新自由主義教育改革・学力テスト(2007年6〜9月)


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学力テストの成績に応じた学校予算配分、足立区が廃止へ

東京都足立区の区立小学校で起きた学力調査(テスト)の不正問題を受け、区教育委員会は来年度から、学力テストの成績の伸び率に応じて学校予算を配分する制度を廃止する方針を固めた。

成績を予算に反映させることが過度の競争意識をあおり、今回のような不正を招きかねないと判断した。

廃止されるのは、区立小中学校の予算の一部(今年度約2億6000万円)について、前年度の学力テスト結果の伸び率などの基準を反映して配分する制度で、今年度から始まった。

昨秋、区教委は学力テストの結果で学校を4段階にランク分けして予算を配分する方針を表明。その後、批判を浴びて撤回したが、成績の伸び率については配分の際に反映させていた。

讀賣新聞 2007年9月19日 20:22

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学力テストの事前配布 『一連の不正と別』

都が都内の公立小中学校を対象に行った学力テストの一部の問題を足立区教育委員会が事前に区立小中学校百十一校の校長に配った問題で、十一日に記者会見した区教委の斎藤幸枝教育長は「一連の学力調査の不正とは別物としてとらえている」との認識を示した。

区教委は二〇〇五年一月に実施された学力テストの一部の問題を約一カ月前の校長会で配布。一部の校長から「誤解を招くのではないか」などとの指摘を受けたため、都教委に報告して指導を受け、問題の漏洩(ろうえい)防止を重ねて校長に指示したという。

足立区では都や区が実施した学力テストのうち、〇六年一月以降の三回で、区立小学校一校の教員が児童の誤った解答を指し、正解を誘導した不正が今年七月に発覚。都教委が校長を更迭し、減給一カ月の懲戒処分を行った。

区も区教委事務局に行政監察を行い、区長が当時の事務局次長に文書注意を行うとともに斎藤教育長に再発防止を要請する異例の対応を取っている。

区教委自体が学力テストの成績アップを狙って不正を働いた疑惑が浮上したことに対し、斎藤教育長は「報告し、学力テストが適正に行われたということで都教委は了承した、決着をみたという形になっており、一連の不正と同じレベルの問題として(外部に)報告してこなかった」と説明した。さらに「事前に問題を配ったのは行き過ぎだったと思うが、それによって不正が行われたわけでない」と釈明した。

共同通信 2007年9月12日

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学力テスト 足立区教委、事前に配布 問題一部 校長会で『扱い任せる』

東京都が二〇〇五年一月に都内の公立小中学校を対象に行った学力テストで、足立区教育委員会が、事前に区立小中学校百十一校の校長に一部の問題を配布していたことが十一日、分かった。同区では都や区が実施した三回の学力テストで区立小学校一校の教員が児童の誤った回答を指し示し、正解を誘導していた不正が今年七月に発覚。都教委が校長を更迭し、減給一カ月の処分を出しているが、区教委自体が学力テストの成績アップを狙って不正を働いた疑惑が浮上した。

区教委によると、問題が配布されたのは〇四年十二月二十一日の校長会。小学校五年生用の四教科中の国語と算数、中学校二年生用の五教科中の国語と数学、英語の問題をそれぞれ、受付で区教委教育指導室側が校長らに配布した。

区教委は問題配布をした意図について「都の学力テストを受けるのは、小学校は初めてで、中学校も二回目だったので、地区番号や学校番号などの記入など円滑に実施されるため」と説明した。

配布の経緯に関して区教委は「当時の人に聞き取りはしているが記憶があいまい」「(だれが配布を決めたか)分からない」などと述べ、明確な説明ができなかった。

十一日に記者会見した区教委の斎藤幸枝教育長は、区教委ぐるみで不正を行ったと疑われる点について「事前に配布することは誤解を招く恐れがあり、すべきではなかった」と説明。「足立区は都が実施した中学校の一回目のテストで二十三区中最下位で、学力向上に力を入れるのは当たり前だと思うが、行き過ぎがあった」と話した。

区教委は問題配布の当日、事実関係を都教委に報告。この時点で都教委からは「秘密保持に十分気をつけるように」との指導があったという。

    ◇

校長会に出席した校長らによると、教委はテストの約一カ月前に開かれた会議の会場入り口で、問題用紙をまとめた冊子を各校長に配布。その上で担当者が「取り扱いは校長にお任せします」と発言した。校長から「事前に内容を見ておけということか」「対策問題を作れという指示か」などと質問が出たが、教委はこの場では否定せず黙認する姿勢を示した。

会議の終了後、一部の校長が担当者と別室で協議。「教育者として容認できない」などと強く抗議したところ、教委はこの日夕方になって各校に電話をかけ、問題用紙を金庫に入れて管理するよう指示した。

東京新聞 2007年9月11日

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試験前、校長に問題用紙配布=都の学力テストで足立区教委

2005年1月に実施された東京都の学力テストをめぐり、足立区教育委員会が試験前に区立小中学校長の集まる校長会で問題用紙の一部を配っていたことが11日までに分かった。区教委は同日記者会見し、「通常の(校内の)試験とは違うので、円滑に実施するため、教員向けにサンプルとして配布した。実害はなかった」と釈明した。

区教委によると、都の学力テストを控えた04年12月に校長会を開催。その際、区教委が校長に問題用紙の一部を封筒に入れて配布した。これに対し、校長の一部から「誤解を招く恐れがある」との声が上がり、区教委は「鍵の掛かる所で管理するように」などと指示した。

その後、区教委はテスト当日に実際に使う問題用紙を各校に送った。区教委によると、校長会で配布した問題用紙は事前に活用されることはなく、テスト後に各校が廃棄したという。

時事通信 2007年9月11日

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全国学力調査の結果公表は9月に 文部科学省

4月に実施された全国学力調査の結果公表について、文部科学省の金森越哉初等中等教育局長は24日、全国の都道府県・指定市教委の担当者会議で「9月中をめどに準備を進めている」と述べた。政府の教育再生会議は「夏休みから学力向上に取り組めるよう、結果を教委や学校に伝える時期を極力早める」ことを求め、学校現場でも2学期が始まる前を希望する声があったが、9月に落ち着いた。

今回の調査では、中学3年の記述式問題の採点で混乱が生じたことが、採点スタッフの話から明らかになっている。当初の想定より採点に時間がかかったことも、8月中に結果が公表できなかった一因と見られる。

文科省は来年度以降の調査について「採点を委託する業者と契約する段階で、作業の締め切りをより早くできるか検討する」としている。

全国学力調査は4月24日、一斉テストとしては43年ぶりに実施され、小6と中3の大半、約233万人が受けた。

朝日新聞 2007年8月25日

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学力テスト対策「市教委が指示」、全教教研集会で教諭報告

今年4月、43年ぶりに実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、学校現場がテスト対策に追われている事例が、19日までの4日間、広島県内で開かれた全日本教職員組合(全教)の教育研究全国集会(教研集会)で報告された。

文部科学省は、普段の学習の成果をはかるため、事前のテスト対策は行わないよう求めており、「特別な対策は必要ないはずなのに」と当惑している。

今回の教研集会では、「全国学力テスト」をテーマにしたパネル討論が行われ、この中で京都府内から参加した教諭が、京都府八幡市教育委員会が今年2月、各小中学校に、点数アップのための取り組みを計画書にまとめ、提出するよう指示していたと報告した。

同教委は、事前に公表されていた予備テストの問題を授業中に解かせたり、予想問題を作成して春休みの宿題にしたりといった具体策を例示。これにならって、各学校は、計画書を教委に提出したという。「今日の教育改革」の分科会では、東京都足立区の中学校教諭(58)が発言。同区内の小学校では、昨年4月の区独自の学力テストの際、校長や教員による正解誘導行為が発覚している。この教諭は「成績が学校の評価に直結するので、冬休みに補習をしたり、朝の授業前に過去のテスト問題を繰り返し練習させたりといった対策を日常的に行ってきた」と打ち明け、「学校に過剰に競争原理を持ちこめば、ほかの自治体でも同様の不正が行われる」と訴えた。

讀賣新聞 2007年8月19日 23:52

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学校ぐるみの不正認める 学力テストで足立区教委公表

記者会見する足立区教育委員会の斎藤幸枝教育長(中央)ら=16日午後、東京・足立区役所

昨年4月に実施された東京都足立区の学力テストの際、区西部の公立小で、試験中に校長と教員が児童の答案を指さして誤答に気付かせるなどの不正をしていた問題で、同区教育委員会は16日記者会見し、学校ぐるみで不正行為があったとする調査結果を公表した。

また、テスト後、同校以外にも小学校1校で、保護者の了解なく特定の児童を採点対象から除いていたことも明らかにした。斎藤幸枝教育長は「学校に対する管理不行き届きがあった」などとして謝罪した。

区教委は、テストがあった当時、同小に勤務していた全教員から聞き取り調査。校長と5人の教員が答えを間違っている数人の児童に対し、問題文を指さすなどして誤答に気付かせる不正をしていたことを確認した。

教員はそれぞれ、校長や副校長、主幹の指示があったと説明。校長は自分でコピーや指さしをしたことは認めたが、不正の指示は否定したという。区教委は「校長か副校長かは詰められなかったが、学校幹部の指示がなければ起きなかったこと」と、学校ぐるみだったとの認識を示した。

東京新聞 2007年7月16日 20:20

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校長、学力テスト中の児童に指で正答教える…東京・足立区

東京都足立区教育委員会が昨年4月に実施した学力テストで、区内西部にある区立小学校1校の校長と教員計6人が、テスト中に児童の答案用紙を見て回り、誤った解答を指で示すなどして正解を誘導する不正を行っていたことが16日、区教委の調査で分かった。

同校はこの学力テストで、区内での成績が前年の44位から1位に急伸しており、区教委は「管理職からの何らかの指示があった」と判断。今後、第三者委員会を設け、学力テストのあり方などを検討する方針だ。

今月7日、この小学校が障害のある児童らの成績を保護者の了解を得ないまま集計から除外するなどしていた問題が発覚。区教委が同校を含めた区内の全109小中学校を対象に調査し、この日、結果を発表した。

区教委によると、同校の校長と教員5人が、「(指で解答を誘導する)指さしをした」と不正を認めた。また、この5人を含む9人の教員が「管理職からの指示があった」と話しているが、校長や副校長は指示を否定している。

校長は、「本来なら正答できる児童の誤答に気付き、そのままだと力が正確に測れないと考えた」などと釈明しているという。

また、学力テストの問題をコピーすることは禁じられているが、同校を含む小学校4校と中学校1校は、昨年の試験直前に、コピーしておいた前年の問題を解かせていた。出題内容は毎年ほぼ同じなため、これらの学校の生徒が有利になった可能性がある。このうち1校は、試験後、区教委に事実関係を報告したが、区教委は「ほとんど影響はなかった」として放置していた。

一方、障害がある児童らのテスト結果を保護者の了解なしに集計から外した小学校が計2校あった。

同区では、02年度に学校選択制を導入し、05年度からは区独自の学力テストを本格的に始め、学校別の成績と順位を公表。07年度からはテストの成績の伸び率を各校の予算配分に反映させている。

讀賣新聞 2007年7月16日 21:09

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東京・足立区が臨時の校長会 各学校に調査依頼

東京都足立区が小中学校で独自の学力テストを実施した際、小学校1校が障害のある児童3人の答案を保護者の了解なしに採点から外していた問題で、区教委は9日、臨時校長会を開き、他の学校でも同様の問題がないか調査するよう指示した。国が今年4月に実施した全国学力調査についても調べるという。

校長会は、区内108の小中学校の校長ら代表者が出席し、非公開で行われた。区教委によると、今回の問題の事実関係などを説明したという。問題が発覚した小学校の校長は、区教委の調査があったため欠席した。

朝日新聞 2007年7月9日

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