2520民主案における教育行政の一般行政独立性の消滅

 

 

164国会 衆特別委 第6回(531日)

下村委員 今の笠さんのお答えでは、ちょっと我々としては納得できる内容ではないですね。
 それから、それぞれの地方自治体の長というのはもちろん選挙で選ばれるわけですから、その自治体に対してとやかく言う筋合いは全くありませんけれども、しかし、義務教育というのは、やはり全国津々浦々で教育水準等がきちっと確保されていなければいけませんから、それがある自治体の首長の判断によって変更することもあり得るようなことがあったとしたら、これはかなり問題ではないかと思いまして、そういう意味で、先ほど指摘した三点の民主的なという文言についての説明は、きちっとされていなかったというふうに思います。
 その中で、今のお答えの中で、二項のところで、「民意を反映させるものとし、その長が行わなければならない。」これは、具体的に教育委員会を廃止するということではないかということが一部報道されていましたが、そういうことでいいんですか。教育委員会はもう廃止しちゃう、都道府県の教育委員会や市町村の教育委員会はもう廃止しちゃって、つまり、もうそういうのはなしにするということの意味なのかどうか、お聞きしたいと思います。

○笠議員 今御指摘がありましたように、私ども、これは附則の一条の中で、今後、このあり方については、関係法令を定めていく中でしっかりと検討することにしておるわけですけれども、地方公共団体の行う教育行政については、首長と教育委員会との二元行政、この問題点がかねてから指摘をされておりますので、私どもは、現行の教育委員会制度というものは発展的に解消していく。
 そして、ではその中でそのかわりにどういう組織をつくっていくのかといいますと、これは私ども、教育行政に関する民主的な組織にしていくということで、首長が執行する教育行政を監査するオンブズマン的な組織を想定しておるところでございます。

下村委員 教育委員会を廃止して民主的な組織をつくるということの、民主的な組織というのがちょっとわかりづらいですね。
 例えば、私、個人的な立場でいえば、義務教育については、例えば県の教育委員会の関与はもう外しちゃう、設置主体である市町村、そこが、国とそれから市町村の教育委員会と学校現場、県の教育委員会は例えば高等教育にのみ特化するとかという意味ではわかりますけれども、民主的な組織と教育委員会はどう違うのか、それをもうちょっと明確にしていただきたいと思います。

○笠議員 今の現行法においては、今委員が御指摘にあったとおりに、県教委というものがまず廃止をされて、当然ながら、設置者が市町村に、教育委員会に当面ゆだねていくということになると思いますけれども、首長の考える組織というものが、では今のような教育委員会のようなものがいいのか、それとも、やはりそこあたりというものは、先ほど申し上げましたオンブズマン的ということでございますので、そういう監査をしていくような新たな組織に改めていくべきということも考えられるのではないかと私は思っております。