<教育基本法>民主党のシンポ 狙いは「成立先延ばし」
民主党の教育再生本部は24日、通常国会に提出した党の教育基本法改正案をPRする「教育再生シンポジウム」を東京都内で開いた。秋の臨時国会に向け民主党案の優位性を訴える目的だが、党内には法改正への慎重論も残る。狙いはシンポを通じて慎重審議の必要性を強調し、法案の早期成立阻止を図ることにあるようだ。
毎日新聞 2006年7月24日
民主が教育集会 基本法改正民主案アピール
民主党は24日、東京都内で教育問題を考えるシンポジウムを開き、5月に通常国会で提出した日本国教育基本法案について識者らと討論した。今後、各地で同様の集会を開き、継続審議となっている同法案の成立に向けて国民的論議を巻き起こす考えだ。
教育集会は、自民党の総裁選に注目が集まる閉会中に民主党の存在感を強調する狙いもある。この日のシンポジウムでは、党教育再生本部長の鳩山由紀夫幹事長が「教育の柱である教育基本法を見直すことで、いくつかの問題に解答を見いだせる。我が党と政府の案の違いを見て頂きたい」とあいさつした。討論では、ジャーナリストの桜井よしこ氏らから「民主党案は、家庭を教育の原点と位置づけ、原点に立ち返る重要性を指摘した」などと評価する声が上がった。
Asahi.com 2006年7月24日
『教育再生』シンポジウム開催 教育現場を変える運動を開始
民主党教育再生本部は24日夕、都内で「民主党『教育再生』シンポジウム〜日本国教育基本法案で教育現場をこう変える〜」を開催。教育現場を再生させる国民的な運動の端緒としようという意気込みにあふれた議論が交わされた。
笠浩史事務局長が司会を務めたシンポジウムの冒頭、鳩山由紀夫本部長(幹事長)が主催者挨拶を行った。この中で鳩山本部長は「柱を見直すことで、いくつかの問題に積極的に解答を見出すことができる」などとして教育基本法の改正に意欲を示すとともに、国民総参加のもとで議論を深める必要があると指摘した。
松本剛明事務総長(政策調査会長)は、今後の取り組みを報告。教育は民主党にとって最も重要なテーマであり、これから全国で広く教育全般について議論を展開し、対話の中で国民の皆さんと一緒に教育を作りたいなどとした。
シンポジウムの第一部はパネルディスカッションが行われた。鈴木寛参議院議員(事務総長代理)がコーディネーターを務め、西澤潤一氏(首都大学東京学長)、櫻井よしこ氏(ジャーナリスト)、陰山英男氏(立命館大学教授兼立命館小学校副校長)の各氏と西岡武夫参議院議員(教育再生本部本部長代理)がパネリストとして参加。教育のあるべき姿などについて率直な意見が交換され、民主党の日本国教育基本法案の内容も紹介された。
第二部は、会場から集められた質問にパネリストが答えるかたちで進められた。西岡議員は「政府案と民主党案を突合せた修正案は可能か」との質問に対して「土台のところの認識が違っている。残念ながら(修正には)なりえない」と答た。地方分権と義務教育の裁量に関する質問には「義務教育について地方がばらばらで良いということでは、断じてない。学校制度を含めて全国で統一する。これが国の責任だ」とした。
教育格差については「やはり教育に思い切って予算をかける、政治の場で考える課題としてはこれ以外にない」と指摘。私立学校に対する助成と同時に、生涯の教育の経費をどれだけ公が負担するかを考慮したバウチャー制度の導入を、党として推進する方針を述べた。
民主党 ニュース・トピックス 2006年7月24日
教育再生本部第1回総会を党本部で開き、今後の取り組み等を協議
鳩山由紀夫幹事長を本部長とする党教育再生本部は11日、党本部で第1回総会を開催。役員構成を確認するとともに、今後の取り組み等について協議した。
同本部は日本の教育の現状と未来に対する党としての危機感と真摯な取組み姿勢を国民に伝え、国民とともに教育を考え、議論を呼び起こすことを目的に設置したもの。また、党の教育に対する考え方の集大成ともいえる「日本国教育基本法案」について広く国民の理解を得ることとしている。
挨拶に立った同本部長の鳩山幹事長はまず、同日開かれた第376回常任幹事会で同再生本部の設置が承認されたことを報告。同時に、教育基本法に関する検討会座長の西岡武夫参議院議員を中心にとりまとめた民主党の「日本国教育基本法案」は、内外で高い評価を得ているとの見方を示した。
そうした認識に基づき、鳩山幹事長は閉会中の9月下旬までを絶好の機会ととらえ、運動体として位置づけられた再生本部を中心に、各都道府県ごとに集会を開いて、党の教育に対する考え方を広めていく重要性を指摘。「それぞれの選挙区、都道府県で再生本部の設置趣旨に沿った行動を起してほしい」と呼びかけ、出席議員に協力を求めた。
また、全国で開く集会の先駆けとして、24日に東京・九段会館で【民主党『教育再生』シンポジウム】を開催する予定であることを報告。パネリストに、ジャーナリストの櫻井よしこ氏、首都大学東京学長の西澤潤一氏、立命館大学教授兼立命館小学校副校長の陰山英男氏らを迎え、実りあるシンポジウムを行うことを明らかにした。
続いて、同再生本部事務総長の松本政策調査会長から役員構成と今後の取り組み方針について説明があった。松本政調会長は、7月中旬の完成予定で民主党「日本国教育基本法案」についての政策解説パンフレットを作成中であるとしたうえで、民主党の教育政策をわかりやすく説明したパンフレットをベースに、議論を広げていく意向を示した。また、14日に開催予定の全国幹事長会議の場などを利用しての呼びかけ等によって、都道府県連またはブロック別にシンポジウムの開催していく方針であることを示した。
鳩山幹事長はまた、総会のなかで「各都道府県必ず実施していただきたい」と重ねて要請。出席した議員に、地元責任者となっての開催を担ってほしいとの提案も行った。同再生本部としては開催を手助けするとともに、人数・規模・要請に応じては有識者による講師の依頼や党幹部の派遣も行っていく考えであることも明らかにした。
なお、教育再生本部役員構成は以下の通り。
顧 問
広中和歌子、中井洽、岩國哲人
本部長
鳩山由紀夫
本部長代理
西岡武夫
副本部長
大畠章宏、佐藤泰介、藤村修、小沢鋭仁、達増拓也、奥村展三、牧 義夫
事務総長
松本剛明
事務総長代理
鈴木 寛
事務局長
笠 浩史
事務局次長
山口 壯、高井美穂、松本大輔、西村智奈美、三日月大造、林久美子、水岡俊一
民主党ニューストピックス 2006年7月11日
「民主党大学東京」第二回講座を開催!
民主党大学東京の第二回講座が開かれました。講師は民主党大学東京の学長である鈴木寛・参議院議員。現在、NC(次の内閣)文部科学担当として民主党の教育政策をまとめる責任者でもある、われらが「すずかん」より、レクチャーをいただきました。
テーマは「コミュニティ政策への視点」。民主党の政策の体系の基軸となっている「コミュニティ・ソリューション」という考え方について、現場での施策に即して、お話をいただきました。
通産官僚から慶応大学SFC助教授に転出した鈴木議員は、1999年、金子郁容教授とともに「コミュニティ・スクール構想」を発表します。
地域社会や保護者が「学校理事会」として学校運営に主体的に関わり、その学校の教育の基本方針を定めるものです。
その後、足立区立五反野小、京都市立御所南小をはじめ、全国7地区でモデル校が作られ、今や150校を数えるまでになりました。その中から「百ます計算」で有名な蔭山英男先生(尾道市立土堂小校長)も生まれています。
<以下、鈴木議員のレクチャーの内容です>
●道路やダムなどの施設整備が一段落し、これからは教育・医療・介護といった<ソーシャル・ヒューマン・ サービス(社会的人的サービス)>について、受け手の納得・安心を確保しながら、どれだけ行政支出を 抑制していけるかというのがテーマになってくる。
●そう考えると、「小さな政府」か「大きな政府」か。というコイズミ流の議論は不毛であることが分かる。「高 満足」を求める人は「大きな政府」を求め、「低負担」を求める人は「小さな政府」を求める。あたりまえのこ と。「高満足」と「低負担」という、一見、矛盾した目標を、どう両立させるかという政策的アイデアこそ必要。
●「低負担」を実現するには、税金の無駄遣いを一掃すること。随意契約をなくし、一般競争入札に変えるだ けで、落札率は10%は下がる。民主党の調査で、公共調達の総額は35兆円。10%削減で3.5兆円節 約になる。
●政府の公共調達の改革は曲がりなりにも進んでいるが、地方ではまだまだ手付かず。来年の統一地方選 挙に向けて、それを調べたらどうか。
●「低負担」のなかで「高満足」を実現する、その答えとなるのが「コミュニティ・ソリューション」。
●今までの行政は、「ガバメント・ソリューション」。「官」がアメ(補助金)とムチ(規制)を駆使しながら、「民」に 政策を押しつけていくやり方だった。
●これからは「官」だけでなく、「民」のボランティア(現場からの自発力)を最大限、活かして、公的なサービス を支えていく時代。その象徴がコミュニティ・スクール。
●コミュニティ・スクールの一つである三鷹市立第四小には、職員室に「夢育支援ネットワーク」というNPOの デスクがあり、保護者や卒業生などボランティア200人が、学校の教育現場をサポートしている。たとえば 調理実習の現場にボランティアのお母さんを配置する。先生一人だったら危なくて使わせられないが、お母 さんがいることで、子どもたちが包丁を握って、本当の調理実習ができる。
●ボランティアの力を活かすことで、より充実した教育を実現し、しかも予算は一円もかからない。これこそ がコミュニティ・ソリューションの実例。
●来年の統一地方選挙では、各自治体で、コミュニティ・スクール運動に取り組んでもらいたい。コミュニティ ・スクールが始まると、それは必ず、他のコミュニティ・ソリューションにつながっていく。関わっている大人達 が「もっと勉強したい」と思うようになり、コミュニティ・カレッジが生まれるようになる。
コミュニティ・スクールの生みの親として、そうした動きを、皆さんと共に応援していきたい。
授業の後、「民主党大学東京」受講生有志が参加して、インドネシア・ジャワ島で発生した地震被害に対する緊急支援の募金活動を行いました。
有楽町マリオン前で、一時間あまりの募金活動。「現場に出て活動するのは初めて」という受講生も多く、みんなで声を出して、行き交う人たちに善意のご協力をお願い致しました。ご協力ありがとうございました。
民主党東京都連青年委員会 2006年6月27日
教基法改正で来月から対話集会=自民総裁選での埋没回避狙う−民主
民主党は7月中旬から、秋の臨時国会での教育基本法改正案の審議再開に向けて、全国各地で対話集会を開催する。通常国会で継続審議となった同党の独自案への理解を得るとともに、教育改革という関心の高いテーマで国民的な論議を喚起することで、9月の自民党総裁選による埋没を回避する狙いもある。
初回は東京で開催。臨時国会召集までに全国11の衆院比例代表ブロックを一巡する。同党は対話集会の開始に当たり、「教育再生本部」(仮称、本部長・鳩山由紀夫幹事長)の設置を決め、独自案の解説書作成を進めている。
民主党の独自案については、自民党内にも「与党案より良い」との声がある一方で、民主党を支援する日教組からは反発の声も出ており、同党は対話集会を通じて、各界各層への理解を広げたい考え。
『内外教育』メールマガジン 2006年6月23日
野党幹事長会談、教育基本法案廃案で一致
民主、共産、社民、国民新党の野党4党は8日、国会内で幹事長・書記局長会談を開き、国会の会期末を迎えるにあたり、すでに提出されている教育基本法改正の政府案と民主党案を、ともにいったん廃案にする方針で一致した。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は「我が党も対案を出したが、継続審議でずるずるとやるのはおかしい」と述べ、両案を廃案にした上で、衆院に教育基本法を議論する調査会の設置を提案した。調査会の設置については、国民新党は賛成したが、社民党は態度を保留、共産党は反対した。
鳩山氏は会談後、記者団に「法案審議権のない調査会で、1年から1年半かけて慎重に議論を進めることが必要だ。与党にも呼びかけたい」と語った。
asahi.com 2006年06月08日10時57分
重要法案軒並み継続審議は総裁選優先の現れ 小沢代表、会見で
小沢一郎代表は5日、佐賀市を訪れ、比例九州(佐賀2区)選出の大串博志衆議院議員、来年の参議院選挙で党公認候補として擁立予定の川崎稔氏とともに市内で会見した。
まず、参院選に向けた全国行脚の4番目に佐賀県を選んだ理由、佐賀でどう参院選を戦うか等を問われたのに対しては、「一人区でいろいろとお願いしたり、結束を呼びかけたりする作業は候補者が基本的に定まった地域から順に行っている」と説明。来週末も再来週末も地方に出かける予定であることを明らかにするとともに、公認候補者決定の進行次第では全国行脚のテンポが速まる可能性もあるとした。
佐賀県の情勢をめぐっては「一昨年はスタートがかなり遅れたが、そういう状況下でも県民のみなさんの多くの支持を得たということは、来年(の参院選)に向けて心強い感じだと思っている」との認識を示し、党公認候補には一人でも多くの方に会って、自分の支持を広げていくべきだと思うし、そう指示していると語った。
従来、自民党の支持基盤とされてきた商工会議所、農業協同組合を訪問先に選んだ理由を問われたのに対しては、「別にその2つだけをどうこうしたわけではない。一番の大きな県内での組織体ということで出向いた」と述べたうえで、時間があればもっと多く訪問したかったとの意向を示し、機会を見つけてまた訪れたいとの考えを示した。地方組織強化へ向けた方策等を問われたのには、「地方組織を固めるということはもちろん大切なのだが、国会議員がいるいないで卵が先か鶏が先かの話になるが、ぜんぜん違ってくる」と指摘。地方議員だけで地方組織を作れといっても無理で、候補者や国会議員がまず自分の足元を固めることが先決であり、それが強固になれば、相乗作用として地方組織はできあがっていくと分析。「日本の風土のなかでは国会議員が組織作りの突破口にならなければだめ。そういう意識で候補者や国会議員にはやってもらいたい」とも語った。
内閣不信任案を提出するか問われたのに対しては、「そのときの状況にもよる」として、国会終盤の政府・与党の動きを見ての判断となるとの見方を示すとともに、「基本的には幹事長が判断すればいいこと」として、最終的な判断は鳩山幹事長に委ねる意向を示した。
教育基本法改正案をはじめ、重要法案が軒並み継続審議となる見込みとなった現状を受けて、小泉首相の対応をどう見るか問われたのに対しては、「自分の責任、使命、自覚がまったくない。自民党総裁選でどうだこうだと自分らのポスト争いのことを優先している」と厳しく批判するとともに「自分で(法案を)出しておいてどちらでもいいというのは、首相として非常に無責任でいい加減だと思う。どちらでもいいなら出さなければいい」と指摘した。そうなるとますます内閣不信任案提出の可能性が高まるかとの重ねての問いには「それも(選択肢の)ひとつだが、(提出しても与党が衆院の3分の2を占める現状では)不信任案が通るわけではないから、以前のように年中行事のように出しても意味がない」と述べ、最終版での政府与党の態度を見極め、鳩山幹事長が状況を判断して決めていくことになるとの考えを重ねて示した。
村上ファンドの村上代表逮捕に関連してライブドア事件をはじめ小泉政権下で経済事件が相次ぐ現状をどう見るか、問題点はどこにあるか問われたのには、「問題点は小泉政治そのものにある」と批判。村上ファンドもライブドアもモラルやルールを守ることよりも金儲けを優先させた小泉政治の結果だと分析した。あわせて、自由は大事だが、最低限のルール、モラルは人間社会である以上、必ず存在するものであり、それを日本で一番の権力者である小泉首相が軽視する姿勢を示していること自体が無責任であり、モラル軽視の風潮を小泉政治がますます加速化させ、助長させたと指摘。「規制を撤廃し、自由をより大きくしていく一方で、多くの人が安定して生活していけるよう、セーフティネットを社会のしくみとして用意していかなければならない」として本来の社会の在り方を提示した。
民主党ニューストピック 2006年6月5日
「総裁選を優先」と批判 首相対応に小沢代表
民主党の小沢一郎代表は5日午後、佐賀市内で記者会見し、小泉純一郎首相の終盤国会への対応について「自分の責任、使命、自覚がまったくない。あとは自民党総裁選でどうだこうだと自分らのポスト争いのことを優先している」と厳しく批判した。
教育基本法改正案や国民投票法案が継続審議の見通しになったことに関しても「自分で(法案を)出しておいてどっちでもいいという姿勢で無責任だ。重要だといいながら国会が終わりそうになってから出してきて(成立が)難しそうになったらどうでもいい(という態度だ)」と指摘した。
共同通信 2006年6月5日
「国会どうでもいい感じ」/小沢氏、首相を厳しく批判
民主党の小沢一郎代表は3日午後、兵庫県篠山市内で開かれた同党前衆院議員の会合であいさつし、小泉純一郎首相の終盤国会への対応について「9月に辞めるし、国会が終わるとすぐ米国に行くこともあり『国会審議はどっちでもいいや』という感じになっている」と厳しく批判した。
同時に「もともと政策には関心のない方だったが、国民に何をしてくれたのか疑問の残る5年間だった」と指摘。来夏の参院選で与党を過半数割れに追い込む決意を重ねて表明し「今度の参院選、次の衆院選で民主党がきちんとした支持が得られなかったら、日本の議会制民主主義は半永久的に成り立たない」と強調した。
共同通信 2006年6月3日
民主党ニューストピックス
2006年06月01日
【衆院教育特】鳩山幹事長、教育基本法改正の基本理念質す
衆議院教育基本法特別委員会で1日、民主党提出の「日本国教育基本法案」および政府提出の「教育基本法案」の質疑が行われ、民主党・無所属クラブを代表して鳩山由紀夫幹事長が質問に立ち、法整備に向けた基本的理念等に関して小泉首相らに質した。
鳩山幹事長はまず、政府案はどのくらいの期間通用することを目指すものか質問。首相は「現行教育基本法が成立してから60年だ」としたうえで、それに順ずる期間通用するものを目指すとの意向を示した。そうした答弁をふまえて鳩山幹事長は、「教育基本法は憲法の附属法だと思っている」と述べ、憲法改正と教育基本法改正の議論は、ある意味で結びついた議論であるとの認識を示すとともに、教育基本法の改正議論も必要だが憲法改正の議論こそ先行すべきと指摘。家族の大切さを盛り込んだり、国内外での援助活動に尽力しながら憲法に明記されていない自衛隊の位置づけを明記したり、憲法改正の必要性が指摘される点が多々あることを列挙したうえで、重ねて憲法改正を先行すべきとの考えを強調した。なぜ教育基本法の議論が今なのか疑問だとして、憲法改正後でも充分のはずとの指摘に首相は「憲法改正は必要だと思うが、憲法改正しなければ教育基本法の議論はしないというのには賛同しかねる」と答弁した。
小坂文部科学大臣は児童をめぐる犯罪の増加や教育環境の変化など、昭和22年に成立した教育基本法では対応しきれないものが出てきた現状を踏まえ、法改正の必要性が出てきたと説明し、「憲法と教育基本法は密接に関連するものだが、現行憲法のもとで出てきた教育をめぐる課題に対し、教育の根本的な理念を明確にするために改正する」と述べた。同時に、憲法改正によって必要が生じた場合には成立した教育基本法改正法に再度修正を加える可能性があるとした。こうした答弁を受けて鳩山幹事長は、「50年以上もたせる」とした首相答弁との矛盾を指摘。「まず、教育基本法を換え、憲法を変えた時点でまた修正することもあり得るというのでは二度手間ではないか」と述べ、拙速に法改正を行うのではなく憲法議論を踏まえるとともに、国民的議論を巻き起こした上で教育を考えるべきだと重ねて主張した。
憲法に家族の在り方を明記するからにはそれを踏まえて教育を議論すべきであり、教育を受ける権利についても「すべての国民」だけを対象にするのではなく、民主党案にあるように海外からの移住者等も含めて「何人に対しても」保障するものでなければならないと、鳩山幹事長は改めて問題提起した。「そうした点は本来、憲法の改正の議論のなかで、改正すべき。そこを踏まえて教育の議論に入るべきだ」と重ねて語った。
小泉首相はそうした議論をめぐって、「憲法も重要であるが、イギリスのように憲法でなくてもいろいろな政治制度をつくって対応できることはある」などとあきれた答弁。これには鳩山幹事長も「憲法がなくてもできることがある」とは、法治国家にあるまじき認識だとして苦言を呈するとともに、「国の礎となる重要な議論。くどいようだが、順序を間違えると国の将来を危うくする」として、政府の姿勢を重ねて問題視した。
この点について小坂文科相は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とする憲法を受けて、政府案では「すべての国民は」としたと説明。憲法で「何人も」と書きこむことになれば教育基本法も変更することになるとの認識を示した。鳩山幹事長は「二人の考え方を合わせていただきたい」と述べて、首相と担当大臣である文科相の認識を一致させるべきとした。
鳩山幹事長はまた、教育基本法の議論の前に議論しなければならないこととして、子どもの教育云々の前に、正さなければならないのは大人の方ではないかとして、首相の認識を質した。「教育の問題も大人の責任が大きいと思う」と首相は言い放つだけだったが、そうした大人の責任・大人の教育に関する議論こそが政府案には抜け落ちており、実効性のある大人を正す教育の道筋は何ら期待できないことを問題視した。
鳩山幹事長はさらに、昭和21年の4月7日、戦後初の総選挙の折に日本自由党総裁だった祖父の鳩山一郎元首相の放送用原稿を提示。「自由主義は民主主義の骨組みであって、自由主義とはなすべきことをなしうるの自由、あわせてなすべからざることをなさざるの自由があると述べ、自由主義は何でもやっていいのではないと論じている」と鳩山幹事長は述べ、真の自由主義は自己の人格の尊厳に目覚めるしかないと語っていると説明。同時に、「両親がデモクラシーの基礎をなす相互に人格を尊重する有様を日夜目にしていれば子どもは立派に育って行く」とも放送用原稿に記されていると紹介したうえで、鳩山幹事長は教育力は自由主義や民主主義を政治のなかで本気で培養していくことが最高の教育であるとの見方を示し、政治の責任の重要性を改めて指摘した。さらには、「与野党が全く別の議論をするというものではないはず」と述べ、議論を深め、よりいい教育基本法整備に向けて調査会等を設置して与野党で協議して行くべきと問題提起した。
民主党ニューストピックス
2006年06月01日
教育基本法で総理の熱意乏しい 国対役員会後に荒井代理が会見
1日午前、国会内で民主党国会対策委員会の役員会が開催され、終了後に荒井聰国対委員長代理が記者会見を行った。
この中で荒井国対委員長代理は、衆議院の教育基本法特別委員会での質疑に関連して、「教育問題全般について、総理の熱意が大変乏しいのではないか」との懸念を表明。「総理ご自身、きちっと準備をされて、この委員会に備えていただきたい」と苦言を呈するとともに、「60年ぶりの改正法案を、政府が提出している」ことの重要性を認識するべきだとの考えを示した。
厚生労働委員会の情勢についても荒井国対委員長代理は、「突然、政府・与党の方から、社会保険庁改革、組織改正の法案の審議を中断して、全く別の新しい法案審議に入りたいという要請があった」ことに触れ、「このまま中断するのは、国民に対する信頼を損なう」とその消極的な姿勢を批判。調整の結果、国会会期末の16日までに、この問題についての集中審議を行うこととなったとし、「更に一層、真相究明を求めていくということが必要だ」と述べた。
また、荒井国対委員長代理は、わが党の山本孝史参議院議員が「熱意をもってつくりあげた法案」である自殺対策基本法案や、カネミ・ライスオイル食中毒者の救済法案についても、早期成立を期したいとした。
民主党提出の「日本国教育基本法案」の趣旨説明
24日午前、民主党が提出した「日本国教育基本法案」の趣旨説明が、衆議院教育基本法に関する特別委員会で行われました。
わが党議員が読み上げた趣旨説明全文は以下の通りです。
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私は、民主党・無所属クラブを代表して、民主党の議員立法である「日本国教育基本法案」について、その趣旨を御説明申し上げます。
人なくして国なしです。民主党は、明日を担う人材を育てることこそが最重要課題と位置づけ、新たな文明の創造を希求し、未来を担う人間の育成について教育が果たすべき使命の重要性にかんがみ、今般、「日本国教育基本法案」を提出いたしました。
我が国の教育現場は様々な問題に直面しています。すなわち、人生のスタート段階における格差問題、いじめや不登校、学力低下の問題、さらには昨今、小中学生をめぐる悲惨な事件も続発しています。私たち民主党は、こうした教育現場の問題を具体的に改善するための第一歩として、本法案をとりまとめました。
以下、本法案の主な内容を申し上げます。
第一に、我々は物質文明偏重を脱し、コミュニケーションや知恵や文化を重視する情報文化社会の創造を目指し、その担い手を育成するために重要なアイデンティティーの醸成を図るため、前文において、教育の使命として、人間の尊厳と平和を重んじ、生命の尊さを知り、真理と正義を愛し、美しいものを美しいと感ずる心を育み、創造性に富んだ、人格の向上発展を目指す人間の育成であるとし、同時に、日本を愛する心を涵養し、祖先を敬い、子孫に想いをいたし、伝統、文化、芸術を尊び、学術の振興に努め、他国や他文化を理解し、新たな文明の創造を希求することといたしております。
第二に、何人に対しても、生涯にわたって、学ぶ権利を保障することとしております。
第三に、国及び地方公共団体は、それぞれの子どもに応じた教育機会及び環境の確保・整備を図るものとし、国は普通教育の最終的責任を有するとしております。
第四に、幼児期の教育及び高等教育について、無償教育の漸進的な導入に努めることとしております。
第五に、生命及び宗教に関する教育について、生の意義や死の意味を考察し、宗教的な伝統や文化に関する基本的な知識の修得、及び宗教の意義の理解、そして宗教的感性の涵養は、教育上尊重されなければならないとしております。
第六に、インターネット社会の光と影について正しく理解するための教育を推進するとしております。
第七に、地方公共団体が行う教育行政は、その長が行わなければならないと規定するとともに、地域の子どもは地域で育てるとの考えから、その設置する学校には、学校理事会を設置し、主体的・自律的運営を行うものとしております。
第八に、教育予算を安定的に確保するため、公教育財政支出について、国内総生産(GDP)に対する比率を指標とすることを規定しております。
このほか、建学の自由、私立学校の振興、障がいを有する子どもへの特別な状況に応じた教育、職業教育等についても規定しております。
以上が、本法案の趣旨及びその概要です。
十分、御審議の上、御賛同くださいますようお願いいたします。
民主党ニュース 2006年5月24日
民主党ニューストピック
2006年05月23日
議論の集大成としてまとめあげた日本国教育基本法案を衆院提出
民主党は23日、日本国教育基本法案を衆議院に提出。党教育基本問題調査会会長の鳩山幹事長、同会会長代理の藤村修、同会副会長の達増拓也、同会事務局長代理の笠浩史、法案提出者の高井美穂各議員が法案提出を行うとともに、提出後には党本部において法案提出者のほか、同会顧問の松本剛明政策調査会長、同会顧問で党教育基本法に関する検討会座長でもある西岡武夫参議院議員、同会事務局長の鈴木寛参議院議員、法案提出者の大串博志衆議院議員らが出席して会見を行った。
同法案は、3月29日の『次の内閣』において「教育基本問題調査会」再設置が了承され、4月20日に行われた同会第1回総会で「教育基本法に関する検討会」設置を確認後、同25日の検討会第1回会議を皮切りに多くの党国会議員の出席のもとでの集中討議を積み重ねるなど、検討に検討を重ねた結果としてまとめあげ、提出に至った。
鳩山幹事長は会見で、鈴木事務局議長の司会のもとで冒頭マイクを握り、法案の提出を報告。「改めて申しあげるまでもないが」と前置きしたうえで、国会会期が残り1カ月あまりとなった時点で、自民・公明両党の妥協の産物のような政府の教育基本法案が提出してきたとして、「教育基本法は憲法付属法であるだけに、憲法改正の議論をなさっている以上、そのなかでの教育の議論をしっかり行ったうえで、それに基づいて教育基本法をつくるべきだ」と指摘。政府・与党の取り組み姿勢を問題視した。
同時に、「しかし政府案が提出された以上、国民のみなさまにしっかりと教育基本法を通じて教育の議論を行っていただきたいと思った」とも語り、急遽、検討会を設置して党内議論を重ね、法案をとりまとめた経緯を説明した。
「あえて『日本国』という名称をつけた大変重い法案である」とも主張し、しばしば議論の的となった「国を愛する心」に関しては、「日本を愛する心を涵養し」という表現で、前文に盛り込んだことを改めて説明。「水がじわじわと土の中にしみこんでいくような形で、自然体で、押し付けではなく愛国心というものが国民のひとりひとりに養われて行くことが望ましいという思いを前文に盛り込んだ」と述べた。「前文は大変美しい、大変重要な理念が謳われている」とも語り、小沢一郎代表が提唱する「共に生き、互いに生かされるという共生の精神を醸成する」との一文も盛り込み、その重要性も重視したことを明らかにした。
さらには「学ぶ権利」を重視した姿勢を改めて示すとともに、「公明党さんへの思いで宗教教育のことが政府案ではあまり重要視されていないが」と分析したうえで、民主党は宗教的感性を涵養することは重要であり、生の意味、死の意味を受け付けていくことが大切との観点で政府案では極めてあいまいとなっている「宗教教育の重要性」も盛り込んだことを説明した。
鳩山幹事長はまた、「じっくりと時間をかけて国民的な議論を呼び起こして行くことが肝要」とも語り、法案提出を契機として国民的な議論を巻き起こし、きるだけ多くの方々の意見を聞くなかで、少なくとも1〜2年かけてじっくりと議論すべきとの考えを示した。同時に、民主党案を提出したことで、今後の特別委員会審議はどう展開していくかとの問いに鳩山幹事長は、「教育の基本の議論であるだけに、国民のみなさんの参加の下で議論を進めていくべきだ」と重ねて主張。47都道府県で地方公聴会を開くなど、じっくりと審議していく必要があると述べるとともに、「あと1カ月というところで安易に上げていこうとの議論は禁物」と語り、残る会期で成立を急ぐ政府・与党の姿勢を大いに牽制した。
また、愛国心の表現をめぐって「強制」「評価」には繋がらないかとの問いには、「強制にはつながらない」と断言。その理由として、「水がしみこむように、日本のを思う心を養うとする『涵養』という言葉を用いたことで、強制は回避できる」と説明。また、政府案は条文に「愛国心」が入っているために目標とされ「強制につながる危険性」があるが、民主党案では前文に入っている理念であるために「強制につながる危険性」はないとの見方を示し、「押し付けになるなどの批判は当たらない」と明言した。
さらに「学ぶ権利の保障」を第2条に盛り込んだ理由を問われたのに対しては、西岡座長が応じ、「第2条に書いたことで、その重要性をご認識ください」と前置きしたうえで、従来は教える側に立った教育行政という認識が強かったが、民主党案では学ぶ立場に立った教育ということで第2条に盛り込んだことを明らかにした。
民主、新教基法案要綱を了承 「宗教」自公にくさび
民主党は十五日、党教育問題調査会(鳩山由紀夫会長)の総会で、新法「日本国教育基本法案」の要綱を原案通り了承した。今月中にも衆院に提出する。自民、公明両党が明記を避けた「愛国心」や「宗教教育」の必要性を強調した同法案に対しては、「政局的な意図が込められている」(安倍晋三官房長官)との警戒感も出ている。
民主党案をまとめた責任者は総会後の十五日夕、安倍氏の発言について「与党から賛同者がないと民主党案は成立しないことも事実だ」と述べ、政府案に否定的な自民党の一部議員への配慮をにじませた。「日本を愛する心の涵養(かんよう)」をうたった民主党案に対し、政府案は「国と郷土を愛する態度を養う」という抑制的な表現にとどまっている。このため、「愛国心」という言葉そのものの条文化を求めていた自民党議員には、民主党案の方が賛同しやすいはず−との読みがある。
宗教教育への言及もポイントだ。「全日本仏教会(全仏)」が自民、民主両党に要望した、「宗教的な伝統や文化に関する基本的知識および意義は、教育上これを尊重しなければならない」などとした改正試案を、ほぼ踏襲した。
全仏は伝統仏教の主要五十八宗派で組織される財団法人。全国寺院の約九割が加盟し、公明党の支持母体の創価学会は加盟していない。全仏側は「自民党が党議拘束をかければ、政府案が成立する。だが、自民党内にもわれわれの訴えに理解を示してくれる議員もいる」(社会人権部)と、同党内からの“造反”への期待感を隠さない。
一方、小泉純一郎首相は十五日夜、首相官邸で記者団に「対案を出すのはいいことだ。もともと対立する法案ではない」と余裕を見せた。
産経新聞 2006年5月16日
教育基本法 民主が対案決める 「国」の表現避ける
民主党は12日の「教育基本法に関する検討会」(座長・西岡武夫元文相)で、政府の教育基本法改正案に対する対案を決めた。対案は前文と21条で構成。焦点の愛国心表記については「日本を愛する心を涵養(かんよう)する」という表現を盛り込み、「国」という表現は避けた。15日に上部機関「教育基本問題調査会」(会長・鳩山由紀夫幹事長)で正式決定する。
愛国心をめぐっては、政府案は「教育の目標」を定める第2条に「我が国と郷土を愛する態度を養う」と表記。民主党案は前文に「日本を愛する心を涵養し、祖先を敬い、子孫に想(おも)いをいたし、伝統、文化、芸術を尊び、学術の振興に努め、他国や他文化を理解し、新たな文明の創造を希求する」と記述した。前文に盛り込んだのは「条項に入れれば教育現場での愛国心の強要に波及する」との判断。さらに「涵養」という言葉で強制イメージの緩和を図った。
愛する対象を「国」ではなく「日本」とした理由について、鳩山氏は記者会見で「『国』というと政治機構が予想される恐れが消えないが、(日本という)名前を書き入れることで、その恐れも消える」と説明した。
検討会では「愛国心が本文に入らないと法的効果が働かない」「前文でも法律に書き込めば、教育現場での強制につながる」など賛否両論が出たが、最後は西岡座長に取りまとめを一任した。【衛藤達生、山田夢留】
◇民主党が12日にまとめた教育基本法改正の対案の前文要旨は次の通り。
我々が直面する課題は、自由と責任についての正しい認識と、人と人、国と国、宗教と宗教、人類と自然との間に共生の精神を醸成することである。
我々が目指す教育は、人間の尊厳と平和を重んじ、生命の尊さを知り、真理と正義を愛し、美しいものを美しいと感ずる心をはぐくみ、創造性に富んだ、人格の向上発展を目指す人間の育成である。
さらに、自立し、自律の精神を持ち、個人や社会に起こる不条理な出来事に対して、連帯で取り組む豊かな人間性と、公共の精神を大切にする人間の育成である。
日本を愛する心を涵養(かんよう)し、祖先を敬い、子孫に想(おも)いをいたし、伝統、文化、芸術を尊び、学術の振興に努め、他国や他文化を理解し、新たな文明の創造を希求する。
毎日新聞 2006年 5月13日
学習権など20項目を提示 民主、「愛国心」結論出ず
民主党は10日夜、「教育基本法に関する検討会」(座長・西岡武夫元文相)を党本部で開き、政府の教育基本法改正案に対する党見解策定に向け協議した。
西岡氏は、学習を基本的権利として認める「学習権」のほか、「建学の自由」「宗教・生命に関する教育」「教育財政」など20項目を「条文の柱」に据える考えを提示した。
焦点の「愛国心」の扱いをめぐっては、出席議員から「明記しないと『民主党は逃げた』と言われる。愛国心をきちんと明記して与党と対峙(たいじ)すべきだ」などの意見が出されたが結論は出ず、11日午前に引き続き協議することにした。
共同通信 2006年5月10日
教基法改正へ11日にも骨格 財政措置を明記、愛国心は結論出ず−民主検討会
民主党は1日午後、党本部で「教育基本法に関する検討会」(座長・西岡武夫元文相)の第2回会合を開き、政府が先月28日に提出した教育基本法改正案の対案の骨格を11日にも固めることを確認した。また、教育関連の国の十分な財政措置や宗教教育の必要性を明記することでは一致したが、「愛国心」に関しては、結論を持ち越した。
(時事通信) - 5月1日21時0分更新
<教育基本法改正案>
民主党 座長試案9日提示、11日対案
民主党は1日、教育基本法に関する検討会の会合で、11日に政府の教育基本法改正案に対する対案をまとめることを決めた。西岡武夫元文相が9日に座長試案を提示、3日間の議論を経て意見集約をはかる。西岡氏は「愛国心」の表記に関し「両論併記はありえない」と述べ、明記すべきか否か一定の方向性を出す考えを示した。
(毎日新聞) - 5月1日19時36分更新
来週「愛国心」で試案 民主の教育基本法論議
民主党の「教育基本法に関する検討会」(座長・西岡武夫元文相)は1日、党本部で会合を開き、政府の教育基本法改正案に対する民主党の見解取りまとめに向けて意見交換した。
会合では、来週中に見解を策定する方針を確認したが、焦点の「愛国心」をめぐる表現の扱いについては結論が出なかった。西岡氏が9日にもたたき台として試案を提示し、意見集約を目指す。西岡氏は会合後記者団に「法案のたたき台としてまとめる以上、『愛国心』であろうと、他の部分であろうと、両論併記ということはあり得ない」と強調、試案で方向性を示す考えを表明した。
政府案には、出席者から「教育現場の改革とは程遠い」「国の教育予算が少ない現状が放置されている」と批判が相次いだ。
(共同通信) - 5月1日19時33分更新