0280国連子どもの権利委員会最終所見の政府法案における位置
164国会 衆特別委 第3回(5月24日)
○志位委員 学力テスト一般を私たちは否定しているわけじゃありません。抽出的に調査をして、実態がどうなっているかということを調べることはあるでしょう。しかし、全国一斉にすべての子供に対してやる必要はない。それをやったらこういう競争や序列化が起こるということを私は指摘したのに、あなたは全くそれに対する自覚がない。
ここに、首相が議長を務める経済財政諮問会議に前の文科大臣の中山さんが提示した資料があります。何のために学力テストをやるのか、競争心の涵養のためだと言っていますよ。もっと競争に追い立てるために学力テストをやる、こういうことを言っています。
しかし、日本の教育における過度の競争主義の問題というのは、国連の子どもの権利委員会から繰り返し批判されている。九八年の勧告では、高度に競争的な教育制度のストレスで児童が発達障害にさらされると批判されている。二〇〇四年の勧告では、にもかかわらずフォローアップがされなかったと批判されている。この国連の勧告にも全く逆行する競争のあおり立てだと私は思います。
習熟度別学級、何で悪いんだと言いましたけれども、フィンランドでは、学力水準世界一と言われている、しかし、これは競争教育を一掃してどの子にもわかるまで教えるようにしたこと、そして二十人学級など少人数学級をやったこと、先生の自由を尊重したこと、この三つでやっているんですよ。教育基本法は、そのときのお手本とされた。それを生かした教育改革こそ必要であって、私は、憲法を踏みにじって愛国心を強制し、子供たちを競争に追い立てて、勝ち組、負け組にふるい分けるというこの改悪は、徹底審議の上、廃案にするしかないということを強く主張して、質問といたします。