0480学問の自由を尊重しつつの意義

 

 

164国会 衆特別委 第6回(531日)

○やまぎわ委員 …この議論をする前段として、第二条に、学問の自由を尊重しつつという表現がございます。これは大切な話だと思いますが、しかし、この学問の自由を尊重しつつという表現が、教える内容、これも自由なんだというふうに一部のイデオロギー団体なり教師なりに曲解されて、学習指導要領などに従わない、そういった教育が現場で行われないかどうか心配するところでありますが、この点について、大臣から、どのようなお考えか、お示しいただきたいと思います。

○馳副大臣 学問の自由とは、人が本来持っている真理探求の要求が自由に行われなければならないという教育全般に関する自由な理念であることから、現行法に引き続き規定いたしております。
 一方、初等中等教育段階においては、児童生徒に教授内容を批判する能力がなく、また、教育の機会均等や水準の確保が要請されることなどから、教員に完全な教授の自由が認められるわけではありません。このため、学習指導要領を初めとする教育課程の基準等を国が定めているところであり、教員はそれらに基づいて教育を行うものであります。このような考え方は昭和五十一年の最高裁判所の判決でも示されているところでもあり、その趣旨の徹底に努めてきているところであります。

 

164国会 衆特別委 第12回(68日)

○斉藤(鉄)委員 …政府案第二条の教育の目標、その一番初めの文章に、「教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。」ということで、後、一号から五号まで目標が載っておるんですが、この前文に突然、「学問の自由を尊重しつつ、」という文章が出てまいります。高等教育や大学のところで出てくるのであればわかるような気もするのですが、ここに全体に係る形で学問の自由が出てきた理由をお伺いします。

○小坂国務大臣 ここに規定をいたしました学問の自由とは、人が本来持っている真理探求の欲求が自由に行使できるということを踏まえたものでございまして、教育全般に関する重要な理念であると考えております。
 このため、教育全体を通じた教育の目標を掲げる第二条に規定することといたしまして、教育の目標の実現に当たっては学問の自由を尊重することを、現行法の第二条、教育の方針に規定されていることに続きまして、それを引き続き規定したものでございます。


○斉藤(鉄)委員 全体に係る理由はわかりました。
 聞くところによりますと、学問の自由には三つの範疇があると。一つが研究の自由、それからその研究成果を発表する自由、そして教授の自由だそうでございます。この教授の自由ということを拡大解釈しますと、これは高等教育のところではなくて第二条の最初に出ている文章ですから、初中教育においても教授の自由がある、であれば、学習指導要領よりもこの教授の自由、先生が何を教えてもいいんだ、それは自由があるんだ、これは二条に書かれているんだ、こういう解釈にもなりかねません。
 この点はいかがなんでしょうか。指導要領とどっちが優先するんでしょうか。


○田中政府参考人 初等中等教育段階におきます教授の自由についてのお尋ねでございますけれども、初等中等教育段階におきましては、児童生徒に授業内容を批判する能力がなく、また教育の機会均等や水準の確保が要請されることから、教員に完全な教授の自由が認められるわけではございません。
 このため、今御指摘のございましたような学習指導要領を初めとする教育課程の基準等を国が定めておるところでございますし、また、これらを踏まえまして、それぞれの当該学校におきまして、学校で教育課程を定めておるわけでございます。それぞれの教員は、その教育課程に従って教育を行う必要があると考えておるところでございます


○斉藤(鉄)委員 わかりました。学習指導要領が優先するということでございます。