教育再生会議(2007年6月)


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皇学館大:「教育再生の拠点に」教育学部新設へ 優れた教員養成、期待 /三重

教育再生の拠点に――。伊勢市の皇学館大学が来春から教育学部を新設し、3学部体制に生まれ変わる。27日、伊勢市神田久志本町の伊勢学舎本部棟で記者会見した伴五十嗣郎学長は「教育現場が荒廃していると指摘されている。問題の解決のため、教育再生の拠点として、優れた教員を養成していきたい」と強調、新学部の誕生に大きな期待が寄せられている。

今回の教育学部新設は、教員養成を目的に75年度に開設された文学部教育学科を昇格させた形。同大学の説明によると、教育学科をはじめ、国文学科や国史学科など、文学部の卒業生の内3900人余りが全国の教育界で活躍しているという。

教育学部に移行した教育学科は「学校教育」「幼児教育」「スポーツ健康科学」の3コース制で、定員はこれまでの120人から170人に増員。小学校と幼稚園教諭のほか、新たに中学と高校教諭の一種免許、保育士の資格が取得可能になる。在学中の学生は、文学部教育学科のままで移行しない。

社会福祉学部は98年度、福祉に貢献する実践的人材の養成を目的に、名張市春日丘に開校新設。「福祉支援」や「保健福祉」など5コースの「社会福祉学専攻」と「こども福祉学専攻」がある。介護福祉士や保育士などのほか、幼稚園教諭一種免許が取得できる。

問い合わせは、同大学入学試験課(0596・22・6316)まで。【加藤新市】〔三重版〕

毎日新聞 2007年6月28日

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山教組問題など活発に意見交換 甲府で民間TM

政府の教育再生会議に提言する「教育再生民間タウンミーティング」が甲府市で開かれ、教員や保護者ら約350人が参加、教職員組合の問題点などについて活発な意見が出された。

山梨県では日教組系の組合(山教組)の教員らが政治資金カンパ集めに奔走するなど不正行為が相次ぎ、文科省が平成17年末に県教委を指導したことがある。

パネルディスカッションに参加した皇学館大の松浦光修教授は「日教組問題を抜きにして教育再生を語ることはできない」と話していた。

産経新聞 2007年6月27日

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骨太の方針:教育再生、独立項目に 「格上げ」で与党に配慮

政府が閣議決定する経済財政運営の基本方針「骨太の方針2007」の原案が8日、明らかになった。素案段階で詰めきれていなかった教育再生で、教育予算拡充を求める政府与党に配慮し、独立した一項目に格上げ。授業時間数10%増や全国立大の9月入学導入など、政府の教育再生会議が1日まとめた2次報告書の骨格を盛り込んだ。

経済連携協定(EPA)交渉の加速については、締結国数の拡充や締結内容の質の向上を図る方針を打ち出し、軸となる自由貿易交渉(FTA)などについて、米国や欧州連合(EU)との交渉を、初めて「将来の課題」として明記した。

米国やEUとは、韓国がFTA締結を目指す取り組みで先行。このため政府は5月、EPA交渉の着実な進展を図るため策定している「EPA工程表」を改訂。米国とEUとの交渉の検討を明記しており、骨太の方針にも反映させることにした。

歳出歳入の一体改革については、「機械的に歳出を毎年均等に削減する手法は取らない」などとする文言を付け加えた。

毎日新聞 2007年6月9日

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教員給与削減や学校統廃合求める=財政審建議

財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は、2008年度予算編成に向けた考え方を盛り込んだ建議をまとめた。「今後とも安定的な経済・社会の発展を実現するため、財政健全化に向けた取り組みの歩みを緩めてはならない」とし、昨年の骨太方針で定められた歳出削減策の着実な推進を要請。同時に、高齢化に伴う社会保障給付の増大に対応するため、海外の事例を参考に50年程度の中長期的な財政推計を作る必要性も示した。また政府・与党内に地域間の税収偏在是正を求める意見が高まっているのを受け、偏在度の大きい法人事業税、法人住民税の見直しを求めたほか、地方公務員の給与適正化や後発医薬品の使用拡大なども掲げた。

安倍晋三首相が重点政策に掲げる教育分野に関しては、「効率化への取り組みや無駄を省く努力を行わず、増額のみが追求されれば、子どもたちは背負わされる借金が増えるだけ」と強調し、予算増額を訴える与党の動きをけん制。めりはりのある予算の実現に向け、公立小中学校教職員の給与削減や定数削減の継続、公立小中学校の統廃合といった改革策を並べた。

現在は学生数などで機械的に支出されている国立大学運営費交付金についても、「再編・集約化に資するよう、大学の成果や競争原理に基づく配分に見直す必要がある」とし、配分ルールの見直しを提言。ほぼ横並びとなっている国立大学の授業料見直しも促した。

時事通信 2007年6月7日

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安田・県教育長:再生会議の2次報告、「一斉解決は無理」−−市町との会議で /三重

教育課題の解決のために県教委と市町教委が意見交換する市町等教育長会議が4日、津市の県庁講堂で開かれた。


会議には、県内29市町の教育長や教育委員会職員ら約90人が参加。安田敏春・県教育長は、1日に出された政府の教育再生会議第2次報告の冒頭に記された、今の教育に必要な方向性や問題点について「真摯(しんし)に受け止めなければならない問題点が整理されている」と評価しながらも、具体的提言については「疑問を持たざるを得ないものがほとんど。子どもたちや学校現場それぞれの課題がある中で、一斉に制度改正で解決してしまおうとするところに無理がある」と述べ、全国都道府県教育長協議会を通じ、早急に再生会議や国に要望する考えを示した。

また、昨年11月から今年5月までに、児童生徒の個人情報が流出する問題が9件発生していることを取り上げ、個人情報を校外に持ち出さないことを徹底するよう要請した。【田中功一】

毎日新聞三重版 2007年6月5日

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三条で教育再生タウンMT

「日本教育再生機構」(東京・八木秀次理事長)が全国各地で開いている「教育再生民間タウンミーティング」が2日、三条市元町の同市中央公民館で開かれた。約140人が、著名人や教育関係者らによる教育改革の提言に耳を傾けた。

同機構は安倍内閣が「教育の再生」を政策に盛り込んだのを受け、国民の意見を改革に反映させようと昨年10月から各地で同様のタウンミーティングを開催、これまで10カ所で開かれてきた。

この日は八木理事長や和田秀樹・国際医療福祉大教授ら教育改革の論客として知られる著名人や、同市周辺の小学教諭、学習塾経営者、PTA関係者ら10人が、それぞれの立場から意見を述べた。

和田教授は授業についていけない子どもを減らすための指導の必要性を力説する一方、三条市に全国から優秀な教師を集めた進学校を新しく作ることを提案。「優秀な人を育てる学校を作ると、町おこしにもつながる」と述べた。八木理事長は道徳教育の必要性を訴えた。

ほかにもパネリストからは「動植物などの命を尊重する教育が必要」「ものづくりを教育に取り入れ、失敗することを覚えさせてみては」などの意見が出た。同タウンミーティングは30日午後2時から、新発田市の市生涯学習センターで開かれる。

新潟日報 2007年6月3日

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教育再生会議・有識者コメント

◇エリート教育の再生
堀田力氏(さわやか福祉財団理事長) 夏休みも土曜日も返上で学力向上を強いられ、その上、学校と親が協力して高い規範意識を植え付けられては、子どもたちの心は今以上に破壊され、無気力になるだろう。すべての子どもたちの調和のとれた人間形成を目指すならば、幼児教育から大学まで、現場の判断で多様な指導ができるよう大幅に権限と責任を学校に委ね、国は環境づくりに徹すべきだ。そうなれば社会も総掛かりで協力する気になる。報告は時代に合わない管理教育・エリート教育の再生を図るものだ。

◇徳育の教科化は「決意表明」
桜井よしこ氏(ジャーナリスト) 道徳教育は諸外国で当たり前なのに、日本は学校や先生によって取り組みに差があり、実質的に教えていないところがあるのは教育界の常識。徳育の教科化はしっかり教える決意表明としても意味があり賛成だ。ただ、多様な価値観があるため点数化は難しく、数値評価を見送ったのは妥当だろう。授業時間は10%増にとどめず、ゆとり教育の導入以前に戻すべきだ。子どもは磨けば輝く原石で、たくさん教えて刺激を与えないと退屈し、学校が嫌になる。(了)

時事通信 2007年6月2日

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<教育再生会議>授業時間増に学校現場では戸惑いや批判

「授業時間を増やせば、学力が伸びるとは言い切れない」「学力アップの取り組みは必要」。1日、政府の教育再生会議がまとめた第2次報告。安倍政権が掲げる学力向上のため盛り込まれた「土曜日授業」などに、学校現場では戸惑う声が目立つが、条件付きで賛成する意見もある。一方、親たちの反応もさまざまで、賛否は分かれた。「徳育(道徳)の教科化」については、教師らから「規範意識はいくら知識で教えても定着しない」と疑問が投げかけられた。【まとめ・高山純二】

■土曜日授業
学校週5日制は学校だけでなく家庭や地域と一緒に子供の「生きる力」をはぐくむことなどを目的に02年度から完全実施された。名古屋市の中学校に勤務する男性教諭(39)は本来の目的を強調したうえで「学力が低くなったから土曜日で補うというのは安易な考え」と批判する。「学力低下の最大の原因は『学ぶ意欲』の低下。現状のまま土曜日の授業を増やしても学力向上につながらない」(神戸市の高校教諭=53歳)と効果に懐疑的な声も多い。

しかし、学力低下への危機感も少なくない。大阪市の中学校長(59)は「学力低下の実感がある。授業時間を増やして深い内容を教えられるようにするのは賛成。だが、人員の手当が必要だ」と条件つきで賛成する。

土曜日授業には課題や問題点も山積し、教員の負担増や保護者の協力を心配する意見のほか「教育委員会も同じ勤務体制にならないと困る。事故が起きた場合、報告は週明けというわけにいかない」(栃木県日光市の小学校長=59歳)との声も。

■徳育教科化
徳育(道徳)の教科化では「評価」が最大の関心事だ。札幌市の小学校教諭(51)は「心の問題は踏み込んではいけない領域。教科にした場合、どう評価するのか」と困惑する。第2次報告は「数値評価」を否定しているものの「ほかの評価方法について具体的な審議は中央教育審議会に任せる」(再生会議事務局)と評価に含みを持たせる。東京都内の小学校教諭(52)は「今は点数化しないと言っても、そのうち定着度を見る数値評価が入ってくるだろう」と話す。

高校では00年12月にまとめられた教育改革国民会議の提案と同じ「奉仕活動の必修化」も提言された。福岡市の高校の校長(60)は「徳育は必要だと思うが、教科以外の日々の(教員らの)接し方が大事だ。奉仕活動もそもそも『ボランティア』の言葉の意味と矛盾している」と指摘する。

■親たちは
親の関心は、主に授業増の問題に集中した。

「土曜の授業はぜひやってほしい」と話すのはフリージャーナリストで4人の子供を育てる猪熊弘子さん(42)=東京都大田区。「土日に家で学習させろと言うのは無理。結局、塾や習い事に通って、金がある人とない人で差が出る。今のゆとり教育は自治体が子供に金をかけず、家庭に求めているだけだ」と言う。

一方、小6の男児がいる埼玉県新座市のNPO「新座子育てネットワーク」代表、坂本純子さん(45)は「長期休暇の短縮はまだしも、土曜も授業というのは子供にとって負担」と言う。「2日休むのが家庭のリズムになっており、親も子も混乱しそう。土曜休日で子供と向き合う時間が増え、地域交流の場も復活してきているのに。朝令暮改の感が強い」と憤る。

また、小学生の2児の父で、父親を支援するNPO「ファザーリング・ジャパン」(東京)の安藤哲也代表理事(44)は「授業増の是非の前に、PTAや学校など現場の声と関係なく、トップダウンで決められたことに抵抗がある」と、その手法を批判する。「ゆとり教育の転換だが、その総括はどうしたのか。大人がぶれるから子供もぶれる。子供より大人の教育が必要ではないか」

徳育についても意見はさまざま。子供2人をもつ自営業の男性(50)は「愛国心は本来当たり前。しかし、それを利用して『間違った愛国心』に導くような恐れを感じる」と批判する。小2の長男がいる東京都内の公務員男性(44)は「道徳の充実は賛成。提言は意味があることだと思う。しかし、まずは親がしっかりしないといけない」と注文をつけた。

▽弁護士で財団法人「さわやか福祉財団」の堀田力理事長の話 道徳は子どもたちがいろんな行動や体験の中で習得していくものであり、強制的だったり画一的に教えるものではない。強制的に詰め込めば子どもが反発するだけだ。教育再生会議は「上から管理して教え込む」姿勢に終始している。こういう発想は時代に合わないということを理解した方がいい。教育は学校現場に委ねるべきだ。

▽2人の子供を育てる漫画家、西原理恵子さんの話 公教育には何の期待もしていないから「あっ、そう」って感じ。それより、税金から給料もらってる政治家とか官僚とかは、自分の子を公立に入れなさいよ。保育園の送り迎えして学童保育に預けて、働いて働いて、そんで見えてくることを土台に教育を考えたら。再生会議より、まずそこからじゃ!

毎日新聞 2007年6月2日

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教育再生会議2次報告 年度内に指導要領改定 徳育を新設/土曜授業

教育再生会議の総会で野依良治座長(右)から第2次報告を受け取る安倍首相=1日午後、首相官邸

政府の教育再生会議(野依良治座長)は一日、首相官邸で総会を開き、第二次報告を決定し、安倍晋三首相に提出した。第一次報告で打ち出した授業時間10%増に向け、土曜日の授業を可能とし、道徳教育「徳育」を「新たな教科」とするために二○○七年度中に学習指導要領を改定するなど、緊急性の高い「四つの対応」を柱とした。学力と規範意識の向上を教育再生の柱に掲げる首相の意向を強く反映した内容となっている。

四つの対応は土曜日授業と徳育の新設のほか、《1》メリハリのある教員給与体系を目指し、○八年四月をめどに教員給与特別措置法などを改正《2》大学・大学院改革の目玉として、すべての国立大に九月入学枠を設けるために○七年度中に学校教育法施行規則を改正−が盛り込まれた。

政府は第二次報告を六月中に決定する「骨太の方針」に反映させる。

土曜授業は学校週五日制を基本としつつ、教育委員会や学校の運用によって○八年度にも実施が可能になる。

徳育は「新たな教科」としたが、点数による成績評価は行わず、正式教科化を見送った。また検定教科書を前提に「多様な教科書と副教材を機能に応じて使う」とした。

首相は総会で「この報告について教育現場の理解を得る努力をし、国民の理解を得て初めて、社会総がかりの教育再生ができる」と述べ、四つの対応に早急に着手するよう伊吹文明文部科学相に指示した。

このほか第二次報告では、授業時間増の方策として夏休みの活用や七時間目授業実施などを列挙。学校選択制を拡充し、学校の実績に応じて予算を配分する仕組みも提言した。小学校での集団体験活動、中学校での職場体験活動も実施する。

大学・大学院改革では、国立大の「大胆な再編統合」も提起。昨年の「骨太の方針」で抑制方針が決まっている教育予算では「効率化を徹底しながら、メリハリを付けて真に必要な予算は財源を確保する」として、与野党から要望が強い増額には慎重な表現となった。

世論の反発を受けた親学(おやがく)の緊急提言は取りやめ、「早寝早起き朝ご飯」などの生活習慣を身につけさせることを盛り込むのにとどめた。

十二月の第三次報告への検討課題では、学校選択を促進する教育バウチャー(利用券)制度や学校の「六・三・三・四」制の見直しを掲げた。

北海道新聞 2007年6月2日

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ニュース全国立大に9月入学枠

政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日、首相官邸で総会を開き、大学への9月入学の拡大、小中学校での授業時間増に向けた土曜授業の活用と道徳の教科化などを盛り込んだ第2次報告を決定し、安倍首相に提出した。

特に9月入学では、全国立大に新たな入学枠を設けるための今年度中の関連法改正を政府に求め、首相も伊吹文部科学相に対応を指示した。

報告は「公教育再生に向けた更なる一歩」と題し、「学力向上」「心と体」「大学・大学院改革」「財政基盤の在り方」の四つの柱からなる。第1次報告の「授業時間10%増」の具体策として、夏休みや土曜の活用、1日7時間授業の実施を提案したが、週5日制を基本とする制度は見直さなかった。

規範意識の向上のため、「道徳の時間」を教科「徳育」に格上げし、指導を充実するよう求めた。点数評価はせず、免許も設けないが、検定教科書や副教材を使用することを想定している。家庭教育の支援や育児相談の充実など、「子育て提言」の一部も盛り込んだ。

大学・大学院改革では、留学生の受け入れ拡大を通じて国際化を図るとした。国立大での運営費交付金の配分方法の検討、大学や学部の再編も打ち出した。

こうした中で、9月入学枠の設定のほか、〈1〉土曜授業などのための今年度中の学習指導要領改訂〈2〉道徳の教科化のための今年度中の指導要領改訂〈3〉教員給与体系にメリハリを持たせるための08年4月をめどとした教員給与特別措置法の改正――を「四つの対応」とし、政府が優先して取り組むよう求めた。

讀賣新聞 2007年6月2日

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教育再生会議 第2次報告決定 学力向上へ土曜授業可能

政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日、安倍晋三首相も出席して総会を開き、第2次報告を正式に決定した。緊急性の高い「4つの対応」として、平成19年度中に学習指導要領を改定し「徳育」を教科化することや、学力向上を目指し授業時間の10%増を図り、土曜日の授業も行えるようにすることを打ち出した。政府は2次報告を「骨太の方針」に反映させる。

「4つの対応」はほかに、めりはりのある教員給与体系を実現し、大学の4月入学原則を弾力化して全国立大学に9月入学枠を設定するという内容。20年4月をめどに教員給与特別措置法を、また19年度中に学校教育法施行規則をそれぞれ改正するよう求めている。

現在の「道徳の時間」を大幅に見直し指導内容、教材を充実させる「徳育」に関しては、従来の教科とは異なる「新たな枠組み」に基づき教科と位置付け、「多様な教科書と副教材を機能に応じて使う」よう求めた。数値による成績の評価や教員に対する専門免許の創設は見送った。

第1次報告で提言されていた授業時間を10%増やすための具体策としては、夏休みの短縮と活用、1日7時間の授業などを列挙。教育委員会や学校の裁量で、必要に応じ土曜日にも授業を行えるようにするとしている。

12月に予定される第三次報告に向けた検討課題については、(1)学校や教委の第三者評価制度(2)現行の「6・3・3・4」制のあり方(3)小学校での英語教育のあり方(4)行政が配布した利用券を使い、生徒が自ら選んだ学校に通う教育バウチャー制度−などを挙げた。

一部から反発を受けた「親学」の提言は、最終的に見送った。

産経新聞 2007年6月2日

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教育再生会議 『徳育』教科に格上げ 2次報告 土曜授業の実施提言

政府の教育再生会議(野依良治座長)は一日午後、首相官邸で安倍晋三首相も出席して総会を開き、第二次報告を正式に決定した。「授業時間数10%増」の具体策として土曜授業の実施に道を開いたほか(1)「徳育」(道徳教育)の教科化(2)大学の四月入学原則の見直しによる九月入学の大幅促進−などが柱。政府は二次報告を今月中にまとめる「骨太の方針」に反映させたい考えだ。

土曜授業は週五日制を基本としつつ、「教育委員会、学校の裁量で、必要に応じて行えるようにする」と明記。徳育は「従来の教科とは異なる新たな教科」と位置づけ、それぞれ政府に、本年度中に学習指導要領などを改正するよう求めた。徳育は、点数による成績評価はしないほか、専門の担当教員も設けないが、検定教科書の導入を前提としている。

大学・大学院の国際競争力強化については、今後十年以内に世界の大学・大学院の上位三十校に少なくとも五校は入ることを目指す努力目標を明記。九月入学を大幅に促進するため、大学の四月入学原則を見直すよう学校教育法施行規則の改正と同時に、全国立大に九月入学枠を設けるため、国がガイドラインを示すよう求めた。

教育予算の関連では、公立学校の教員給与の一律優遇措置を見直し、教員評価を踏まえたメリハリのある給与体系を実現するため、二〇〇八年四月をめどに教員給与特別措置法の改正を求めた。

十二月の第三次報告に向けた検討課題としては、学校、教育委員会の第三者評価制度や教育バウチャー制などを掲げた。

東京新聞 2007年6月2日

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大学や学校に「競争原理導入」 教育再生会議第2次報告

政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日、総会を開き、安倍首相に第2次報告を提出した。大学など学校間に競争原理を導入することで予算配分の適正化や教員の資質向上をめざすことを提言。授業時数(コマ数)を増やすために、必要に応じて夏休みや土曜日を活用することも打ち出した。個人の価値観にかかわる分野では、現在の「道徳の時間」を「徳育」として教科化することも提唱している。

この日の報告は今年1月の第1次報告を具体化したもので、その内容は6月中に閣議決定する政府の「骨太の方針」に盛り込まれる。安倍首相は1日夜、首相官邸で記者団に「こうすれば日本の教育は良い方向に変わっていくという提言をいただいた」と語った。

第2次報告には、第1次報告の目玉の一つだった「ゆとり教育の見直し」のための授業時数10%増の具体策として、夏休みや朝の15分、土曜の活用が盛り込まれた。土曜授業については、週5日制を基本としつつ、教育委員会や学校の裁量で必要に応じて補習などを実施できるとしている。

学校への競争原理導入は第2次報告の柱の一つで、成果に応じて国が予算配分する仕組み作りを要請している。学校間の競争によってレベルの底上げを図る狙いがあるが、学校間格差が拡大する恐れもある。

大学・大学院について「選択と集中による重点投資」と明記。国立大学法人運営費交付金は「基盤的経費を確実に措置する」とする一方で、研究・教育などの評価に基づいて「大幅な傾斜配分を実現する」とした。また、教員の人事・給与の年功序列をやめ、業績に連動した給与体系の導入を求めている。

小中学校では「地域の実情に留意」したうえで、教育委員会の独自判断で学校選択制を導入できるようにし、児童・生徒が多く集まった学校に予算配分を厚くする仕組みを検討。教員給与は勤務評定を踏まえた給与体系にすることを提言し、08年4月をめどに教員給与特別措置法を改正することを打ち出した。

首相がこだわる「高い規範意識」の育成をめざす方策も盛り込まれた。子どもの凶悪犯罪やいじめ、学級崩壊などが頻発していることから「規範意識や公共心を身につけ、心と体の調和の取れた人間になることが重要」と指摘。そのために「徳育」の教科化を打ち出した。点数評価はしないが、文科省検定の教科書を使用するとしており、道徳や規範の枠組みを国が「検定」することに異論も出そうだ。

家族や子育てに関しては、中学校、高校の家庭科で「生命や家族の大切さ、子育ての意義・楽しさを理解する機会を拡充する」と表記。ただ、母乳育児や子守歌の効用をうたった「子育て提言」は、政府・与党内からも異論が噴き出し、最終的に断念した。

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■第2次報告のポイント

●教育委員会や学校の裁量で、夏休み活用、朝の15分授業、土曜授業を実施して授業時数(コマ数)を10%増やす

●公立学校教員給与は評価を踏まえた体系にする

●教育委員会に「学校問題解決支援チーム」を設置、課題のある子どもや保護者との意思疎通に問題がある場合に解決に当たる

●現在の「道徳の時間」を徳育として教科化する

●全国学力調査の学力不振校に改善計画書を提出させ、国や教委は特別支援を行う

●幼児教育の将来の無償化を総合的に検討する

●大学・大学院での9月入学の大幅促進のため、学校教育法施行規則を改正する

●複数の大学が大学院などを共同設置できる仕組みを創設し、国立大を大胆に再編統合する

●国立大学法人運営費交付金は、基礎的な部分を確実に措置すると同時に、各大学の努力と成果を踏まえた配分になるよう新たな方法を検討する

朝日新聞 2007年6月2日

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教育再生会議 「徳育」新たな教科に 第2次報告 国家統制を強化

安倍晋三首相の直属機関である教育再生会議(野依良治座長)は一日、首相官邸で総会を開き、第二次報告を決定しました。報告は、「徳育」の教科化や授業時間数の10%増の具体化などが柱。一月の第一次報告で打ち出した教育への国家統制強化、競争と選別の激化の方向性をさらに推し進める内容です。

日本共産党の石井郁子党国会議員団・文教科学部会長は「安倍首相の戦前回帰的な発想や財界の競争至上主義の考えにそって、『教育再生』を考案しても、教育がよくなるどころか、現場を混乱させるだけです」とする談話を発表しました。

報告は、授業時間数の10%増の具体策として、夏休みの短縮や土曜日授業を提言。「徳育」を「新たな教科」と位置づけ充実させることを盛り込みました。これらを二〇〇七年度中の学習指導要領などの改訂で実施するとしています。

教員評価を踏まえたメリハリある教員給与体系を実現するとして、成果主義賃金の導入を打ち出しています。

大学・大学院「改革」では、全国立大学での九月入学の実現や国立大学での大胆な再編統廃合、予算配分における競争原理の拡大などを盛り込みました。

安倍首相はあいさつで、伊吹文明文部科学相に対し緊急性の高い「四つの対応」((1)土曜日授業(2)徳育の教科化(3)教員給与体系(4)大学の九月入学促進)の具体化に優先的に取り組むよう指示しました。

また、年末に決める三次報告への課題として、「六・三・三・四制」の改変、学校を予算で差別する教育バウチャー(利用券)制度導入などを掲げています。

第二次報告のポイント
一、授業時間数10%増の具体化(夏休み等の短縮、土曜日授業の実施など)

一、「徳育」の教科化

一、メリハリある教員給与体系の実現

一、大学の九月入学の大幅促進

一、国立大学の大胆な再編統合、競争的資金の拡充

しんぶん赤旗 2007年6月2日

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<教育再生会議>土曜授業、9月入学など提言 第2次報告

政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日、首相官邸で総会を開き、第2次報告「公教育再生に向けた更なる一歩と『教育新時代』のための基盤の再構築」を正式決定した。土曜授業の復活と「徳育」の新設に向け、学習指導要領の改訂などを今年度中に行うよう提言。安倍晋三首相が唱える大学の9月入学も、今年度中に学校教育法施行規則を改正し「全国立大学での入学枠」を設定するよう求めた。土曜授業と9月入学は、早ければ来年度から実現する可能性があるが、拙速な報告に対する懸念の声も出ている。

安倍首相は総会で「学力向上や徳育、大学改革で深い議論をいただいた。教育現場や国民の理解を得る努力をしたい」とあいさつした。第1次報告で掲げた「授業時間数10%増」を巡っては、土曜日や夏休みの活用、1日7時間授業などの案を示し、教育委員会や学校の裁量で選んで実施するよう提示。特に土曜授業は「学校週5日制を基本としつつ、総合学習などが行えるようにする」として、今年度中に学習指導要領を改訂し、実現につなげるよう求めた。

同時に、来年4月をめどに教員給与を一般公務員より優遇するよう定めた人材確保法を改正し、優秀な教員を優遇する給与体系の導入を明記。4月に実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で成績が振るわなかった学校に対しては、予算や教員配置で支援するよう提唱した。

道徳教育に代わる「徳育」は点数評価の対象としない「新たな教科」と位置付けるが、「多様な教科書と副教材」を使って授業を行うこととした。「多様な教科書」について、再生会議は「文部科学省検定教科書が前提」(同会議担当室)としているが、実現する場合、検定教科書発行には数年程度かかるとみられる。

第1次報告で示された「高校での奉仕活動必修化」に加え、小学校では集団宿泊体験や自然体験・農林漁業体験活動、中学校では職場体験活動を各1週間実施することも盛り込んだ。

大学・大学院改革は、すべての国立大学での9月入学枠の設定を提唱し、今年度中に関係法令を改正するよう求めた。複数大学が大学院を共同設置したり、一つの国立大学法人が複数大学を設置・管理する仕組みづくりも掲げた。

緊急提言を見送った「親学」に関しては、妊婦や子どもの検診の場を活用した子育て講座などを提唱し、家庭教育のための情報提供として「乳幼児にはテレビを長く見せない」などの「科学的知見」を紹介しているが、当初検討された「母乳による育児」の奨励は盛り込まれなかった。

ただ再生会議の議論に対し、政府与党内でも「家族の再生を言いつつ授業時間増を言うのはつじつまが合わない」(伊吹文明文科相)との懸念の声があり、2次報告を巡って教育論争は高まりそうだ。【平元英治】

◆第2次報告のポイント◆
・「授業時間数10%増」確保のための土曜授業=07年度中に学習指導要領を改訂
・道徳教育に代わり「徳育」を「新たな教科」として創設。「多様な教科書と副教材」で指導するが、点数評価はしない=07年度中に学習指導要領を改訂
・小学校で集団体験、中学校で職場体験活動を各1週間実施=07年度中に学習指導要領を改訂
・全国立大で9月入学導入=07年度中に学校教育法施行規則を改正
・全国学力テストの成績不振校に改善計画書を提出させ、予算や教員定数、人事面で支援
・テレビ視聴の抑制など「子育てにかかわる科学的知見」を情報提供

毎日新聞 2007年6月1日 21:37

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土曜授業実施を提言・08年度にも、教育再生会議2次報告

政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日、首相官邸内で総会を開き、第2次報告を安倍晋三首相に提出した。第1次報告で打ち出した「ゆとり教育の見直し」の具体化策として土曜授業の実施を提言。小中学校の道徳を「徳育」として正規科目とすることなどとあわせ4項目の緊急課題を示した。首相は伊吹文明文部科学相に実現を指示したが、教育の現場を大きく変える内容でもあり、曲折もありそうだ。

土曜授業は夏休みの短縮や早朝授業とともに、授業時間数を10%増やす目標を実現する方策との位置づけ。2007年度中に学習指導要領を改訂し、08年度からの実施を目指す。実施するかどうかは教育委員会や学校の裁量に任すが、動きが広がれば02年に完全実施した学校週5日制の事実上の廃止になる。

「徳育」を巡っては原則すべての小中学校で検定教科書をもとに授業をする。専門の免許は設けず、学級担任が教える。「国による価値観の押しつけ」との批判に配慮し、点数評価はしない。(21:02)

日本経済新聞 2007年6月1日 21:02

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大学9月入学・小中土曜授業など、教育再生会議が2次報告

政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日、首相官邸で総会を開き、大学への9月入学の拡大、小中学校での授業時間増に向けた土曜授業の活用と道徳の教科化などを盛り込んだ第2次報告を決定し、安倍首相に提出した。

特に9月入学では、全国立大に新たな入学枠を設けるための今年度中の関連法改正を政府に求め、首相も伊吹文部科学相に対応を指示した。

第2次報告は「公教育再生に向けた更なる一歩」と題し、「学力向上」「心と体」「大学・大学院改革」「財政基盤の在り方」の四つの柱からなる。第1次報告の「授業時間10%増」の具体策として、夏休みや土曜の活用、1日7時間授業の実施を提案したが、週5日制を基本とする制度自体は見直さなかった。

讀賣新聞 2007年6月1日 20:58

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<親学>政府提言に賛否が拮抗 毎日新聞世論調査

毎日新聞が5月26、27日に実施した全国世論調査で、親に向けた子育ての指針(親学(おやがく))を政府が提言することについて尋ねたところ、賛成47%、反対44%で賛否が拮抗(きっこう)した。公立小中学校の道徳教育の強化に対しては、賛成75%、反対19%だった。

政府の教育再生会議は1日の第2次報告で、子育ての指針は打ち出す一方、親学という表現は盛り込まなかった。

親学提言への評価を年代別に見ると、20代は賛成が68%で反対の28%を大きく上回った。30代、60代、70代以上も賛成が反対より多かった。逆に40代、50代はいずれも賛成が約4割で反対が約5割。これから子育てが本格化する世代と子育てを終えた世代で賛成が多く、思春期の子供を抱える世代で抵抗感が強い傾向が出た。

支持政党別では、自民、公明支持層で賛成がともに61%だったのに対し、民主支持層は反対が51%と約半数だった。「支持政党なし」の無党派層は賛成41%、反対50%だった。内閣支持層は賛成62%、不支持層は反対58%と対照的な結果が出た。道徳教育強化は全年代で賛成が70%以上を占めた。【中山裕司】

毎日新聞 2007年6月1日 19:43

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「徳育」新設へ指導要領改定=全国立大に9月入学枠−第2次報告・教育再生会議

政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日午後、安倍晋三首相や伊吹文明文部科学相も出席して首相官邸で総会を開き、第2次報告を正式決定した。緊急性の高い「4つの対応」として、2007年度中に学習指導要領を改定し「徳育」教科を新設することなどを打ち出した。政府は2次報告を6月にまとめる「骨太の方針」に反映させる。

「4つの対応」は徳育の新設のほか、(1)大学の4月入学原則の弾力化による全国立大への9月入学枠設置(2)土曜日授業(3)めりはりある教員給与体系の実現。そのために学習指導要領の改定とともに、教員給与特別措置法と学校教育法施行規則の改正を求めている。

時事通信 2007年6月1日

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評価重視の給与へ法改正 公立学校の教員評価

政府の教育再生会議(座長・野依良治理化学研究所理事長)は31日、6月1日に取りまとめる第2次報告に、公立学校について教員評価を踏まえたメリハリのある給与体系にするため教員給与特別措置法を2008年4月をめどに改正することなどを求めた「4つの緊急対応」を盛り込む方針を固めた。

第2次報告の提言内容のうち緊急性を要するものについて期限を明示しながら法的措置などを明記することで、政府側に強く実行を働き掛ける狙いだ。

教員給与特措法改正は、現行では一律4%となっている「教職調整額」を、教員の勤務実態や成果に合わせて支給率に差をつけることなどを想定している。

このほか(1)「ゆとり教育」見直しの具体策として、土曜日授業を行えるよう07年度中に学習指導要領などを改定(2)徳育(道徳教育)を教科化し、多様な教科書、教材を作成するため07年度中に学習指導要領などを改定(3)大学・大学院の4月入学原則を弾力化するため07年度中に学校教育法施行規則を改正−を打ち出す。

共同通信 2007年6月1日

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