内閣府・教育再生会議・教育再生懇談会(2008年1〜3月)


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教育再生懇:第1次報告 小3から英語、5000校 留学生30万人計画

政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は26日、小学3年生から年間35時間以上英語教育を行うモデル校を5000校程度設置することなどを盛り込んだ第1次報告を福田康夫首相に提出した。文部科学省が近くまとめる教育振興基本計画に反映させるよう働きかける。(5面に報告要旨)

◇重点30大学指定
英語教育で小学3年生からの早期必修化を目標に掲げたほか、小中高校の英語教員の採用方法の改善、学習指導要領の早急な見直しなどを提案した。

このほか、「留学生30万人計画」に戦略的に取り組むよう明記。(1)現在は大学院30%、学部生70%の割合の大学の留学生を同数にする(2)質の高い留学生を受け入れる重点大学を30校指定する−−ことも求めた。

一方、有害情報から子供を守るため小中学生の携帯電話所持に法規制をかけることを検討していたが、第1次報告は「必要のない限り持つことがないよう保護者、学校はじめ関係者が協力する」などの文言にとどめた。

毎日新聞 2008年5月27日

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教育支出はGDP5%に 再生懇が振興計画に明記を提言

政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾長)は20日午後、政府が策定する教育振興基本計画をめぐり、教育の公的支出額の具体的な数値目標の明記を求める緊急提言を発表する。現在は国内総生産(GDP)比3.5%だが、少なくとも経済協力開発機構(OECD)加盟諸国の平均であるGDP比5.0%まで拡大するよう求める。

基本計画策定をめぐっては、文部科学省が教職員の定数増や高等教育への資金提供拡大などの数値目標の盛り込みを模索する一方、財務省が難色を示しており、政府内の調整はついていない。

朝日新聞 2008年5月20日

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教育ローンの対象者縮小=国民公庫

国民生活金融公庫は9日、「国の教育ローン」の融資対象範囲を縮小すると発表した。行政改革推進法などを踏まえ、利用可能世帯の年間所得上限額を引き下げる。他の政府系金融機関と統合し、日本政策金融公庫として生まれ変わる10月から実施する。

現在の上限は給与所得者で一律990万円(事業所得者は770万円)だが、10月以降は子供が1人の場合は790万円(同590万円)、2人の場合は890万円(同680万円)、3人の場合は990万円(同770万円)に変更する。(了)

時事通信 2008年5月9日

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学力担保策の検討を 首相、教育再生懇で要請

政府は25日夕、教育再生会議の後継組織として設置された有識者会議「教育再生懇談会」の初会合を官邸で開いた。福田康夫首相は大学の入学定員と志願者が同数になる「大学全入時代」の到来を踏まえ「高校、大学教育、大学入試の在り方について議論してほしい」と述べ、大学進学者の学力担保策を検討するよう求めた。懇談会では、高校と大学が協力して実施する「高大接続テスト」の創設案などが検討される見通しだ。

初会合では教育改革の在り方に関して幅広く意見交換。各委員からは「幼児教育、家庭教育が最も重要だ」「子育て関係の行政窓口が複雑なので『子ども庁』創設を検討してはどうか」との意見が出された。

子どもの健全育成に向け「携帯電話やインターネットの有害情報規制については大人の責任として取り組むべきだ」との指摘もあった。

共同通信 2008年3月25日

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高大協力の新テスト検討 首相、教育再生懇で指示へ

政府は24日、大学の入学定員と志願者が同数になる「大学全入時代」の到来をにらみ、教育再生会議の後継組織として設置した「教育再生懇談会」で、大学進学者の学力担保策を本格検討する方針を固めた。具体的には、高校と大学が協力して実施する「高大接続テスト」の創設案が協議される見通しだ。福田康夫首相が25日夕に官邸で開かれる懇談会初会合で「大学全入時代において、国際的に通用する人材育成の在り方が今問われており、議論を願いたい」と指示する。

高大接続テストは、中央教育審議会大学分科会の作業グループが提唱しており、対象には高校2年生を想定。面接、論文で意欲、適性をみるアドミッション・オフィス(AO)入試、推薦入試の拡大が「大学進学者の学力低下の要因になっている」との指摘を踏まえ、テストの成績で基礎学力を把握し、AO、推薦入試の合否判定に活用する構想だ。

このほか、小学校からの英語教育の実現や、首相が先の施政方針演説で表明した日本への「留学生30万人(受け入れ)計画」の策定も検討課題になる。

共同通信 2008年3月25日

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大学全入時代の対応検討へ=教育再生懇

政府は25日、教育再生会議の後継組織「教育再生懇談会」(座長=安西祐一郎慶応義塾長)の初会合を首相官邸で開いた。主な役割は同会議報告書の具体化の点検だが、福田康夫首相は「21世紀にふさわしい教育の在り方の議論をお願いする」として、「大学全入時代」を見据えた学力確保の方策やインターネットの有害情報対策など、同会議が積み残した課題の検討も指示した。

首相が言及したのは、(1)大学全入時代の高校教育、大学入試、大学教育(2)国際競争力向上に向けた留学生受け入れ拡大や英語教育(3)ネット社会におけるコミュニケーション能力の養成や有害情報対策(4)家庭教育や幼児教育−など。同懇談会は毎月1回の会合でこうした問題を話し合うが、報告書をまとめるかどうかは未定。

安西座長は記者会見で、家庭教育に絡み「子どもと付き合う時間が長くできる雇用形態、社会の在り方も考えないといけない」と指摘した。(了)

時事通信 2008年3月25日

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「教育再生懇談会」のメンバー、安西・慶応義塾長ら10人

町村官房長官は25日夕の記者会見で、政府の教育再生会議の後継組織「教育再生懇談会」のメンバー10人を発表した。

26日の閣議で設置を正式決定し、近く初会合を開く。座長には、安西祐一郎・慶応義塾長が就任する見通しだ。

安西氏以外のメンバーは次の通り。(敬称略)

赤田英博(日本PTA全国協議会長)、池田守男(資生堂相談役)、小川正人(東大大学院教授)、木場弘子(キャスター)、篠原文也(ジャーナリスト)、菅原真弓(東京都立川市立第九小学校教諭)、田村哲夫(渋谷教育学園理事長)、野依良治(理化学研究所理事長)、若月秀夫(東京都品川区教育長)

讀賣新聞 2008年2月25日 19:14

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教育再生会議:後継の「懇談会」設置へ 座長に慶応義塾長

政府は25日、安倍内閣の目玉だった教育再生会議の後継組織として、「教育再生懇談会」を設置すると発表した。メンバー10人のうち5人は中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の委員と臨時委員。再生会議は時に中教審と対立し、物議を醸したが、懇談会は協調路線で進みそうだ。

再生会議が1月末にまとめた最終報告が政策に反映されるかを点検する。座長は安西祐一郎慶応義塾長が就任の見通し。山谷えり子首相補佐官が運営を担当し、政府からは福田康夫首相、町村信孝官房長官、渡海紀三朗文部科学相が出席。来月、初会合を開く。

他のメンバーは次の通り。(敬称略)

赤田英博(日本PTA全国協議会長)▽池田守男(資生堂相談役)▽小川正人(東京大院教授)▽木場弘子(キャスター)▽篠原文也(ジャーナリスト)▽菅原真弓(小学校教諭)▽田村哲夫(渋谷教育学園理事長)▽野依良治(理化学研究所理事長)▽若月秀夫(東京都品川区教育長)【坂口裕彦】

毎日新聞 2008年2月25日 21:51

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提言実行へ新組織 教育再生会議が最終報告

政府の教育再生会議(野依良治座長)は三十一日、首相官邸で総会を開き、「社会総がかりで教育再生を」と題する最終報告を福田康夫首相に提出しました。

報告は、第一次報告(二〇〇七年一月)から第三次報告(同十二月)までの三つの提言について「すべて具体的に実行されてこそ初めて意味を持」つと強調。「提言の実効性の担保」のためとして、内閣に、後継組織にあたる新たな会議を設置し、実施状況を監視する仕組みを導入するよう要求しました。文部科学省などにも、実施計画を作成し、提言の内容を着実に実行するよう求めています。

首相は「新しい会議を内閣に設置したい」と表明しました。政府は二月中にも新組織を発足させます。

最終報告では、「取り組みのフォローアップ」が必要な主な項目として、▽徳育を「教科」として充実させ、必要な規範意識をしっかり身に付けさせる▽「ゆとり教育」を見直し、授業時数を増加する―などを挙げました。

そして、今後「六十年ぶりに改正された教育基本法を踏まえ、教育三法の施行や教育振興基本計画の策定など、いよいよ教育再生の本格的な実施段階」に入ると述べ、これが「教育再生の鍵を握る」としています。

最終報告には、提言の実施状況を点検する際の「チェックリスト」がつけられました。リストの「直ちに実施に取りかかるべき事項」には、「徳育の教科化」や「反社会的行動を繰り返す子どもへの毅然(きぜん)とした指導」など二十七項目が列挙されています。また、六・三・三・四制の弾力化、めりはりある教員給与体系の実現など九項目を、「検討を開始すべき事項」に挙げています。

解説 「安倍路線」継承に執念
教育再生会議(二〇〇六年十月発足)の最終報告は、三次にわたって発表してきた提言を着実に実行するための後継組織づくりを求めたことが最大の特徴です。実行する中身は、徳育の教科化、全国学力テスト、教員免許更新制などです。戦前回帰を狙うとともに、教育への国家統制を強め、競争原理をいっそう導入していこうという方向性を鮮明にしました。

最終報告は「提言は、すべて具体的に実行されてこそ初めて意義を持」つと強調しています。「教育再生会議の役割はこの最終報告で終了」するといいながら、官邸や文部科学省を動かし、今後具体的に、再生会議の主張を教育現場に押し込もうというのです。福田康夫首相も施政方針演説で「教育の再生に取り組む」と述べており、再生会議の「生みの親」である安倍晋三前首相以来の「教育改革」路線を引き継ぐ姿勢を見せています。後継組織も含め、今後の動向は決して軽視できません。

ただ、これは、国民や教育現場との矛盾を広げるだけの未来のない路線です。例えば、教員免許更新制や成果主義賃金の導入で、本当に「教員の質」が上がるのか。むしろ教師からやる気や団結を奪い、子どもより管理職の目を気にする教師を増やすだけではないか。精神的、財政的なゆとりを増やすことこそ大切ではないか―。教育現場や教育の専門家からは、こうした批判が起きています。

「一人ひとりの子どもに、目の行き届いた教育を」という、国民が願う教育改革の方向に、再生会議の提言はことごとく逆行しています。これを教育現場に押し付ければ、教育はよくなるどころか混乱するばかりです。「役割を終えた」再生会議の後継組織の設置は、きっぱりやめるべきです。(坂井希)

しんぶん赤旗 2008年2月1日

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道半ばの教育再生=「現場乖離」と批判も

公教育の立て直しを目的に発足した政府の教育再生会議が31日、1年4カ月にわたる論議に幕を閉じた。「ゆとり教育」の見直しを後押しするなど一定の役割を果たしたが、提言の多くは具体性に欠け、生煮えの印象がぬぐえない。

同会議は、教育再生を看板政策に掲げた安倍晋三首相(当時)の肝いりで2006年10月に設置。委員には、演出家の浅利慶太氏やシンクロナイズドスイミング元五輪代表の小谷実可子氏ら多彩な顔触れがそろった。

07年1月の第1次報告は「不適格教員」の排除を狙いとする教員免許更新制導入や、教育委員会への国の関与強化などを提言。通常国会で改正教育3法の成立に結び付いた。学力低下の原因とされる「ゆとり教育」の見直しも打ち出し、授業時間数10%増を掲げた。次期学習指導要領では、「ゆとり」路線からの転換が図られる見通しだ。

一方、相次ぐいじめ事件に対しては、いじめた児童・生徒に対する出席停止制度の活用を提唱。しかし、教育現場からは「いじめた側こそ更正させる必要がある」などと反発の声が上がった。専門家の間でも「会議の位置付けがあいまいで、教育現場から乖離(かいり)した議論だった」(尾木直樹法政大教授)と厳しい見方が出ている。

運営面でも、百家争鳴の議論で意見集約が難航するケースが目立った。教育現場に競争原理を導入する「教育バウチャー制度」をめぐっては、委員の賛否が真っ二つに分かれ「モデル事業の実施」という玉虫色の対応で決着。

議論を非公開としたことにも「密室」批判が付きまとった。

加えて、安倍氏の首相退陣で同会議は後ろ盾を失い、議論は一気に失速。07年6月の第2次報告に盛り込まれた「徳育」の教科化や、同年12月の第3次報告に明記された「6・3・3・4」制の弾力化といったテーマは、具体策が示されないままに終わった。

町村信孝官房長官は31日の記者会見で、「息の長い取り組みをしないといけない」と述べ、2月中に発足させる後継会議で、引き続き教育改革に取り組む考えを示した。しかし、政府内では「再生会議はアドバルーン。安倍さんと一緒にどっかへ飛んで行ってしまった」(文科省幹部)と皮肉る声すら漏れている。(了)

時事通信 2008年1月31日

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後継組織の設置要請=教育再生会議が最終報告

政府の教育再生会議(野依良治座長)は31日夕、首相官邸で最後の総会を開き、最終報告を福田康夫首相に提出した。第1次〜3次報告のうち、徳育の教科化など未実施の主要項目を再度掲載するにとどめた上で、報告の実
施状況を監視していく後継会議を設置するよう要請した。政府は2月中にも新組織を発足させるが、提言内容の具体化の働き掛けなどに役割は限定される見通し。

最終報告は、文部科学省など関係省庁に対し「実施計画を作成し提言内容を着実に実行することが必要」と指摘し、「国、地方公共団体、学校等の実施状況を評価し、実効性を担保する新たな会議を内閣に設けることが極めて重要」とした。

実施状況の点検のため添付したチェックリストでは、直ちに実施すべき事項に▽徳育の教科化▽小学校の理科、算数、体育、芸術の専科教員配置−などを列挙。検討すべき事項に▽スポーツ庁の創設▽現行の「6・3・3・4制」の弾力化▽幼児教育の無償化−などを挙げた。

同会議は教育再生を最重要課題に掲げた安倍晋三前首相の肝いりで06年10月に設置され、昨年12月までに3次にわたる報告をまとめた。しかし、首相交代に伴い提言の実現性が不透明になったとして、委員らが後継組織を強く要望した。(了)

時事通信 2008年1月31日

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提言実行向け新組織を 教育再生会議、首相に創設求める

政府の教育再生会議(野依良治座長)は二十二日、首相官邸で合同分科会を開き、これまでの提言を実行するための新組織創設を福田康夫首相に求めることで合意した。月内に提出する最終報告に盛り込む。分科会に出席した町村信孝官房長官は「実効性の担保は大切なので、しっかり受け止める」と述べ、政府内で検討する意向を示した。

新組織は官邸に設置し、同会議が昨年十二月の第三次報告までに提言した道徳教育「徳育」の教科化や、ゆとり教育見直し、社会人教員の大量採用などの実施状況をチェックすることを想定している。

同会議は福田政権下で提言の実現性に危機感を強めており、最終報告に盛り込むことにした。

北海道新聞 2008年1月23日

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教育再生会議、最終報告で「新組織」を要望へ

政府の教育再生会議(野依良治座長)は、これまでの第1〜3次報告の提言を実行するための新たな組織や制度の創設を政府に求めることを決めた。

今月末にまとめる最終報告に盛り込む方針だ。

2006年10月に、安倍内閣(当時)の目玉政策として発足した同会議は、最終報告で役割を終えるが、これまでの提言について福田内閣でも重要課題として取り組んでもらうためには、新組織が必要と判断した。

最終報告案では、教育再生会議の終了後に関し、「提言の実現とフォローアップ(追跡調査)が重要」と強調。その上で、「国、地方公共団体、学校などでの実施状況を評価、実効性を担保するための仕組みを政府が作ることを強く要望する」と明記する。

また、これから取り組むべき主な課題として、「教育内容」「教育現場」「教育支援システム」「大学・大学院改革」の4本柱を掲げた。

具体的には、ゆとり教育の一層の見直しや道徳を通じた規範意識の習得、学長のリーダーシップによる国立大学の改革などを挙げている。

讀賣新聞 2008年1月22日

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教育改革、官邸に新機関・再生会議の提案具体化

福田康夫首相は31日、官邸主導で教育改革を加速するための新組織を首相官邸に設置する方向で検討に入った。安倍晋三前首相が立ち上げた教育再生会議(野依良治座長)を引き継ぎ、同会議が打ち出した改革案を推進する母体とする。国民の関心の高い教育問題に福田政権としても重点的に取り組む体制を整える狙いだ。

新組織は教育再生会議が1月に最終報告をまとめるのを受け、「教育再生推進委員会」(仮称)として設置する案が有力。再生会議が打ち出した大学の9月入学の促進や社会人教員の大量採用、小学校から大学までの「6.3.3.4制」の弾力化といった改革案の具体化を検討。実現に道筋を付ける役割を担う。

日本経済新聞 2008年1月1日

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