地方政府、地域の動き(2008年9月)


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13知事が公表に賛意=学力テスト市町村別結果−時事通信調査

全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の平均正答率など市町村別データ公表について、47都道府県のうち少なくとも13都府県の知事が賛成の立場であることが28日、時事通信社の調査で分かった。大阪、鳥取の両知事が公表の有無によって市町村予算に差を付ける趣旨の発言をして波紋を広げたが、データ公表による学力向上効果などを期待する知事がほかにもいることが判明した。

調査は大阪、鳥取を除く45都道府県知事を対象に、記者会見や個別アンケートを通じて公表の賛否をまとめた。その結果、11都府県の知事が賛成の立場を示し、大阪、鳥取を加えると13知事に上った。

大阪、鳥取以外に「公表すべきだ」「公表が望ましい」など賛意を示したのは、秋田、山形、埼玉、東京、京都、岡山、高知、福岡、大分、鹿児島、沖縄の各知事。石井正弘岡山県知事は「説明責任を果たすべきだ」、仲井真弘多沖縄県知事は「住民を巻き込んだ学力向上運動が期待される」としている。

時事通信 2008年9月28日

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「吹田の子はかわいそう」 学テ結果非公表で橋下知事

大阪府の橋下徹知事は26日、同府吹田市教育委員会が全国学力テスト結果の非公表を決めていることに絡み、記者団に「吹田の子どもさんは本当にかわいそう。何とか救ってあげたい」と述べ、「点数だけで子どもは評価できない」と公表に反対した阪口善雄市長を「まだシーラカンスみたいなことを言い続けるのか」と批判した。

公表反対の理由に競争激化が挙げられることには「学力を上げるのも教員の仕事。僕が『弁護士は裁判だけじゃない』と言ったらクビだ」と強調した。

一方、府教委の取り組みが活性化しつつあるとして「僕は教育の中身から一歩引く時期かなと思っている」とも述べた。

これに先立つ府議会本会議で、橋下知事は民主党府議の代表質問に「(結果公表に)何の問題があるのか、さっぱり分からない」と発言。

府議が「くそ教育委員会」発言を撤回するつもりがあるかどうかただすと、自分が府内の公立校で学んだことを引き合いに出し「このような発言をする大人に育てたのも教育委員会だ」と答弁。激しいやじが飛んだが、閉会後、記者団に「あんなのはしゃれ以外の何物でもない」と話した。

共同通信 2008年9月26日

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全国学力テスト、平均正答率非公表を決定 大阪・吹田市と岬町

大阪府吹田市教育委員会と岬町教育委員会は24日、全国学力テストの平均正答率などを非公表とすることを決めた。橋下徹知事の強い意向で府教委が市町村教委に公表を要請しているが、田尻町もすでに非公表を決めている。

吹田市教育委員会は委員5人の全会一致で決定。正答率非公表のほか、学テの結果分析をより詳細にするよう求めた。会見で田口省一教育長は「公開の有無で予算配分に差を付けるのは地方分権に反している」と橋下知事の姿勢を批判。

阪口善雄市長は「あるべき教育の姿が十分議論されておらず、公表すべきでないと考えていた。委員会の適切な判断に敬意を表したい」とコメントした。

これに対し、橋下知事は「『点数だけでは公教育の成果は計れない』という阪口市長の考え方は古い。これでは市民がかわいそうだ。もっと勉強してほしい」と苦言を述べた。

また、岬町教委は非公表の理由について「結果が極端に上位か下位というなら公表のインパクトはあるだろうが、そうでない場合に公表しても児童、生徒の学力向上にはつながりにくい」としている。

MSN産経ニュース 2008年9月24日 20:53

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学力テスト 結果公開迫る声続々 地方の反乱 戸惑う文科省

大阪府の橋下徹知事が要求した全国学力テストの市町村別データ公表の是非について各地で議論となっている。予算を絡め市町村教育委員会に公開を迫った橋下知事に続いて、寺田典城秋田県知事は「私の責任で公開」、平井伸治鳥取県知事も非開示なら予算に差を付けると発言した。文部科学省は、いったん「市町村教委に要請するのは問題ない」と橋下知事の行動を容認してしまったため、“地方の反乱”に困惑気味だ。

橋下知事は、全国学力テストで2年連続して、大阪府の成績が低迷したことを受け、今月1日、府教委に対し原因究明のため市町村ごとの成績の公表を各教委に要求するよう指示した。

橋下知事は躊躇(ちゅうちょ)する府教委に対し「解散だ」と挑発。非開示の市町村には予算で差を付ける意向も示した(後に撤回)。

寺田秋田県知事は8日、県内市町村がデータを開示していないことについて「もしできないのなら、私の責任で公表せざるを得ないのかなと考えている」と述べ、知事自ら公表する考えがあることを明らかにしている。

平井鳥取県知事も9日、テストの情報開示をしている市町村としていないところに(財政的)差をつける考え方もある」と述べ、橋下大阪府知事同様、予算面で差をつける考えを示した。

文科省は、こうした議論に戸惑っている。

橋下知事は3日、陳情などで上京、文科省で銭谷真美事務次官と面談した際、銭谷事務次官から「府教委が市町村教委にデータ開示を要請するのは問題ない」と“お墨付き”を得ている。それが発言をさらに過激にさせたとの見方もある。

文科省では、学力テストの実施要領で市町村教委が自らの結果を公表することを認める一方、都道府県教委が管内の市町村別結果を一律に公表することは認めていない。今年8月、鳥取県の情報公開審議会が市町村別と学校別結果を開示するよう答申したが、県教委は「序列化を招く」と開示を見送った際も、文科省はこの要領の存在を強調していた。

鈴木恒夫文科相は9日、こうした動きを牽制(けんせい)、「無用な競争になる。実施要領を守ってほしい」とし、テストの目的はデータを集めることにあると強調した。非開示と予算を絡めることにも「知事としての思いは分かるが、お金の問題にまで広げるべきではない」と苦言を呈した。

ただ、全員を対象とする学力テストについて、文科省のスタンスは微妙に動いている。

当初は全国的なデータを集め、教委学校の指導法改善に利用するとしていたが、抽出テストと大差のない傾向が出てくると、「児童、生徒ひとりひとりの学力を把握する」と強調する。

お茶の水女子大の耳塚寛明教授は「分析が甘い。これなら抽出調査で十分だ」と指摘する。文科省は全員調査の必要性をきちんと示めさなければ、データ公開を迫る意見を押さえることは難しそうだ。

                   ◇

≪結果分析部署 文科省が新設≫

文部科学省は、全国学力テストの結果を多面的に分析し、学校現場の取り組みに反映させる部署を学力テスト実施本部内に新設した。

新部署は文科省と国立教育政策研究所の職員ら5人で構成。専門家や大学に昨年と今年のテスト結果を研究してもらい、成績が伸びた学校の指導方法や、生活・学習習慣と正答率との関係などを調査する。

産経新聞 2008年9月24日

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「教委制度は不磨の大典でない」 学テ問題で平井知事

鳥取県の九月定例県議会は二十二日、本会議を続開し、自民党クラブの内田博長議員(日野郡)が代表質問した。平井伸治知事は戦後誕生した教育委員会制度について、現在のシステムとしてうまく機能していない点を指摘。「(教委制度は)不磨の大典ではない」と述べ、在り方を議論する必要性を示した。

県教委の全国学力テスト結果の非開示決定後に「教委不要論」を提起した自らの発言の真意を問われて答えた。

平井知事は「開示しないから(県教委の姿勢が)けしからんというわけではない」と説明。小中学校教員の人事権が市町村教委にないなど運用上の問題や、予算権、条例の提出権が教委にないなどの弊害を挙げ、「学力テストで注目されているこの機会に振り出しから議論し直した方がいい」と持論を述べた。

また、結果開示に積極的な市町村に教育予算を重点配分する方針については「積極的な市町村を鳥取方式としてモデル的に支援するのもありだ」と強調し。来年度予算案の策定時期までに詰める考えを示した。

日本海新聞 2008年9月23日

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全国学力テスト:結果公表へ教育委員が異例の答弁−−県議会 /秋田

◇「比べれば不足部分が分かる」
県教委の北林真知子教育委員は19日の県議会一般質問で、全国学力テストの市町村別結果公表呼びかけについて「子供の不十分な分野を補完する基礎資料としてすべきだ。委員全員が賛成した」と答弁した。

北林委員はこの日欠席した委員長の代理として、市町村に公表を促すため県教委が実施している説得行脚について、門脇光浩県議(いぶき会派)の「教育委員会できちんと議論した結果なのか」との質問に答えた。

教育長以外の教育委員が答弁に立つのは04年2月以来。北林委員は「他の優れたところをみれば、不足している部分が分かりやすい」と自治体ごとに比べる大切さを訴えた。

また答弁後の取材に対し「自治体の中には、結果を教育委員にさえ公表しないケースがある。それでは市町村教委として機能しない」と指摘。「昨年の学力テストの結果を公表した十数カ所の自治体に確認したところ、デメリットはなかったとの回答だった」と話した。学校別の公表は不必要との立場を示した。

全国学力テストを巡っては、寺田典城知事は「各自治体が公表しない場合、知事の責任で公表する」との考えを示し、県教委も市町村教委に説得行脚している。【馬場直子】

毎日新聞・秋田版 2008年9月20日

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吹田市長が橋下知事を批判、市教委に学テ非公表を要請

大阪府の橋下徹知事が公表を求めている全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の市町村別成績を巡り、同府吹田市の阪口善雄市長は19日、市役所で記者会見し、「点数だけにこだわるのは教育の本質を忘れている。知事に対する宣戦布告です」と橋下知事を批判、公表しないよう市教委に要請したことを明らかにした。24日に開かれる市教委の定例会議で決定される。

市町村別成績については、府内ではすでに堺、箕面両市が平均正答率を公表。柏原、摂津、東大阪の各市教委も公表を決めている。

阪口市長は、公表を決める市町村が相次いでいることに対し、「公表か非公表かのばか騒ぎにはつきあえない。公表の是非ばかりに焦点をあてるのは不毛だ」と語った。

讀賣新聞 2008年9月20日

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学力テスト問題、大阪・堺、東大阪、箕面の3市教委が公表へ

大阪府の堺、東大阪、箕面の3市教育委員会は18日、全国学力テストの結果を公表することを決めた。このうち堺と箕面市教委は結果を公表、堺市の平均正答率は小学校が府の平均を若干上回り、中学校は下回り、いずれも全国平均を下回った。箕面市は小中ともに大阪、全国を上回った。両市教委ともにホームページなどで詳細を公表する。

この日、箕面市教委は臨時の会議を公開で開催、委員らから「過度の競争が生まれる」という意見も出たが、「保護者への説明責任を果たす」などの理由で公表を決定した。学校別の公表は行わない。

会議終了後、市民団体が「非常識だ」などと声をあげる場面もみられたが、小川修一委員長は「平均正答率を活用することが必要で、公表すれば学校と地域が協力して取り組むことができる」と述べた。

一方、堺市教委の会議は非公開で行われ、終了後に阪之上清以彌(せいや)委員長は「公表は橋下徹知事の考えとは、まったく関係ない。公表によって保護者に今まで以上に関心を持ってもらえる」と独自の判断を強調。委員から反対意見は出なかったという。

同様に公表を決めた東大阪市教委は「学校ごとの公表は望ましくない」との付帯意見を付けた。公表時期や方法は今後検討するという。

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学テ公表、市長ら賛同意見 教育で意見交換

全国学力テストの府内の市町村別平均正答率の公表を求めている大阪府の橋下徹知事は十七日、府内の市長らと教育について意見交換した。冒頭、「府民の負託を受けたわれわれが教育に取り組む運動を起こさないといけない」と呼び掛け、各市長からはデータ公表に賛同する意見が相次いだ。

橋下知事が呼び掛け、三十三市のうち十六市の市長が出席。それぞれに公教育についての現状認識や今後の課題について意見を述べた。

データ公表について、東大阪市の野田義和市長は「学力の数字をそれぞれで認識しないと改革なんてできるはずがない。まず公表は当たり前」と発言。守口市の西口勇市長は「知事の教育に対する考えは非常に素晴らしいと思っている。画期的な教育改革をしてほしい」とエールを送った。

市長会長である池田市の倉田薫市長は知事の教育に対する姿勢を評価した上で「頑張る地方を応援するような、削減するのでなく足してあげる取り組みをしていただきたい」と要望。データの公表を表明している柏原市の岡本泰明市長も「発表を宣言したが、知事も教育長も次はどのような施策で対応するのか考えていただきたい」と訴えた。

一方、貝塚市の吉道勇市長は「教育に介入ではなく連携、圧力ではなく心でいってほしい」と苦言。同市教育委員会では当初公表を検討していたが、知事の「甘ったれている」といった発言を受けて一転、「正答率は現時点で見送る結論になった」という。

橋下知事は真剣な表情でそれぞれの意見に聴き入っていたが、自身に対する賛辞に笑みを見せる場面も。最後は「住民に一番近いところで責任を持っている市長、村長さんが教育行政を引っ張っていくのが当たり前だと思う。ぜひ皆さんの教育行政を後ろからサポートさせていただきたい」と教育での地方分権を強調し、会を締めくくった。

大阪日日新聞 2008年9月18日

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橋下知事「これが政治家の感覚」 市長の学テ公表意見受け

大阪府の橋下徹知事は17日記者会見し、この日開いた府内の市長との意見交換会で、全国学力テストの市町村別結果公表に前向きな発言が相次いだことに「これが政治家としての感覚だ」と述べた。

橋下知事は「府民感覚(の有無)というのは、選挙の洗礼を受けているかどうかに尽きる」と続け、「公表しないのは教員の責任をうやむやにするためだけ。霞が関が機能していない典型的な事例だ」と断じた。

また、市町村の教育長が府教育委員会の結果公表要請に相次いで反発した状態を「市町村教委の事務局の反対意見は、首長の意識をどうやってくみ取ったというのか。僕はこれがまさに『関東軍』だと思う」と戦時中に暴走した軍部になぞらえて表現。教育委員会を「独断専行」と非難した。

知事は14日に民放テレビ番組に出演した際にも、市町村教委について「関東軍みたいになっている」と発言した。

共同通信 2008年9月17日

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全国学力テスト:公表反対、県教組申し入れ 知事と県教委に /秋田

県教職員組合(伊藤正通執行委員長)は16日、寺田典城知事が学力テストの一部自治体の順位を明らかにした発言について、学校現場に混乱を招く権限外発言は慎むよう求める申し入れ書を提出した。自治体別の結果公表に向け「説得行脚」を続ける県教委にも行脚の中止を求める申し入れ書を出した。

寺田知事あての書面では「自治体ごとの結果公表は自治体の教委に任せるべき。知事の発言は越権行為だ」と主張。都道府県教委が自治体や学校名の公表を禁じるテストの実施要領を守るよう要望している。

県教委には「説得行脚は実施要領の精神に反する行動」と指摘。行脚の中止以外にも「知事が一方的な結果公表をしないよう強力に働きかける」ことを求めている。【馬場直子】

毎日新聞・秋田版 2008年9月17日

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全国学力テスト:大阪・柏原市、結果公表へ 府知事の意向受け

大阪府柏原(かしわら)市教育委員会は16日、教育委員5人による臨時会議を開き、全国学力テストの同市の結果公表を決めた。橋下徹知事の意向を受け、府教委が府内市町村教委に市町村別の公表を要請しており、都道府県教委の要請を受けての公表決定は全国で初めて。小・中学校各2教科の正答率を含めた結果を公表する。

終了後、古川利章委員長(64)は「橋下知事に議論の火を付けられたのは確かだが、あくまで公表は独自の判断」と述べた。

柏原市では、4月の全国学力テストに中学校6校の生徒約680人と小学校10校の児童約790人が受験した。【平川哲也、曽根田和久】

毎日新聞 2008年9月17日

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教員昇任に推薦名簿 道内 大学同窓会など提出 道教委など受け取り拒否へ

道内公立学校の校長と教頭の昇任試験をめぐり、道教育大など一部の大学同窓会や北教組が、組織の推薦する受験者の名簿を事前に道教委と札幌市教委に提出していることが分かった。両教委は「合否に影響はない」としているが、大分県教委の汚職事件で昇任試験も透明化が問われていることから、本年度から名簿の受け取りを拒否することを決めた。

試験は例年、九月から十二月にかけて論文と面接を実施。教員経験者を含む職員らが合否判定を行う。昨年は両教委で約二千二百人が受験し、約七百人が合格した。

道教委は昨年、論文試験が終わる十月以降、道教大の五校(札幌、旭川、函館、釧路、岩見沢)と北大の同窓会、北教組などから、本庁と上川、石狩の両教育局のいずれかで、名簿を受け取った。

このうち、上川教育局には計九団体から名簿が寄せられた。一団体数人から七十人ほどで、名前のほか、経歴や教科ごとにつくる研究会での活動の様子を記したものも。道教委本庁に対しては昨年、名簿を提出した後、合否の発表前に結果を問い合わせてくる同窓会もあった。

札幌市教委も昨年十月ごろから、道教大の同窓会と複数の教科研究会から名簿を受け取った。一部には「ぜひ、ご活用ください」と、選考での配慮を求めたとも受け取れる添え書きがあった。

札幌での受験者数が最も多い道教大札幌校同窓会は「圧力ではなく情報提供。推薦する教員を調べてみてくださいというお願い」と説明する。

しかし、市教委側で名簿を受け取る学校教育部長は道教大札幌校出身の教員経験者が多く務めており、道外の大学を卒業した札幌市内の学校長は「組織として名簿を作って推薦する行為は不可解に映る」と話す。

名簿の授受は慣例化しているとされるが、道教委は「選考に全く影響を与えていない」、札幌市教委も「人事情報の一つとして受け取っていた。合否の参考にはしていない」という。

ただ、大分県の汚職事件を機に、教員採用だけでなく昇任試験でも選考の透明化が全国で進んでいる。このため道教委は各教育局に名簿の受け取りを拒否するよう周知、札幌市教委も「昇任で特定の人物を推薦する名簿類は断る」と話している。

北海道新聞 2008年9月15日

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市町村教委に公表要請=学テ結果−大阪府

大阪府教育委員会は10日、府庁で市町村教育長らと会議を開き、全国学力テストの市町村別結果を公表するよう要請した。会議の冒頭、府の綛山哲男教育長は「各市町村が課題解決のために、市町村単位での平均正答率や基本的な生活習慣などのデータも含めて、結果公表のあり方を検討していただきたい」と述べた。今後、各市町村は個別に公表するかどうかを判断する。

会議後、綛山教育長は「さまざまな意見が出たが、府教委からの要請は重く受け止め、検討していきたいという返答をもらったと理解している。(反対を表明した市町村は)なかったと思う」と述べた。

各市教育長らで構成する府都市教育長協議会会長の竹若洋三寝屋川市教育長は、「要請を重く真摯(しんし)に受け止めさせてもらうのが共通の姿勢だと思っている。ただ、会議では、市町村教委の悩みは出ていたように思う」と述べた。

また学校数が少ないため、市町村別結果の公表がそのまま学校の結果につながる側面がある田尻町と太子町の教育長らは、「平均正答率の公表は序列化につながる」との認識を示した。

全国学力テストの中学校国語・数学で都道府県中40位台となるなど、府が前回に続いて下位にとどまったことを受け、橋下徹知事は市町村別結果の公表を強く求めている。(了)

時事通信 2008年9月10日

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学テ結果公表は「予算査定の要素」=大阪知事

全国学力テストの府内市町村別結果の公表を求めている大阪府の橋下徹知事は10日の記者会見で、結果公表の有無を市町村に対する教育関連補助金の予算査定の重要な要素とする考えを示した。橋下知事は「地域連携の学校運営を行う方針の中で、(結果の)公表、非公表を一つの重要な要素にして予算査定させてもらう」と述べた。

また橋下知事は同日、市町村別結果を府に提供するよう財政課を通じて府教育委員会に要請したことを明らかにした。ただ結果が提供された場合の公表に関しては「文科省と市町村と都道府県が協定を結んでいる以上、取り決めは守らないといけない。ただ府民から情報公開請求が出てきた時は、情報公開法に基づいて公開、非公開を決めたい」と述べた。文部科学省は、都道府県教委が市区町村別の成績を公表することを学力テストの実施要綱で禁じている。(了)

時事通信 2008年9月10日

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中頓別の教育長非常勤化条例 文科次官「法令違反」

宗谷管内中頓別町議会が可決した教育長を非常勤にできる条例について、文部科学省の銭谷真美事務次官は八日の会見で「教育長の非常勤化は法令(地方教育行政法)に反している」と述べた。

銭谷次官は「教育長は教育委員としては非常勤だが、教育長としては一般職の常勤職員であるというのが法律上の解釈だ」と説明。その上で「現在、中頓別では町長が条例への対応を検討中と聞いている。文科省と道教委は、同町教委に教育長の非常勤化は法令に反すると伝え、町長とよく相談して対応するよう求めている」と説明した。

共同通信 2008年9月9日

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学力テストの市町村別成績 全国初、秋田県公表へ

寺田典城秋田県知事は8日の定例記者会見で、全国学力テストの市町村別成績について、「市町村教委や県教委が公表しないなら、わたしの責任で情報公開する」と、公表に踏み切る考えを明らかにした。県教委も公表を目指す意向。公表すれば全国初となる。

会見で寺田知事は「(公表する)権限があるとか、ないとかの問題ではない。実施主体は文部科学省だが、税金を使ったテストであり、結果を公表して活用することは県民の利益にかなう。背信行為にはならない」と語った。

平均正答率など市町村別成績に関する手持ちの資料を自らが公表し、昨年分も合わせて県民に示す考えも強調した。

市町村別成績の公表については、根岸均県教育長が、市町村教委への説得行脚に乗り出す考えを既に明らかにしている。今後、県教委が公表に踏み切る可能性があるため、寺田知事は「10月末ごろまでは推移を見守る」と話した。

一方、市町村教委は消極的で、潟上市教委は「序列化につながるという危機感がある」と指摘。小中学校が1校ずつしかない大潟村教委は「公表されれば、教師が指導力を問われかねない」と懸念する。

寺田知事の意向について文科省学力調査室は「公表は好ましくない。(市町村別成績を)公表しないことを前提に、市町村には参加してもらっている」との見解。全国では、鳥取県で県情報公開審議会が市町村別、学校別の成績公表を求めたが、同県教委が先月、市町村教委の根強い反発を考慮して非公表を決めた。

今年の全国学力テストで、秋田県は小学6年生が国語、算数の全教科で2年連続の全国1位に輝き、中学3年生も全教科が3位以内に入った。

秋田魁新報 2008年9月9日

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中頓別教育長が辞職 非常勤化条例の可決を受け

【中頓別】宗谷管内中頓別町の福家義憲教育長(63)が、同町議会が非常勤の教育長を選択できる条例を可決したことを受け、今月末までの任期を残し辞職したことが、五日までに分かった。

町教委などによると、三日の教育委員会定例会で、辞職届提出が報告され、同日付で認められた。野邑智雄町長も同意した。任期中の職務は、教育次長が代行する。

福家氏は、任期を残しての辞職について「今年六月ごろから、自分の力不足から辞めようと考えていたが、今回のことで非力さを特に強く感じ身を引くことにした」と、説明。

また、教育長の常勤、非常勤を教育委員会が決定すると定めた条例について「仮に非常勤となっても、スタッフが豊富な都市部と違い、常勤の業務が求められる。教育委員会には適正に判断してほしい」と話した。

福家氏は、前任者の辞職を受け二〇〇三年七月、町総務課長から教育長に就任。〇四年十月から二期目を務めていた。

北海道新聞 2008年9月5日 14:43

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中頓別町が教育長を非常勤化 全国初、条例案可決

【中頓別】宗谷管内中頓別町議会は二日の臨時議会で、教育長の身分を特別職とし「教育委員会が常勤か非常勤かを決定する」とする条例改正案を、賛成多数で原案通り可決した。教育長の非常勤化を盛り込んだ条例の成立は、全国初。

行革の一環として議員提案された。議長を除く議員七人のうち、提案者を含む四人が、従来は国の通達で常勤の一般職とされた教育長の身分について「二〇〇〇年の地方分権一括法の施行で自治体の裁量で決められる」との立場に立って賛成。一方、三人が「責任は重大で非常勤化に道を開くべきではない」などと反対したが、採決の結果、四対三で条例改正案が可決された。

同町教委の教育長は今月中に任期が切れるため、次の教育長選任の際から新条例が適用され、判断は教育委員会に委ねられる。ただ、教育長選任まで時間がないことや、町内の教育関係者らの間に反対する声が根強いことなどから、次の教育長選任では非常勤化は実現しないとみられる。

一連の動きを受け、道教委は八月二十八日付で、中頓別町教委の福家義憲教育長に対し「(教育長は)常勤の一般職」と明記された旧文部省通達(一九五六年)などを根拠に条例制定をするよう指導。道教委の吉田洋一教育長は「これまでの国の法令などで示されている通り、教育長の職は一般職に属する常勤の職員であると考えている。関係法令にのっとって責任ある教育行政の体制が確立するよう努めてもらいたい」とコメントを発表した。

北海道新聞 2008年9月2日 14:13

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