署名とともに寄せられた意見
教育基本法「改正」情報センターとしては特に募集しませんでしたが、電子署名と一緒に教育基本法や「改正」問題に関するご意見もいくつかお寄せいただきました。その主なものをご紹介します。
子どもたちの問題行動、非行、低学力、不登校などは、教育基本法を変えることで解決できるほど単純な問題だとは思えません。歴代の政府、文部省がつぐなうべき責任を、教育基本法の問題にすりかえるとはとうてい認められないことです。政府や文部科学省は腹の底では本当に子どもたちを救おうなどとは考えていません。真剣に今の子どもたちのことを考えているならば、わかりにくい教科書、身につけられないような詰め込みの漢字学習、系統性のない学習内容の展開は、早くから改善してきたはずです。教育現場はますます子どもたちを援助できがたい状況になってきました。教育基本法を変えるのではなく、教育基本法が指し示す自由な研究や創意的な教育実践を保障する学校にしてほしいものです。絶対、絶対「改正」案を廃案にします!
廃案を求める根拠を手続き面に限定せず、法案の内容にも立ち入った根拠にするべきではないでしょうか?
(大学教員)
今病気していて、思うように動けませんが、思いは皆さんとともにあります。よろしくお願いいたします。
(主婦)
いろんな意味で怖さを持つ教育基本法の改正には反対です。このままじゃ自分が子供を持ったとき、どうなるか分からない不安だらけの国になってしまう気がしてなりません。
子どもと日本の未来のかかった大闘争です。子どもをいじめることは絶対に許さない決意をこめてこの間国会傍聴もしました。絶対に廃案です。私もがんばります。
(女性団体役員)
あの厳しかった太平洋戦争から60年足らずで、戦争否定の憲法9条と教育基本法を葬ってアメリカの策動に協力するような東アジアの日本でいいのでしょうか。アメリカはイギリスにとりえずはお任せしましょう。日本が人民的・国際的観点に立って世界に輸出できるのは、戦争拒否ですアメリカの無駄な軍事費を減らしてこそ地球の未来は開かれるのです。それがわからないブッシュは世界一の大馬鹿者です。それが分からないアメリカ人民ではない事を祈ります。
(養護学校教員)
愛国心も強要は論外です、憲法19条の良心の自由を犯すものです。また第5条男女共学の条項が抜けるのは憲法24条および第26条に抵触します。改正案の第16条はその時々の国家権力の教育への介入・強制を合法化します。現在の教育基本法をより有効に生かして、子ども達の未来を明るいものにしていきましょう。
男女が同じ教育を受ける権利についての条文を削除しようとしていることが特に問題だと考えています。この条文を削除することは男女が平等に教育を受ける権利をなくそうとしているように感じられました。
「9年」の義務教育が「適切な年数」というものに変えられようとしていることも問題であると考えています。「9年」教育を受ける者と、9年よりも短い年数しか教育を受けない者の間に大きな溝ができてしまうのではないかということを危惧しています。
愛国心を法律で強制するのはよくないと思う。愛国心は戦争につながる可能性があると思う。国旗国歌法のような法律によって愛国心を義務付けているのはおかしいと思う。愛国心は法律で縛るようなものではない。
現在の教育基本法は「人間としての自立」を目指した法文になっているが改正案では「人材の育成」を目的にした法文になっており、企業にとって役に立たない人物に対して教育を与える気がない法律になってしまっている。教育というのは社会に貢献する人物を育てることではなく、その人物を成長させるためにあるもののはずです。
教員の崇高な使命。教員の人たちは、個人個人がその人なりの理念を持って教育に励んでいるのに、法律によって、教員の使命をつくり、それに従えというのは問題であると思う。教育者それぞれが自分の理念に従って、若者達を導くというシステムが理想的だと思う。
教員の側からすれば、「崇高な使命」といって政府の勝手な理屈を押し付けられても困る。
(大学教員)
自分は高校のときに教育基本法をはじめて知り、理念のすばらしさに感動した記憶があります。一部の人間が国を操るためにこの法律を変えてはいけない。こんなとき自分が無力に思えてなりません。ただひとつ今の自分にできることはこの電子署名に名を連ねることくらいです。
(大学院生)
現行の教育基本法は、高潔な文章で過不足なく教育の精神を表しているすばらしい法律だと思います。改定案は、内容如何の前に、俗悪で細かすぎる。
内容についていくつかあげれば
・なぜこの細かい法律において、あえて「男女の共学は認めなれければならない」をはずすのか。将来的には男女の共学を禁止するつもりか?とかんぐりたくなる。
・「9年の普通教育」の年限をはずすのも、もっと短い年限の教育しか“必要ない”とみなされる子を生み出すつもりだろうか。
・「教員は全体の奉仕者」「教育は国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」というのは、そのとおりだと思う。この大切な言葉は、「ほぼ現行法をなぞって、足りないところを付け加えました」という振りをしている改定案で、巧みに削られていますよね。
というような思いを、ぜひ一緒に届けていただきたいと思い、メールしました。
どうぞよろしくお願いします。
(高校教員(休職中)・大学院生)
教育基本法の改正法案に反対します。今必要なのは教育基本法を改正することではなく、その理念をきちんと理解して、理想に近づくように努力することだと思います。