参議院・文教科学委員会(2007年5〜6月)


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【参院本会議】文教科学委員長解任決議案、教育関連3法案を審議

教育関連3法案の強行採決を行った狩野文教科学委員長に対する解任決議案を議題に、20日午後、参議院本会議が開かれ、民主党・新緑風会から水岡俊一議員が趣旨説明を行い、蓮舫議員が賛成討論に立った。解任決議案採決後には、教育関連3法案が審議され、採決に先立ち、那谷屋正義議員が反対の討論を行った。

水岡議員はまず、解任決議案に先立ち、発言時間を10分に制限する動議が出され、与党の賛成多数で可決されたのに対し、声を荒げて「どういう意味があるのか。言論を封鎖する、良識の府としては全くはずかしい自殺行為」だと、与党の行為には強く抗議。そのうえで、慎重審議すべしとの民主党はじめ野党の主張を無視し、強行採決に踏み切った狩野文教科学委員長の強引な委員会運営に対し、「教育を最優先課題とする安倍政権にあるまじき行為」だとし、「未来を背負う子どもたちに顔向けできない蛮行」と批判した。

また、政府案、民主党案がそれぞれ提出されるなかにあっては、双方の法案について丁寧な審議を重ねるのが不可欠であり、順調に行われつつあったなか、それを打ち切った強引な委員会運営ははなはだ問題だとして、解任決議案提出に至ったと説明した。

解任決議案に賛成の立場から討論を行った蓮舫議員はまず、政府の教育関連3法案について、「この法案によって学校で起きている問題の何が解決するのか全くみえない」と指摘し、教育現場がかかえる問題解決に繋がらない現状を問題視した。

安倍首相が「不適格教員のチェックのため」と位置づけた教員免許法改正による更新制導入については、そもそも不適格教員は10年の免許更新期限を待つまでもなく迅速に対応すべきものであること、不適格教員が排除されていないのであれば免許更新制を導入する以前に現行制度の運用を改めるのが先であること、などを指摘。さらに、そもそも更新のために講習を受講する10万人もの教師に対する、講習場所の確保、日程の見通し、勤務の取り扱いなどに関して、すべて「検討課題」とした文部科学省の答弁を取り上げ、「つまり、まだ何も決まっていないということ」と分析。中身を詰めるためにも十分な審議が必要だったとして、強行採決は「やはり拙速だった」と改めて批判した。

討論後に解任決議案は採決され、賛成97、反対118で否決された。

続いて、政府提出の教育関連3法案に対する反対討論を行った那谷屋議員は、委員会における強行採決について「到底認められない」と強く抗議。今回の改悪意図が「井中(せいちゅう)より星を視れば、数星に過ぎず・・・」という喩えが指し示すように、狭い範囲しか見えない、見ようとしない一国の指導者の思い込みから生まれたものであったとしたら、子どもたち、教員にとってこれほど無惨なことはないとの見解を示した。

そのうえで、教育関連3法案について「改悪3法案」だとし、「国の権限を拡充し、学校の管理体制を強化し、教員に不必要な圧力をかける一方で、肝心の予算措置については腰が引けたままで、真の教育改革は臨むべくもない。これでは国の将来に希望の光が全く見出せない」と指弾。「改悪3法案に断固反対する」と表明し、討論を締めくくった。

教育関連3法案は賛成119、反対97で可決した。

民主党ニュース 2007年6月20日

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教育改革関連法案を可決 教員の質確保など 時代に即した制度に 参院文科委で谷合、鰐淵氏

教育改革関連法案は19日、参院文教科学委員会で、自民、公明の与党両党の賛成多数で可決された。同関連法案は、昨年(2006年)改正された教育基本法を具体化し、新しい時代に即した教育制度への改革を進めるもの。

学校教育法改正案では、副校長などの職を新設し、優秀な教員の待遇改善や、教員が子どもと向き合う時間を増やすため、事務負担の軽減を進める。また、教育基本法の改正を踏まえ、生命尊重の精神を育むことなどを義務教育の目標に規定した。教員免許法改正案では、常に一定水準の教員の質を確保するため、10年ごとの「教員免許更新制」を導入し、30時間程度の更新講習を義務化。さらに、「指導が不適切な教員」の認定を行い、指導改善研修を行う。

地方教育行政法改正案では、教育委員会の責任を明確化するとともに、重大な事案には国が一定の「指示」や「是正の要求」を行うことを明記した。ただし、過度の国の権限強化を防ぐため、法的拘束力を伴う文部科学相の「指示」は、いじめによる自殺などの場合に限られる。

採決に先立ち、公明党の谷合正明、鰐淵洋子の両氏が質問に立った。

谷合氏は、仕事量が多い教師へのサポート体制を強化し、子どもと向き合える環境整備を主張。また、教育委員会の独自性発揮について、いじめ問題への対応や体制の形骸化などで教育委員会が十分な役割を果たしていない点を指摘し、機能強化を訴えた。

安倍晋三首相は「教育委員会が本来の役割を果たすことによって教育の質の向上につながる」と述べ、教育委員会の責任の明確化や体制の充実に取り組む考えを示した。

一方、鰐淵さんは、教員免許更新制度の導入に対し、現場の負担が増えたり、締め付けにならないよう強調。また、私立学校の果たしてきた意義について、「建学の精神のもとに多様な教育機会を提供してきた」と述べ、地方教育行政法改正案の「27条2」規定が都道府県知事の介入を想定しているのではないかとの懸念を示し、その趣旨について聞いた。安倍首相は、「私立学校に対する知事の権限を変更するものではない」と答えた。

公明新聞 2007年6月20日

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教育3法成立へ 管理強化に懸念強く 学校現場や保護者ら 実効性を不安視も

「教育再生」に向けて安倍政権が最重要法案と位置付ける教育改革関連3法案が参院委員会で19日可決され、20日にも成立の見通しになった。果たして教育改革に結びつくか。九州の教育現場や保護者からは歓迎の声も聞かれたが、現場に対する管理強化への懸念も根強く、実効性を不安視する意見も目立った。

「教育再生は待ったなし」と安倍晋三首相が強調し、胸を張った3法案だが、福岡市の小学校長(57)は「具体像が見えにくい。実効性は今後の運用次第だろう」と慎重だ。同市の男性中学教諭(48)も「教育で重要なのは法律や制度ではなく、教師の人間性」と指摘し、法案の評価を保留。福岡県田川市の中学生の母親(37)は「今の教育に問題があるとの認識はいいが(教育再生会議がゆとり教育を見直すなど)国の方針がころころ変わるのもどうか」と戸惑う。

3法案では教員免許法改正案に関心が集中。

終身制の免許を10年ごとに更新し、更新時に30時間の講習を義務付けるが、同県筑豊地区の中学校長は「締めつけが厳しくなり、教員の個性が今以上になくなりそう」と危惧(きぐ)する。同県大牟田市の50代女性小学教諭は「講習に時間を取られ、現場が教師を育てるという原則が損なわれる」と懸念。熊本市の男性中学教諭(52)は「負担が増し、疲れ果てて辞める先生もいるのでは」、同市の中学生の父親(42)も「講習中の授業はどうなるのか。子どもへの影響が心配」と困惑する。

一方で、長崎市の小4の母親(31)は「教師が危機感を持つのは大切」と歓迎。北九州市の小学校長(56)も「教師も学ぶべきだ」と賛同する。

副校長、主幹教諭などを新設できる学校教育法改正案では評価が分かれた。大分県の男性小学教諭(47)は「教師は“平社員”時代が長すぎる。学校経営の視点から段階を踏んで校長になった方がいい」と歓迎。佐賀県伊万里市の小3の母親(38)は「管理職にゴマをする人が就くと、いじめなどを隠しそうだ」、北九州市の小4の父親(51)も「親や教委の顔色をうかがう特色のない教育にならないか」と懸念する。

法案が成立すれば、学習指導要領の改定なども進められる。長崎市の中学校長(57)は「学校が独自の教育実践にエネルギーを費やせるよう、現場を見据えた法の運用が肝要だ」と提言する。

西日本新聞 2007年6月20日

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【参院文科委】教育にもっと予算をと訴え 蓮舫議員

蓮舫議員が参議院文教科学委員会で、19日午後、政府の教育関連3法と民主党案について質した。

冒頭、蓮舫議員は「消えた年金記録」問題を取り上げ、1年以内で完了するとしているのは、5000万件の統合なのか、突合なのかを質した。安倍首相は、「突合」と答えた。このため、蓮舫議員は自民党のHPには統合とあることを示し、訂正するよう求めた。しかし、首相は分かりにくいため、統合としたのではないかとして拒否した。

教育関連法について、この法案ではあるべき学校の姿が見えないとして、どのような学校を描いているのか明確にするよう求めた。首相は、「安心・安全な学校」と答えた。

次に、教育にお金をかけるべき、教育分野には効率化、市場的なことをしてはならないとして、予算増を求めた。首相は、「予算を確保していく」とした。これに対して、民主党の発議者の鈴木寛議員は、「教育予算が対GDP比現在が3%なのを5%以上とする」と明確に答えた。

また、地球温暖化対策推進事業について、1日日当が7万6300円で114人日などがあり、総額約9640万円の人件費もあることを指摘し、これは無駄遣いではないのかと首相に感想を求めた。首相は、無駄遣いとは認めず、「いいのではないか」と答えた。

最後に、西岡武夫民主党発議者に、政府案に欠けている点を指摘するよう求めた。西岡議員は、「焦点をずらしている。あたかも教育改革をしているかのように見せている」と厳しく批判した。

なお、またしても参議院においても与党の強行採決の暴挙が繰り返され、政府の教育関連3法は可決した。

民主党ニュース 2007年6月19日

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【参院文科委】教育再生に向け教員待遇改善措置の必要性指摘 佐藤議員

参議院文教科学委員会で19日、参議院・新緑風会の佐藤泰介議員が質問に立ち、22年間教育現場に携わってきた経験を踏まえ、19日に決定した「基本方針2007」(骨太の方針)を踏まえた教育再生予算や教育振興基本計画で政府の示すべき姿勢等について、安倍首相はじめ伊吹文部科学大臣の見解を質した。

佐藤議員は、政府の教育関連3法と民主党案をめぐる議論はまだまだ不十分であるとの認識を示したうえで、安倍首相に対して十分な審議を尽すよう改めて要請。そのうえで「基本方針2007」に「教育再生を最優先の課題として取り組む」との節が盛り込まれたことをめぐり、安倍首相に対して一定の評価を示した。

そうした実態を踏まえて佐藤議員は、「真に必要な予算は確保する」とする安倍首相の答弁に関して、教員の増員・待遇の改善は真に必要な予算に含まれるのかを質問。首相は「能力のある、大変頑張っている先生を応援していく。給与についてもメリハリをつけていく」などとしたが、明確な答弁を回避。それを受けて佐藤議員は「「子どもとの触れ合い、習熟度別学習」といった首相が目指す方向を実現するためにも「教員の増員はまったなしの課題」であることを改めて指摘。教員の増員、待遇改善に取り組むべきだと強く主張し、予算を確保するよう迫ったが、首相も伊吹文科相も明言を避けた。

民主党ニュース 2007年6月19日

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2007年6月19日 参議院文教科学委員会
学校教育法等の一部を改正する法律案、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案及び教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべき
である。

一、教育は、我が国の将来を託す世代を育成する国政の最重要課題であることにかんがみ、国家的先行投資である教育予算の一層の拡充に努めること。

二、各学校が、多様な子どもの実態や地域の状況を踏まえた創意工夫ある教育課程の編成を通して、学校種ごとの目標を達成できるようにすること。

三、教員の多忙化を解消し子どもと向き合う時間を増やすなど教育の充実のため、小学校高学年での専科教員の増、習熟度別指導・少人数教育の拡充など、教職員定数の改善に努めるとともに、学校事務職員の任務を踏まえた有効活用、学校のICT化及び事務の外部委託化並びに外部の専門家及び地域人材の活用に努めること。

四、副校長等の新たな職を置く際には、教員間の適切な役割分担に資すると同時に、学校が保護者や地域住民の期待に十分に応えられる体制となるよう必要な定数を確保するとともに、職責に応じた処遇が図られるよう努めること。また、地方自治体や学校の実態を踏まえた配置がなされるよう努めること。

五、学校評価のガイドラインについては、各教育委員会及び学校による、地域の実情に応じた創意工夫に基づく学校評価の実践を尊重するとともに、評価結果が学校の序列化につながらないよう留意すること。また、学校評価の結果等教育活動に関する情報の積極的な提供を促すこと。

六、我が国の大学が人類の文化を継承発展させる知の拠点として、質の高い教育研究を行うとともに、将来にわたり国際社会を始め広く社会に貢献できるよう、基盤的経費を拡充するとともに、競争的資金を確保するなど必要な支援に努めること。

七、文部科学大臣が是正の要求や指示を行う以前に、地方自治体において地方自治の力を発揮するよう要請すること。また、文部科学大臣が是正の要求や指示を行うに当たっては、十分な情報に基づいた、慎重な運用に努めるとともに、紛争処理に関しては、地方自治法の適正手続を必ず踏まえること。

八、文部科学大臣が地方教育行政の組織及び運営に関する法律による是正の要求や指示を行うに際し、首長は教育委員会に対して支援等を行うこととすること。

九、知事が都道府県教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言・援助を求める際には、私立学校と協議するものとし、教育委員会は私立学校の自主性を尊重すること。

十、私立学校が全国、全学校一律の法律上の義務を担保できるよう、知事部局に学校教育に関する専門的知識を有する者を配置するなど体制の充実を促すこと。

十一、教員免許更新制の円滑な実施に向け、教員及びその他の免許状保持者等に対して制度の十分な周知を図ること。また、更新制の導入に伴う免許状授与原簿の管理システムの構築と運用に当たっては、遺漏なきよう万全を期すること。

十二、国公私立のすべての教員の免許状更新講習の受講に伴う費用負担を軽減するため、受講者の講習受講の費用負担も含めて、国による支援策を検討すること。

十三、教員の資質能力の向上という免許状更新制度の趣旨を踏まえ、任命権者は、学校現場の実態に即し、各教員の受講期間を的確に把握し、教員の安全と健康に配慮しながら受講機会の確保とともに受講時の服務の取扱いについても必要な配慮を行うこと。

十四、免許状更新講習の内容については、受講者に対する事前アンケート調査の実施、講習修了後の受講者による事後評価及びこれらの公表を行うなど、受講者のニーズの反映に努めること。また、多様な講習内容、講習方法の中から受講者が選択できるような工夫を講ずること。

十五、へき地等に勤務する教員や障がいを有する教員が、多様な免許状更新講習を受講できるよう努めること。

十六、現職研修と免許状更新講習との整合性の確保、特に十年経験者研修の在り方について検討すること。

十七、法施行後の実施状況を見極めた上で、現職教員以外の者であって教員免許状を授与されたことのある者の免許状更新講習の受講要件を拡大する方向で検討すること。

十八、大学における教職課程の見直し、社会人の教員採用など、養成・採用・研修を通じた教員の質の向上に努めること。

十九、教職に優秀な人材を確保するため、人材確保法の存続と教員の勤務実態を踏まえた給与財源の確保に努めること。

二十、指導改善研修に係る教員の認定に当たっては、任命権者による公正かつ適正な認定が行われるよう努めること。また、認定に当たっては当該教員の意見を述べる機会を設けるなど配慮すること。

二十一、学校は児童生徒が一日の大半を過ごす場であるとともに、地域住民の避難場所としての役割も果たしていることから、すべての学校施設の速やかな耐震化のために必要な措置を講ずること。

二十二、スポーツ等部活動を活発化するための支援を充実し、スポーツ指導者等の処遇改善に努めること。

右決議する。

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強行採決「やむを得ない」=安倍首相

安倍晋三首相は19日夜、教育改革関連3法案とイラク復興支援特別措置法改正案が参院の委員会で可決されたことについて、「約束してきたことが大きく前進した。重要法案が委員会採決されて安心している」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。

両法案が強行採決だったことについては、「選挙を前にした会期末はいつもそうなる。やむを得ないと思う」と語った。 

時事通信 2007年6月19日

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<教育3法案>野党抗議の中、参院委で可決 20日成立へ

安倍晋三首相が今国会の最重要法案と位置付ける教育関連3法案は19日夕の参院文教科学委員会で、採決に反対する野党理事らが委員長席に詰め寄り抗議する中、自民、公明両党の賛成多数で可決された。20日の参院本会議で可決、成立する見通し。採決に当たり自民、公明両党は「教育予算の一層の拡充」など22項目の付帯決議案を提出し、可決された。民主党の対案など4法案は採決されなかった。

可決された3法案は学校教育法、地方教育行政法、教員免許法の各改正案。首相は同委の総括質疑で「経済がグローバル化する中で、世界で競争に勝ち抜くたくましさも必要だ。競争力とたくましさと美しい心のバランスを達成するのも教育の役割ではないか」と答弁した。

学校教育法改正案は、義務教育の目標に「我が国と郷土を愛する態度を養う」との「愛国心」表記を盛り込んだほか、副校長などのポストを創設する。地方教育行政法改正案は、教育委員会に対する国の指示・是正要求権を新設し、99年の地方分権一括法で廃止した「是正命令権」を事実上復活させるもの。都道府県知事が行う私学行政への教委の助言・援助規定も設ける。

教員免許法改正案は、教員免許の有効期間を10年とした上で免許更新制を導入するもので、09年度から教員免許の更新制度をスタートさせ、現職の教員にも講習修了を課す。

首相は1月24日、相次ぐいじめ自殺事件、高校での履修単位不足問題が発覚したことを受け、3法案提出を表明。その後文部科学相の諮問機関、中央教育審議会での異例の集中審議を経て、政府は3月30日に3法案を国会に提出。法案は5月18日に衆院を通過した。【平元英治】

毎日新聞 2007年6月19日 21:21

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教育改革3法、20日に成立=与党の強行採決で可決−参院文科委

参院文教科学委員会は19日夕、教育改革関連3法案について採決を行い、与党の賛成多数で可決した。3法案は20日の参院本会議で可決、成立する見通し。

年金問題などで支持率低迷が続く安倍晋三首相は、内閣の最重要課題に掲げる「教育再生」で巻き返しを狙う。しかし、19日の同委では、野党が反発し、怒号が飛び交う中で与党側が採決を強行。審議は混乱の中で終結した。

今国会の最重要法案の1つに位置付けられる3法案は、教育職員免許法、地方教育行政法、学校教育法の各改正案で構成される。教育職員免許法改正案は、現在では終身有効の教員免許に、10年ごとの更新制を導入する内容。更新制は2009年度にスタートする。 

時事通信 2007年6月19日

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教育関連3法:参院公聴会、公述人が意見−−いわき /福島

参院文教科学委員会(狩野安委員長)の地方公聴会が12日、いわき市内のホテルで開かれ、3人の公述人が意見を述べた。学校教育法の改正案をはじめ、教育改革関連法案などを審議する準備として、民間の意見を聞く場として開かれた。

公述人に選ばれた前石川町教育長の吾妻幹広さん(淺川町)は改正に賛成の立場から、教育への予算獲得に努力してほしいと注文。学習塾長の渡辺稔さん(いわき市)は、児童生徒の学力向上のためには、教員に教材研究の時間を与える必要性を訴えた。

元教員で主婦の中島啓子さん(同)は、教育委員に保護者や女性を選任することに賛意を表した。委員からの質疑応答もあり、最後に狩野安委員長が「皆さんの意見を今後の委員会に反映していきたい」とあいさつした。【田中英雄】

毎日新聞 2007年6月13日

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教育改革法案で公聴会 参院文科委 横浜、水戸市で開催 福本、鰐淵氏が見解聞く

参院文教科学委員会は11日、教育改革関連法案について、横浜市と水戸市で地方公聴会を開き、公明党から福本潤一、鰐淵洋子の両氏が公述人に見解を聞いた。

横浜市の公聴会で福本氏は、地方教育行政法改正案など教育改革関連法案に関して、過度の国の権限強化は望ましくないとの立場から教育に対する国の関与の在り方について見解を求めるとともに、見直しが議論されているゆとり教育の在り方について意見を聞いた。

元公立小学校長の加藤澄代さんは、教育に対する国の関与について、「教育の独立はとても大切なこと」と強調。時の政治権力の影響を受けにくい教育システムの構築が重要だと主張。また、ゆとり教育の在り方について「先生方が納得して取り組める環境づくりが重要」と述べた。

また、水戸市の公聴会で、鰐淵洋子さんは、今回の法改正について「新しい時代にふさわしい教育システムの構築のための法改正だ」と述べ、より良い教育環境の整備が大きな焦点との考えを強調。その上で、公述人に対し、子どもや教員にとって、どのような環境づくりが必要か聞いた。

水戸市教育委員会の鯨岡武教育長は「学校を支援する環境づくりが必要」と述べ、保護者や地域住民が、子どもたちの学校での生活ぶりを知った上で、応援していく状況をつくることが望まれると語った。

また、鰐淵さんは、副校長が新設された際に校長はどのような役割を担うべきか尋ねた。

根本健一郎・元神栖市立神栖第三中学校長は「現場の教師が何でも相談できる上司であればよいのではないか」と述べた。

公明新聞 2007年6月12日

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教育委員会を活性化 私立学校の自主性尊重を主張 参院文科委で鰐淵さん

7日の参院文教科学委員会で公明党の鰐淵洋子さんは、教育関連法案に関して政府の見解を求めた。鰐淵さんは、いじめや未履修などの問題に対して、名誉職化している教育委員会では教育政策や教育行政運営などの本来の目的を果たすことは困難と指摘し、法改正による責任体制の明確化や体制の充実など、教育委員会の活性化を求めた。

伊吹文明文科相は、教育委員会がうまく機能していないことを認めた上で、「保護者、地域の方もできるだけ教育委員会に入れられるよう法改正したい」と述べた。

また、鰐淵さんは、教育基本法に「私立学校」について規定されたことに関し、私立学校の自主性・建学の精神を損なうことがないよう訴えた。

一方、鰐淵さんは同日午前、参考人質疑を行い、私立学校が独自性を発揮するための教育行政のかかわりについて意見を聞いた。参考人の梶田叡一・兵庫教育大学学長は、多様な教育機会を提供できる私立学校を必要以上にチェックしないことだと述べた。

公明新聞 2007年6月8日

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私学の自主性を尊重 教委の知事への助言 事前の了解が前提 参院文科委で風間氏

5日の参院文教科学委員会で公明党の風間昶氏は、地方教育行政法改正案に関して、「私学の自主性、独自性の尊重は、教育基本法の大事な理念だ」と強調し、私学に関して、知事が教育委員会に助言を求められるとする改正点について、政府の見解をただした。

伊吹文明文部科学相は、「私学が日本の教育の中で大きな役割を果たしているのはまぎれもない事実」と強調。その上で「戦前の反省から(私学は)教育委員会ではなく知事部局に所管をさせている。一方で知事部局は、自治体の人繰り(人事)などで、指導主事をほとんど置いておらず、必要が生じた場合は、知事は私学と話し合って、私学の了解を取って、専門家のいる教育委員会に助言を求められるようにした」と法改正の趣旨を説明。「このことによって建学の精神に介入されることがないように十分留意をして運用されることを期待している」と強調した。

公明新聞 2007年6月6日

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教員の資質向上 日常的に支援必要 「育てる教育」の重要性を確認 山本かなえ、鰐淵さん

31日の参院文教科学委員会で公明党の山本かなえさんは、3月29日の同委員会での質問で、学校耐震化を進めるための調査分析を専門家も交えて行うよう要請したことについて進ちょく状況を確認。

文部科学省の池坊保子副大臣(公明党)は「要請を受けて、4月に有識者ワーキンググループを設置し、これまで2回、会合を開いた。今後も学校耐震化の現状把握と指導に力を入れていく」と述べた。

また、山本さんは、教員免許更新制度導入について触れ、「免許更新のための講習によるスキルアップばかりでなく、資質向上のための不断の努力を支援していくことも重要だ」と指摘。文科省の銭谷眞美・初等中等教育局長は「教員が日常的にスキルアップできるよう、各都道府県の取り組みなどを後押ししていきたい」と述べた。

これに先立ち行われた参考人質疑で、公明党の鰐淵洋子さんは、知識だけになりがちな「教える教育」ばかりでなく、体験を通して子どもの感受性を養う「育てる教育」を広めていくことの重要性について参考人から見解を聞いた。

公明新聞 2007年6月1日

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青年海外協力隊 教員参加を推進 途上国の経験が教育力高める 参院文科委で鰐淵さん

29日の参院文教科学委員会で公明党の鰐淵洋子さんは、教員の質向上へ、青年海外協力隊の「現職教員特別参加制度」の活用を主張した。

鰐淵さんは、鉛筆を手に入れるのも大変な環境で勉強に取り組む子どもたちとの触れ合いなど、同制度で途上国を訪れた教員の事例に言及。「日本に戻り、自らの姿勢が変わった時に子どもたちに笑顔が出てきた」との体験談を紹介するとともに、その経験を子どもたちに伝えることで「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」との教育基本法がうたう教育の目標の達成にもつながると指摘し、同制度の積極的な活用を求めた。

伊吹文明文科相は、「(諸外国との違いに気づくことで)日本を理解すると同時に、その国の文化を持ち帰り、日本人が理解していくのはとても良いこと。積極的に推進したい」と述べた。

公明新聞 2007年5月30日

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教育と福祉の連携を主張 参院文科委で山本保氏

22日の参院文教科学委員会で公明党の山本保氏は「教育の質を高めるには、優れた人材の確保が必要」として、多様な人材の活用、学校現場の定数改善を主張。さらに、学校と家庭、地域の連携を進めるにあたり、福祉の観点が重要と指摘。子どもと問題を共有し、学校や親との関係調整などを図るスクールソーシャルワーカーの学校や地域ごとの配置を訴えた。

安倍晋三首相は、「教員が子どもと向き合う時間を確保することは極めて重要」として、事務量の軽減や事務体制の強化を進める意向を表明。池坊保子文部科学副大臣(公明党)は、スクールソーシャルワーカーの設置に前向きに取り組む考えを示した。

また、山本氏は、愛知県長久手町の立てこもり事件で殉職した林一歩警部に哀悼の意を表した上で、今後の銃規制などで政府の見解を求めた。

安倍首相は、林警部について、「尊い職務行為に対し可能な限り報いていきたい」として、弔慰金や叙勲を検討する考えを表明。今後の対策について「警察当局で検証を行った上で、必要な措置を講じる」と述べた。

公明新聞 2007年5月23日

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教員の創意生かす制度に 教育関連法案 参院で審議入り 本会議で鰐淵さん

学校運営体制の充実や免許更新制導入による教員の質の確保などを進める政府提出の教育改革関連法案は21日、参院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。公明党から鰐淵洋子さんが質問に立った。

鰐淵さんは、教育行政のあり方や責任の所在に関して「教育の実施主体はあくまで学校。学校の裁量を広げ、教員の創意工夫が生かされる制度にすべき」と強調。教育行政の理念について、「管理監督型」ではなく現場重視の「サポート型」に転換すべきと主張した。

これに対し、安倍晋三首相は、「教育は、子どもたちや地域住民に身近な学校が、それぞれの創意工夫を生かして主体的な活動を展開していくことが重要。今後とも学校の主体的な教育活動を支援していく」と述べた。

鰐淵さんは、地方教育行政法改正案の検討段階で、私学に対する指導の一部を教育委員会が担うとの考えが示されたことに言及。公明党の主張を受け、教委は直接、私学に関与せず、私学に関する教育行政は基本的に現状維持としたことを評価。その上で、私学に関して知事が教委に助言を求められるとする改正点について、「私学の自主性を損なわないよう法的歯止めが必要ではないか」と述べた。

安倍首相は、助言の内容について、「政策的な判断を伴うものではない」と強調。今回の改正点について「私学に対する知事の権限を変更するものではなく、私学の自主性を損なうことにはならない」と説明した。

さらに、鰐淵さんは、指導が不適切な教員の認定に関して、恣意的な人事を防ぐ仕組みの必要性に言及。「認定の公正さをどう担保するかが重要」と指摘し、見解を求めた。

安倍首相は、不適切な教員の認定について、教育委員会の規則に加え、「国としても、認定が公正かつ適正に行われるようガイドラインを示す」と述べた。

公明新聞 2007年5月22日

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【参院文科委】政府にこそ規範意識を求める 蓮舫議員

蓮舫議員は、参議院文教科学委員会で22日午後質問に立ち、規範意識を言うのであれば、政府・内閣こそ規範意識を持つべきで、特に松岡農林水産大臣の疑惑はきちんと説明し、社会保険庁のミスによる統合されない年金記録に関しては、申告・相談を待つのではなく記録の訂正のための調査を行うべきと迫った。

蓮舫議員は、「安倍首相は美しい国は人づくりと規範意識と言っているが、規範意識とは何か」と質問。首相は「規則やルールを守ることで、法律を守ることは当然」と答えた。これを踏まえ、蓮舫議員は、松岡大臣は説明責任を果たしていないと追及。首相はいつものように、「法律に則って処理していると報告を受けている」とだけ答えた。

統合漏れの年金記録5000万件についても、首相は、これから統合され確定できるとして、調査する考えは全く示さなかった。

最後に、蓮舫議員は、教育再生会議の「親学」に関して、「政府は育児も指南するのか」と質した。首相は「支援はするが指南はしない」と答えた。

民主党ニュース 2007年5月22日

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【参院文科委】行政改革推進法の教員削減条項削除迫る 西岡議員

西岡武夫議員は、参議院文教科学委員会で22日午後、安倍内閣が教育を最重要課題と位置づけるならば、行政改革推進法の教職員を削減するとの条項を削除すべきだと迫った。安倍首相は、予算で処理するとはしたものの、条項の削減には踏み込まなかった。

西岡議員は、まず、市場原理と市場原理になじまないものを区別する議論をせずに、市場原理を教育に持ち込み、結果として国立大学が独立行政法人化され、予算が削減されたことを取り上げ、教育に市場原理を持ち込むことの是非を問うた。首相は「頑張った人が報われるようにすることも大切。バランス感覚が大切と思う」と答えた。

西岡議員は、さらに、教育には人材の確保が最も重要であるとして、行政改革推進法の「職員の総数について、児童及び生徒の減少に見合う数を上回る数の純減をさせるため必要な措置を講ずるものとする」を読み上げ、削除を迫った。伊吹文部科学大臣は、「内閣として国会での議論も踏まえて、予算で」と答えた。首相も「真に教育のために必要な予算にする。よく検討したい」と答えただけで、削減には踏み込まなかった。

民主党ニュース 2007年5月22日

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【参院文科委】教育再生へ、「教育養成」の強化を訴える 鈴木寛議員

民主党・新緑風会の鈴木寛議員は、参議院文教科学委員会で22日午後質問に立ち、安倍首相に教育再生への認識を質した。

鈴木議員はまず、教育再生の王道は、優秀な人材確保とその能力を十分発揮させることであるとの考えを明示。そのうえで、政府案の「教員免許に10年の有効期間を設け、30時間の講習を受けさせる」という規定では、「教員の資質・能力の抜本的な向上には不十分である」と指摘した。教育世界一のフィンランドを例に挙げながら、民主党の「教員免許改革法案」が掲げる(1)教育養成の修士レベルへの引き上げ(2)教育実習の強化の必要性を説いた。これに対し安倍首相は、「教育養成の改善」の必要性は認めるものの、財源確保、指導体制の構築など実現のためには課題が多く「検討が必要である」と述べるにとどまった。 

鈴木議員はまた、2005年に小泉政権下で作られた「行政改革推進法」について言及。国立大学法人、公立学校について、教職員総数の純減、人件費の総額5%以上のカットなどが、「教育改革の足かせになっている規定である」と述べ、見直しを迫った。しかしながら安倍首相は、「教育の分野のみ直ちに変革することはできない」と答え、教育改革に対する熱意は何ら感じられなかった。

鈴木議員はさらに、「日本はOECD諸国で教員一人当たりの生徒数が最低レベルである」と指摘。行政改革推進法における教員数削減についての規定が、標準法で定められている教員定数と抵触する可能性も示唆し、改善を求めた。安倍首相は「教員数と学力は必ずしも比例しないと」として、教員確保よりも学力優先の見地から教育再生を、との認識を露呈させた。

最後に鈴木議員は「(教育改革において)工夫には限界がある」として、「ある程度の人員と予算確保は不可欠である」と主張。財源の確保をはじめとする首相のリーダーシップを要請した。

民主党ニュース 2007年5月22日

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首相「教育新時代開く」 研さん努めれば免許更新

安倍晋三首相は21日午後の参院本会議で、教育改革関連3法案に関し「(昨年末成立した)改正教育基本法の理念にのっとり、社会総がかりで教育の基本にさかのぼった改革を推進して教育新時代を切り開く」と強調した。

また、教員免許更新制の導入について「日常の職務を支障なくこなし、自己研さんに努める教員は更新が期待される」と述べた。

文部科学相の教育委員会に対する是正指示、要求権を盛り込んだことには「地方が責任を果たしていない場合に必要な関与を行うことは国の重要な役割だ」と指摘した。

一方、対案を提出した民主党の西岡武夫元文相は答弁で、「学校教育の課題は教師に優れた人材を確保することに尽きる。そのための法案を提出した」と主張。同党の森裕子氏は政府案に対し「人的、財政的な支援が不十分なままで教育現場の管理を強化しようとしている」と批判した。

自民党の中川義雄、民主党の神本恵美子両氏らが質問した。

共同通信 2007年5月21日

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教育3法案が衆院通過=週明け参院審議入り

終盤国会の最重要法案である教育改革関連3法案は18日午後の衆院本会議で、与党などの賛成多数で可決、参院に送付された。週明け21日の参院本会議で安倍晋三首相が出席して趣旨説明と質疑が行われ、審議入りする。

3法案は、10年ごとの教員免許更新制の導入や教育委員会制度改革、改正教育基本法を踏まえた各学校の目的見直しなどが柱。伊吹文明文部科学相は18日の衆院本会議終了後、記者団に対し「法案を参議院で認めていただいて、早く学校現場を正していけるよう努力をしたい」と述べた。

参院審議入りに当たり、民主党は改めて対案を提出。21日の本会議では民主党案の趣旨説明と質疑も行われる。野党側は対決姿勢を崩していないが、6月23日の会期末まで1カ月以上残っており、今国会成立は確実な情勢だ。

時事通信 2007年5月21日

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