164国会 衆特別委 第8回(6月2日)
○小坂国務大臣 他の委員の御質問でもお答えを申し上げたところでございますが、家庭教育はすべての教育の出発点でありまして、基本的倫理観や社会的なマナー、自制心や自律心などを育成する上で大変重要な役割を担っているわけでありますので、改正法案の第十条におきまして、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的な責任を有することを明確にし、家庭教育の役割について規定するとともに、国や地方公共団体による家庭教育の支援について規定をいたしております。
同時に、家庭教育は、本来、保護者の自主的な判断に基づいて行われるべきことであることから、それに十分配慮をいたしまして、第二項において、家庭教育の自主性を尊重するということを明示的に規定しておるところでございます。
なお、この条文というのは、個々の家庭における具体的な教育内容について規定はいたしておりません。それはなすべきでない、このようなことを法律で新たに設けるという意思ではないということをここで付言させていただきたいと思います。
また、具体的にどのようなことをやっているかということにつきましては、必要があればさらに細部にわたって答弁させていただきたいと存じます。
164国会 衆特別委 第8回(6月2日)
○高井委員 現行の教育基本法の審議の際に、家庭教育は広い意味で社会教育に含まれるというふうな政府の答弁がなされておりました。今回新たに規定を置いた理由をお聞かせいただきたいというふうに思います。
いわゆる当時の概念から、社会教育とは今回は切り分けて規定したということなんだろうと思いますが、中教審等の提言等でも、家庭教育の現状を考えると、それぞれの家庭、保護者が子供の教育に対する責任を自覚して、みずからの役割について認識を深めることがまず重要であるとの観点から、子供に基本的な生活習慣を身につけさせることや、豊かな情操をはぐくむなど、家庭の果たすべき役割について新たに規定することが適当であるというふうに提言がありました。
本来国が介入すべきでない家庭教育について法律で規定するというのは、言う人によれば国家の家庭への介入であるというふうな御意見もございますが、この家庭教育を規定した理由について教えてください。
○小坂国務大臣 過日、鳩山委員の御質問の中でも、家庭というものについての思いが述べられておりました。今、高井委員も、家庭というものの重要性、また家庭教育というものの重要性についての御認識は同じように高いものがおありだというふうに聞いておりました。私もそのように思っております。
御指摘の家庭教育は、現行法の第七条の社会教育の規定におきまして、「家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によつて奨励されなければならない。」としているところでございます。
しかしながら、家庭教育は、今申し上げたように、また皆さんの御意見にもありますように、すべての教育の出発点であり、基本的な倫理観や社会的なマナー、自制心や自律心などを育成する上で重要な役割を担っております。
したがいまして、今回の改正におきまして、第十条におきまして、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有することを明確にさせていただきまして、家庭教育の役割について規定するとともに、国や地方公共団体による家庭教育の支援について規定をさせていただいたところでございます。また同時に、家庭教育は、本来、保護者の自主的な判断に基づき行われるべきものであるということに十分配慮をして、第二項において家庭教育の自主性を尊重することについて明示的に、すなわち明らかに規定をさせていただいたことでございます。
本条は、個々の家庭における具体的な教育内容等について規定するものではありませんで、また、そのような法律を新たに設けることを意図するものでもないということを御理解いただきたいと思います。