教育が円滑かつ継続的に実施」の枠をはめるだけで、ミニマム保障には触れていない。安倍氏が「人生の各段階で多様な選択肢」を用意すると言うとき、それは格差社会という強いられた選択を自己責任として受け入れよということとほぼ同義だ。
社会新報 2006年9月6日
主張 「シャミンTV」 若い人とのネットワークの窓口に
社民党は、23日からインターネットで動画番組の配信を開始しました。活字離れが進んでいると言われている若者世代に向けて、社民党が“一番近い存在”であることを伝えるためです。そのために、若者や女性にとって身近な問題を番組で取り上げていきます。
現在、配信している番組は[1]「教育基本法」の問題点について、福島みずほ党首と「教育基本法の改悪を止めよう!全国連絡会」共同事務局長の八尋麻子さんの対談[2]医療問題と環境・平和についての福島党首と諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんとの対談があります。鎌田さんとの対談は月刊社会民主に掲載されるので詳しくは月刊をご購読下さい。
さらに、社民党が目指す社会保障優先の社会像として、友党であるヨーロッパの社民主義政党が実現している政策を本紙海外通信員が伝える「ユーロリポート」があります。特に、若者や女性に関係するものから伝えていきます。現在の配信内容は、[1]イタリアの平均的な医学生の年間授業料が約9万円[2]イタリアで、離婚してパートで働き2人の子どもを学校に通わせている女性[3]スウェーデンは国が学生に月に約7万円手当を払っている――というものです。
スウェーデンは特別としても、ヨーロッパでの教育費はイタリアとあまり変わりません。小泉構造改革による国立大学の法人化で、平均的サラリーマン家庭の子どもでさえ、大学教育を受ける機会が奪われていく日本が、いかに国の責任として若者を育てる気がないか、比較できる内容となっています。ヨーロッパでは政府の指導もあって、子育てについても企業の対応は日本とは全く異なり、協力的です。結婚や妊娠が分かっただけで退職を強要する企業が後を絶たないのは、日本政府に行政指導する気がないからです。
「若者が希望を持てる社会」にするために、この動画番組が、若い世代とのネットワークの窓口となればと思います。
党のホームページから見ることができる動画番組「SHAMIN―TV」は、今後、医療費や雇用、年金問題など順次、伝えていきます。すでに開始当日から、若い人からの期待の声が寄せられています。ご覧いただいた皆さんから、この番組へのご意見をたくさんちょうだいしながら、社民党の社会保障政策作りに生かしたいと思います。
社会新報2006年8月30日号より
教育基本法の改悪をとめよう!
全国連絡会共同事務局長 八尋麻子さん
八尋麻子さんはイラク反戦のころから市民運動に関わり始めたそうです。対談は3パート構成、PART-1「 “国を愛する心”とは」、PART-2「教育は誰のためのものか」、 PART-3「どう運動を広げていくか」となっています。
SHAMIN -TV
会期延長反対を確認 社民党が常任幹事会で
社民党は11日午前の常任幹事会で、今国会の会期延長に反対する方針を確認した。又市征治幹事長は「国会は会期末まで約1カ月だ。来週くらいには延長問題が浮上する。野党はしっかり協力して、会期延長を阻止しなければならない」と指摘した。
福島瑞穂党首は「共謀罪、教育基本法改正、米軍再編、国民投票法の上程に徹底的に反対し、社民党の存在感を示す」と強調した。
辻元清美政審会長代理は国民投票法案をめぐる民主党の対応について「自民、公明両党との共同提案はしないが、自公が提案すれば民主党の対案を出し議論するという考えと、提案そのものに反対する考えの2つの流れがある」として、民主党の動向を注視する考えを示した。
共同通信 2006年5月11日
社会新報(2006年4月26日)
「教基法改正案」
内心の自由侵す「国を愛する態度」
教育基本法改正与党協議会は、13日に決定した同法改正案の「教育の目標」の中に「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する…態度を養う」を盛り込んだ。「愛国心」教育宣言だ。
ところが、公明党などは「国には統治機構は含まれない」として、戦前の軍国主義のようにはならないと主張している。しかし、これは気休めにもならない。
確かに、パトリ(郷土)を愛するパトリオティズムがナショナリズムと重なるとは限らない。また、戦前日本の動員体制は協調主義的・ムラ社会的であり、その性格は多分に近代ナショナリズム以前的との指摘もある(ナショナリズムと無縁とは言えないが)。つまり、問題はパトリオティズムがいいか悪いかではなく、どういう初期設定でそれが与えられているかなのだ。「血と土」ではなく民主主義をアイデンティティとする戦後ドイツの「憲法パトリオティズム」という立場も存在してきたことにもっと注意が向けられていい。
愛すべきパトリはあらかじめ何か実体としてそこにあるのではない。私たちの記憶を形づくっているものごとや人間関係が、ネーション(国民国家)の枠組みによって支えられているという現実は、戦前より戦後の方が明瞭かもしれない。そこで力を発揮するのが教育にほかならない。「伝統や文化を尊重」するのだから、偏狭なナショナリズム教育にはならないという理屈には何の説得力もない。
さらに問題なのは、「態度を養う」ことが目標として掲げられたことだ。学習指導要領に沿った態度をとるよう求めることは「児童生徒の内心にまで立ち至って強制するものではない」との、「日の丸・君が代」を強制する時の理屈を思い起こせば、ことの重大性は明らかだろう。戦争に心の中で反対していても、それを態度で示してはいけないのなら、だれも戦争に反対できない。こういう事態も、決して悪い想像として片付けられなくなってきた。
東京都教育委員会は3月、教職員に「日の丸・君が代」を強制した03年の「10・23通達(職務命令)」に続き、校長は「学習指導要領に基づき適正に児童・生徒を指導することを、教職員に徹底する」との「3・13通達」を出した。子どもたちの「内心の自由」に土足で踏み込むことを教職員に強制するものだ。ここで問題とされているのは文字通り「態度」だ。教基法改悪はここに先取りされている。
2006年4月21日
教育基本法「改正」に向けた与党合意についての見解
社会民主党幹事長 又市征治
1.自民党・公明党の与党・教育基本法「改正」に関する協議会は、4月13日、与党・教育基本法「改正」に関する検討会の「最終報告」について合意し、これを政府に提出し、にわかに教育基本法「改正」法案が文部科学省から提出される可能性が高まっている。
2.4月13日にまとまった与党の検討会の「最終報告」は、「教育基本法に盛り込むべき項目と内容」について、前文と条文に対応する18項目についての考え方を示し、教育基本法を全面的に改悪しようとするものとなっている。「最終報告」に見られる与党案は、次のような多くの問題点をもっており、これに基づく新教育基本法案の作成・国会上程には断固として反対する。
[1]「愛国心」表記に関して、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」という文言となった。基本的に、個人の内面、心を法律で縛ることは思想信条の自由の侵害に当たる。「統治機構の国を愛するのではない」としているが、それは「愛国心教育」の歯止めにはならない。国旗国歌法の国会審議で政府が何回も「強制しない」と答弁したにもかかわらず、日の丸・君が代も国旗・国歌法の際の答弁を超えて現場では強権的に拡大されている。「愛国」に対する思想や態度が教育の場において強制されることになれば、「(憲法の)理想の実現は、根本において教育の力にまつ」とした教育基本法の基本性格を根底から変質させられ、教育が国家中心のものへと変えられてしまう。
[2]現行法の前文にある憲法9条と深く結びついた「真理と平和を希求し」を「真理と正義を希求し」に変えているが、これは「正義の名」において行われた戦争への反省から生まれた平和憲法との関係性を払拭させるものであり、残された「日本国憲法の精神にのっとり」という文言を無意味なものにしてしまう。
[3]教育の目的から「個人の価値をたつとび」を削除し、前文に「公共の精神を尊び」「伝統を継承し」などを挿入した。これは、個人と国家との関係を180度転換して、まず、国家があって個人はそれに従う存在、教育は個人のためではなく国家のために行われるということに大転換するものである。
[4]「教育の目標」と前文に「国と郷土を愛する」「公共の精神」など20を超える徳目が盛り込まれている。修身教育の形を変えた復活であり、心の中にまで国家や行政が踏み込んでくることになる。
[5]教育行政の目標について、「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立」という義務が削除され、、「国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない」という文言に変更された。これまで教育行政は国民の教育権の保障のための条件整備役だったものが、「公正」・「適正」という名目で、日の丸・君が代の強制や「愛国心教育」の押しつけなどを認める規定振りになる。
[6]現行第10条について、「教育は、不当な支配に服することなく」は残されたが、「国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである」という文言が削除され、「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」となった。さらに「国は、…教育に関する施策を策定し、実施しなければならない」と規定している。このことによって、政府・行政が教育内容や教育方法に公然と介入するおそれが強くなる。「国民のための教育」から「国家のための教育」への180度転換であり、<不当な支配=教育行政(文部科学省や都道府県教育委員会)が教育内容に介入すること>を禁じている規定が、<不当な支配=市民や教職員が教育行政のやることに介入すること>を禁じる規定に逆転されることになる。
[7]「男女共学」の規定が削除され、「家庭教育」が新設されている。男女平等の教育を否定し、家庭のあり方にまで国家が介入しかねない危険をもっている。子ども・国民の学習権・国民の教育権を保障する立場からではなく、国家の教育方針に国民全体を従わせ、動員するものとなりかねない。
[8]「改正」によって、過去に国民を不幸にした国家主義や、教師が子どもに上から価値観を押しつける教化主義が強調され、政府の危険な意図を感じる。教育現場で国が統制を強める根拠規定にもなるだろう。「大学教育」など目新しい規定も盛りこまれたが、「改正」を正当化するためのものであり、現行法にはないが、現実には何の不都合もないものにすぎない。
3.教育基本法は、戦後憲法の精神を生かす教育をするためにつくられた。教育基本法は、憲法理念を具体化し、個別の法律・政策のもとになるような理念や制度の基本を定めたものである。現在の教育が抱える問題は、教育基本法に起因するものではない。与党は70回以上も議論を尽くしたと言うが、異常な秘密主義で行われた密室の産物である。教育の主人公である子どもたちや、親・国民に秘密のままの拙速な密室論議や政治的妥協の産物を許してはならない。もっと幅広い国民的な議論が必要である。憲法・教育基本法改悪の問題は密接につながっている。闘争運動を一層強化し、各地で反対世論を高めるとともに、広範な諸勢力と連携し、新教育基本法案の上程阻止に向けて全力をあげる。
以上