164国会 衆特別委 第9回(6月5日)
○糸川委員 …次に、第十三条の、学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力、これにつきまして質問させていただきたいんです。
教育は学校だけで行われるものではない、学校とともに大事なのは、家庭、地域における教育である、これは前回までの質問でも何度も私は言っておるわけでございますし、改めて確認するところでもないと思うんですが、家庭におきましては、すべての教育の出発点として、特に、豊かな情操ですとか基本的な生活習慣、それから、家族や他人に対する思いやりですとか善悪の判断、こういう基本的倫理観ですとか社会的なマナー、自制心や自律心を養う、こういうことが期待されているわけでございます。
また、地域社会におきましては、それぞれの地域が有する自然ですとか文化ですとか歴史ですとか伝統というものを背景として、異世代の人々との交流、こういうものによるさまざまな体験のチャンスを提供することによって、地域社会の構成員としての社会性、それから、公共心ですとか規範意識、勤勉性、自主性、創造性豊かな人間を、人間性というものを養う、こういうことが期待されているわけでございます。
ところが、昨今では、同じ地域に住んでいる者同士でも、まさに他人行儀で、よそよそしくて、まして、子供は社会の宝、こういった言葉も実際にはもう忘れられてしまっているのではないかな。地域の教育力ですとか社会の教育力というものは現実的に崩壊の危機に瀕している、このように思うわけでございます。
今こそ、家庭ですとか地域社会におきまして、人との交流ですとかさまざまな活動、経験を活発にして、敬愛ですとか感謝の念ですとか家族や友人への愛情、こういうものをはぐくんで豊かな人間関係を再構築して、そして、学校、家庭、地域の三者が一丸となって、二十一世紀を切り開く心豊かな日本人の育成に当たることが必要なのではないかなと思うわけでございます。
そこでお尋ねをさせていただきますが、今回のこの第十三条において、学校、家庭及び地域住民等の相互の連携及び協力、このように規定しておりますが、この趣旨について御説明をいただけますでしょうか。
○小坂国務大臣 この趣旨は、今委員が御指摘なさったとおりでございまして、子供の健全育成、そして、教育の目的を実現する上での学校、家庭、これらが大きな役割を担っていることからかんがみて、地域社会の果たすべき役割も非常に大きくなっておりますので、この三者がそれぞれに子供の教育に責任を持つとともに、相互に緊密に連携協力して教育の目的の実現に取り組むことが重要だ、こういう趣旨から、学校と家庭と企業や関係機関なども含めて、地域社会を構成する者がみずからの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携協力に努めることについて、新たに十三条として規定を設けさせていただいたところでございます。